青木 航洋 院長の独自取材記事
しんゆり青木整形外科
(川崎市麻生区/新百合ヶ丘駅)
最終更新日:2026/03/26
2009年に開業し、体の痛みやしびれ、スポーツ障害、骨粗しょう症に重点を置いた診療で地元住民の整形外科部門の健康を守っているのが「しんゆり青木整形外科」だ。同院は小田急線・新百合ヶ丘駅から徒歩4分の医療モール内にある。院長の青木航洋先生は、山梨大学大学院を修了。総合病院やリハビリテーション専門クリニックなどで長年研鑽を積んだドクター。日本整形外科学会整形外科専門医でもある。診療では、患者に治癒力をつけるため、運動療法と物理療法のリハビリに力を入れている点が特徴。「平均寿命が延びた今、健康寿命も延ばして患者さんには快適な人生を送ってほしい」と語る青木院長に、同院の診療方針を中心に話を聞いた。
(取材日2026年3月9日)
最小限の投薬とリハビリで、患者の治癒力を引き出す
こちらのクリニックではどのような治療が受けられるのでしょう。

当院は首・肩・腰の痛みや手足のしびれ、スポーツ障害、骨粗しょう症の治療に力を入れているクリニックです。最近は筋力の低下やバランスが取れていないといった方が増えてきましたが、これらの症状の改善を図り、予防にも結びつけられるような診療を心がけています。治療方法は、薬物治療のほか、リハビリ、干渉波機器などを使った物理療法、痛みの強い方には注射による治療も行っています。さまざまな治療機器を備えていますが、特に超音波機器を使用することが多いですね。筋肉や腱など、組織の修復が必要な場合や、骨折時にも活用しています。患者さんの症状や年齢はもちろん、一人ひとり異なるゴールに合わせた治療方法を提案しています。
2009年に開業されてから現在までの間に、どのような変化がありましたか?
症状でいうと、大人の場合はリモートワークによって肩凝りや腰痛が増え、子どもの場合は外遊びの減少によって股関節から下が硬くなる、握力が弱くなることでケガをしやすくなりました。当院は困った時にすぐに受診できるよう、予約制にはしていませんが、皆さん日々お忙しく、症状があっても受診せず様子見をされる方が増えました。しかし、整形外科の疾患は時間がたつと症状が変化するものがあり、様子を見ているうちに体のバランスが崩れ、別の症状が現れる場合もあります。早めに医師の診断を受け、治療を開始することがベストです。また、整形外科の疾患は回復までに一定の時間がかかります。おうちでのストレッチなど、患者さんご自身の努力もできるだけ早く回復するためには重要になる場合があります。
治療方針についてお聞かせください。

症状が改善するために最も大切なものは、患者さんご本人の治癒力です。ケガの当初は痛みが強いので、痛みを和らげるために最小限の薬を使用しますが、これはご本人の治癒力を引き出すために重要な役割を果たします。一回の診察や検査では点でしかわからないことも複数回通っていただくことで、経過を追えるので、患者さんのお悩みに的確にアプローチすることができます。リハビリは専門のスタッフが担当するのですが、患者さんの痛みの強さに応じて内容を変えていきます。リハビリを続ける中で、症状の悪化や主訴以外の症状が出た場合は、リハビリスタッフから医師にすぐに報告し、患者さんの状況が迅速に把握できるようにもしています。
性別、年齢など個々に合わせた骨粗しょう症治療を
骨粗しょう症治療にも力を入れていらっしゃいますね。

骨粗しょう症は女性が多くかかる疾患ですが、最近は男性の患者さんも増えてきました。骨粗しょう症の治療を受けるケースはさまざまで、骨折をした、自覚症状はないが健康診断で骨密度が引っかかった、女性の場合は閉経などと多岐にわたります。投薬では副作用が出ないように配慮しながら、患者さんの骨の状態や性別、年齢に合わせそれぞれに適したものを処方しています。疾患の性質上、治療はじっくりと取り組む必要があります。そのためカルシウム、タンパク質などを摂取するための食事の指導や、運動に関するアドバイスも行っています。症状に応じてPTH(副甲状腺ホルモン)製剤の注射も行っています。
リハビリについて教えてください。
さまざまな年齢と症状の患者さんに対し、医師とリハビリスタッフが連携して患者さんの症状を確認した上で、適切なアドバイスをするように心がけています。リハビリは運動療法と、レーザーや超音波、温熱低周波などの機器を使用する物理療法があります。物理療法は消炎鎮痛処置ともいい、比較的症状の軽い患者さんはこの消炎鎮痛処置のみを行うことも多いです。運動療法、物理療法ともにリハビリを受ける患者さんにはご自分の体の状態に気づいてもらうことを重視しています。スタッフが日を追って患者さんの経過を診ていきますので、リハビリの内容は患者さんによって異なるメニューとなっています。
スタッフとはどのように連携を取っていますか?

当院では受付や放射線技師、リハビリスタッフなど多職種でカンファレンスを行い、患者さんの情報の共有を行っています。医師がどのように患部に触れたり動かしたりして関節や筋肉などの損傷の程度を診たのかをリハビリスタッフに詳しく伝えることで、スタッフが次にどのような施術をしたらいいかがわかるようにしています。スタッフが患者さんの状態を判断する際には、その症状に関連する医学論文を読んでもらうなど、スタッフのスキル向上につながる取り組みも行っています。接遇面については、普段から患者さんとのコミュニケーションをしっかり取るよう意識しています。一度のご説明では聞き取れないことや後で質問したいことが出てくることもあるかと思いますので、医師のみならずスタッフからもご説明させていただき、随時質問を受けつける体制を整えています。また、日々診療後にスタッフ皆で話し合って接遇面のブラッシュアップにも努めています。
患者のゴールに合わせた治療で改善まで伴走する
医師をめざした理由と、今日までの道のりをお聞かせください。

私はもともと科学や生物と機械工学の両方の分野が好きだったのですが、高校時代に将来進む道を考えた時、やりがいを感じられる医師をめざすことに決めました。大学時代は陸上部を経てテニス部に所属していたのですが、その時に「運動を行う人の体」に関わりたいという気持ちが強くなり、山梨大学卒業後に同大学医学部の整形外科に入局しました。その後、総合病院やリハビリ専門クリニックなどさまざまな医療機関での診療を経験することで、救急医学、脊椎外科、外傷、スポーツ障害などに対する手術やリハビリについて幅広く学ぶことができました。中でも脊椎外科の医師として多くの手術や治療の経験を積んだことは、今も日々の診療で生かされており、大きな財産となっています。
ところで、休日はどのようにお過ごしですか?
医師会活動ならびに日本整形外科学会の代議員や日本臨床整形外科学会の理事を務めているため、プライベートな時間はほとんどないですね。学会は日本各地で行われるため、隙間の時間にその土地を観光するのが楽しみです。私も年齢とともに体力が落ちてきたので、いつまでも元気で診療をするために体力づくりが必要になりました。以前から体幹を鍛えようとサーフィンをやっていますが、今は時間が取れないのでジョギングをしています。医師は意外とジョガーが多いんですよ。学会で遠方に行く時にもシューズとウェアを持参し、早朝や夜などに走っています。土地ごとに異なった風景の中で走れるため気持ちがいいですよ。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

患者さんの訴えを聞き、人によって異なる治療のゴールやライフスタイルに寄り添った治療を今後も守っていきたいですね。タイトなスケジュールの方にもできる限り対応していきたいですし、思わぬ痛みによって不安や怒りを持って来院される患者さんにも「ここに来て良かった」と思ってもらえるようにしていきたいです。最近では、インターネットで疑わしい症状を気軽に検索できるようになり、痛みや異常を感じても数ヵ月様子見をされる方が増えましたが、患者さんの状況によって診断は異なりますし、放っておくと悪化したり、ほかの症状が増えて治療にさらに時間がかかるため、症状が出てから1、2週間以内の受診をお勧めします。平均寿命は延びましたが、同時に健康寿命も延ばし、患者さんにいつまでも快適な生活を送っていただけるよう、スタッフ一同でお手伝いさせていただきます。

