堀尾 暁裕 院長の独自取材記事
佐倉ウェルネス歯科医院
(佐倉市/ユーカリが丘駅)
最終更新日:2024/11/06

京成本線ユーカリが丘駅南口よりバスに乗車し、東邦大学佐倉病院正面玄関前バス停で下車してすぐの場所にある「佐倉ウェルネス歯科医院」。歯の健康寿命を延ばすことに重点を置き、0歳からの定期的な予防管理に特化している同院。穏やかで優しい口調が印象的な院長の堀尾暁裕先生のもとへは、歯のメンテナンスを希望する患者が多く訪れる。小児患者を増やすことを目的に、院内にはキッズルーム専用フロアを設置し、妊産婦向けのセミナーも開催。「症状がない状態から歯科医院に通う患者さんを、地域レベルで増やしていきたいですね」と話してくれた堀尾院長に、クリックの特色や予防定期管理型歯科の重要性、診療の際に大事にしていることなどを聞いた。
(取材日2023年10月18日)
0歳からの定期的な予防管理に特化した歯科医院に
開業前はどういったところで経験を積まれたのでしょうか。

事業承継というかたちで、当院を譲り受けました。もともとこちらのクリニックの開業時に父が歯科のコンサルタントとして携わっていたんです。そんな経緯もあり、前理事長がここを離れるタイミングで私が引き継ぎました。私の経歴が少々特殊で、もともとは大学の法学部に在籍していて、歯科の道を志すために卒業後に歯学部へ編入しました。歯学部では、予防歯科や公衆衛生学、経営の勉強を積極的に学んできました。もちろん歯科医師としての基礎や手技は身につけてきましたが、歯科治療よりも、あくまで予防歯科に特化して研鑽を積んできました。
予防定期管理型歯科に興味を持つようになったきっかけを教えてください。
父の影響もありますが、歯科での学びを通じて、どんなに適切な治療ができたとしても、あくまでその歯は修復を図ったまでで、10年後20年後には、再び悪くなる可能性があることがわかったからです。ですので、疾病になる前、いわゆる未病のまま過ごしてもらうことが一番大事だと思っています。予防定期管理型歯科は派手さやきれいな入れ歯が入ったというような大きな感動はないかもしれませんが、虫歯がないまま生活できるというのは、患者さんにとって一番良いことではないでしょうか。口腔内の状態が悪くなると、全身の健康状態にも影響を及ぼします。歯周病や虫歯は、ドミノ倒しのように病気を発症していく「メタボリックドミノ」の最初の一歩目です。それを防ぐためには、やはり未病の状態からの予防定期管理型歯科が重要であり、必須なんです。
どういった患者さんが多くいらっしゃいますか。

現在は小学生以下の子どもが4割、成人が6割というイメージです。高齢の方もいらっしゃいますよ。8割ほどがメンテナンスを目的として通ってくださっている患者さんでしょうか。当院では、「0歳からの定期的な予防管理」を掲げていますので、私が院長を務めることになってからはキッズルーム「ウェルネスキッズ」を拡張したり、妊産婦向けセミナーを開催したりと、子どもの患者さんとその親御さんを対象とした歯科医院にシフトさせています。キッズ専属のチームも結成して、そのスタッフが自らセミナーに足を運んで、そこで得た知識を患者さんにも伝え、0歳からでも安心して通えるような歯科医院であることを広めている段階です。
子ども一人ひとりに合ったオーダーメイド治療の実践を
0歳からの定期的な予防管理とは具体的にどういったことを行うのでしょうか。

コミュニケーションを取ることが第一です。治療というよりも意識づけや行動変容をするイメージでしょうか。子どもが0歳の時に必要なことがあまり知られていないと感じるので、予防定期管理型歯科の概念を理解し、親御さん自身の知識を高めていけるような内容です。また、歯が生えてきた時の歯磨きや抱っこの姿勢などもお伝えしています。小さなお子さんと一緒にお越しいただいている方はもともと歯への意識が高い印象です。お子さんを連れてくる際は、もちろん親御さんも一緒にメンテナンスを行います。親御さん自身がきちんとメンテナンスできていないと説得力がないと思っているので、一緒に頑張っていただくことが重要です。
小さいお子さんと接する時に気を配っていることはありますか。
子どもの場合、誰もが最初から歯科治療に慣れるはずもなく、ある日突然できることもあります。大人が多い歯科医院に行って音や雰囲気で泣いてしまうと、親御さんも周りを気にしてしまう。その点、当院は子どもが多いので、泣いても心配しなくていいですし、一人ひとりに合わせた診療を行うようにしています。低年齢の子は口腔内のチェックがメインなので、歯科衛生士さんが優しくコミュニケーションを図ります。逆に私は優しくし過ぎないようにして、先生が登場するときは大事な話がある、というような意識づけもしていますよ。キッズルームはあえて個室にせず3台チェアを並べて、「隣の子が泣いてないから自分も頑張る!」と思ってもらえるような造りにしています。
症状がない方の場合の、受診のタイミングを教えてください。

本音は0歳から来てほしいところですが、まずはどの年齢の方でも、美容室のように定期的に来ていただけたらうれしいですね。どうしても特に日本は、「歯科医院は痛いときに行く場所」という位置づけで利用する方がまだまだ多いです。定期的に通っていただき、問題のない状態を維持することの重要性を、もっと広めていきたいです。当院では口腔内検査と唾液検査でリスク判定をしますので、リスクが高ければ毎月、判定によって3ヵ月ごとに診ましょうというように、オーダーメイド診療を実践するようにしています。初診時は当院の方針、想いをしっかり理解し納得していただけるよう約1時間の説明がスタートになります。説明と口腔内検査が終わってから応急処置に入りますので、すぐに治療だけしてほしい方には合わないと思われてしまうかもしれません。ただ、私たちの理念に共感していただいた方には、継続して長く通ってくださればうれしいです。
地域から予防定期管理型歯科の概念を根づかせたい
診療する上で大事にしていることがあれば教えてください。

虫歯になったらしっかり治すことは大前提ですが、なぜ虫歯になってしまったのかという話をきちんとしてから治療することが大事だと感じています。当院では歯科衛生士さんは担当制にしていますので、担当者の記入済みカルテを見て、なぜこのような状態になったかを確認し、患者さんに説明するようにしています。悪くなった部分だけを診るのがまだまだ一般的な歯科治療かもしれませんが、治して終わりではなく、あくまで次はもう虫歯にならないように、予防の大事さを知ってもらいたいです。そうすることで患者さん自身も、もっと歯磨きを頑張ろう、メンテナンスに通おうと意識が高くなるのではないでしょうか。
シンボルマークを「ハチドリ」にした由来について伺えますか。
当院のシンボルマークの由来は、ある絵本の主人公の名前からきています。ある日、森で火事が起こったとき、主人公のハチドリがくちばしに水を一滴ずつ含んで火を消そうとします。その動きを見て、周りの動物たちはそんなことをして一体何になるのだと言うのですが、彼は「私は、私にできることをしているだけ」と言います。この絵本を読んだときに自分一人の力では何もできないと思うのではなく、小さい力かもしれませんが行動を起こすことが大事なんだと感じました。まずはほんの小さな地域に根づかせることから始めていけば、ゆくゆくは他の歯科医院にも広がっていくかもしれません。予防定期管理型歯科の概念は浸透しつつありますが、0歳という年齢から歯科医院に通う人は少ないのが現状です。徐々に変わっていけば、と思っています。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

予防定期管理型歯科の重要性は時間がたってから気づくことがほとんどです。きちんとメンテナンスをしていれば、結果は必ずついてくると考えています。健康な自分の歯と歯茎を保って食事をすることで得られる幸福感は大きく、QOL(生活の質)を高めるためにはとても重要な要素です。地域の方々に「0~3歳の子どもたちを通わせる歯科医院といったら佐倉ウェルネス歯科医院」と言われることをめざし、今後はさらに小児のキッズチームを強化していきたいですね。スタッフも月1回の定例会で必ず各種目標を設定し、そこに向けて努力しています。ゆくゆくは患者さんの割合を小児8割、成人2割くらいにできたらと思っています。小児の予防定期管理型歯科に意欲がある方、健康な歯を維持していきたい方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。