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玉井 佳次 院長の独自取材記事

玉井歯科医院

(枚方市/枚方市駅)

最終更新日:2025/07/15

玉井佳次院長 玉井歯科医院 main

地元である枚方市の中心部に開業して35年余。常に地域とともに歩んできたのが「玉井歯科医院」の玉井佳次(よしつぐ)院長。外来診療はもちろん、開業当初から通院困難な患者のために訪問歯科診療を実践。他の医療機関や訪問看護ステーション、歯科医師会や医師会などとタッグを組み、地域医療の充実に力を注いできた。「生まれ育った地元でやっていますからね。私にとってはごく当たり前のことです」と明るく笑う姿に、人とのコミュニケーションを大切にする気さくでオープンな人柄が垣間見える。高齢者や障がい者には、親身な診療に努めてきた玉井院長。その原点はどこにあるのか、患者やスタッフに対するさまざまな思いからひもといてみた。

(取材日2025年5月30日)

外来から訪問診療まで、自分の地元で地域医療に貢献

まずは開業の経緯をお聞かせください。

玉井佳次院長 玉井歯科医院1

私は岐阜歯科大学(現・朝日大学)の出身で、卒業後は大阪市内の都心のビル内にあるクリニックに6年間ほど勤めました。そこでは大勢の先生が自費診療を含めて幅広く対応しており、その中で私もさまざまな技術を修得することができました。そのうちに開業を考えるようになり、どうせなら地元でやりたいという思いから故郷の枚方市でクリニックをスタートしたのが1989年のことです。ビルを建てたのは父ですが、最初からクリニックの間取りを優先し、それに合わせてビルを設計しました。敷地内にはもともと花屋さんや石材屋さんがあったため、そのまま路面の1階に入って営業を続けていただき、私は2階でクリニックを営むことにしたわけです。

診療環境づくりのこだわりを教えてください。

当院はできるだけバリアフリーな環境をめざし、最初からエレベーターを設置しています。階段で上がって来られた患者さんはガラスのドアから入っていただきますが、エレベーターはその内側にあるので玄関のスロープから車いすやシニアカーのまま診療室にお入りいただけます。診療台は4台で、院内の衛生環境を含めて当時としてはしっかりと整えたつもりです。外来診療は一般歯科や予防歯科、歯周病治療など、保険診療を中心に、自費診療にも対応しています。あと、訪問歯科診療を開業時から行っているのも当院の特徴です。歯科医師は私以外に女性の歯科医師が20年ほど前から在籍。彼女は外来も訪問診療もこなしてくれています。あとは歯科衛生士4人、歯科助手3人が診療を支えてくれています。

現在、どのような患者さんが中心ですか?

玉井佳次院長 玉井歯科医院2

特に限定しているわけではありませんが、当院の患者さんは年齢的にはかなり高めです。昔から長く通ってもらっている方が多く、そうした皆さんと一緒に私も年を重ねてきた感覚ですね。あるタイミングで外来通院から訪問診療に切り替えを希望される方もいますし、ご年配同士の会話から当院を知って外来にお越しになる方も大勢おられます。あとは歯科医師会や訪問看護師、地域包括センターのケアマネジャーさんとのつながりから、病気や障害のある方をご紹介いただくこともあります。枚方市はこうした多職種連携が割と盛んな自治体ですが、ほかにも医科の先生や薬剤師、介護職などが意見を出し合い、1人の患者さんに対して何ができるのかを真剣に考えることは非常に有意義だと感じます。

訪問診療への対応は、特別なことではないとの姿勢で

開業時から訪問診療に携わる理由を教えてください。

玉井佳次院長 玉井歯科医院3

私には車いす生活を送る8歳離れた弟がいました。弟は中学生の時、野球部に在籍していたんです。もちろん野球なんてできませんが、それを部員のみんなが受け入れて本当によく面倒を見てくれました。“助けてあげる”という意識は彼らにはなく、手を差し伸べることに何の戸惑いも見せません。非常に純粋な気持ちからだったのでしょう。私が訪問診療に出かける理由も同様で、“そこに困っている人がいるから”です。特別なことをやっている意識はまったくありません。保険医に登録している限り、外来であれ訪問であれ対応するのが当然だと考えるからです。ちなみに弟はその後に作詞の才能を開花させ、地域の音楽祭の作詞コンテストでグランプリを2回受賞しました。そして2004年、39歳の若さで亡くなりました。彼がいたからこそ今の私がある。弟に対する気持ちが、私の人生にいつまでも同居し続けています。

診療時は、どのようなことを心がけていますか?

患者さんの話をよく聞くことです。まずは共感。「それは大変でしたね」という一言があるのとないのとでは、患者さんの気持ちに大きな差が出るでしょう。そこから実際にどうするか、考えられる治療法を提示し、保険ならこの範囲、自費ならこの範囲と、メリットもデメリットも包み隠さずにお伝えします。あと、歯科診療といえども全身の状態との相関性があり、他の病気や服薬、体の癖などが大いに影響します。薬をたくさん飲まれている場合はうかつに歯を抜いたり削ったりできませんし、手に右利き、左利きがあるように、歯にも噛み癖があります。そうした全身的、全顎的な視野で診療を行っていくことが大切だと考えます。

ほかにも大切にしていることがあればお聞かせください。

玉井佳次院長 玉井歯科医院4

歯科医院の印象の多くは、やはり診療台に座るまでのプロセスで決まるでしょう。電話対応に始まり、患者さんへのあいさつや、ちょっとした天候の話題なども軽んじてはいけません。また、マスク越しとはいえ、ちゃんと目を見て話しかけること。特に年配の患者さんは、そうした所作を非常に重視されます。幸いにして、今のスタッフにはお互いに言いたいことが言える関係性ができていて、切磋琢磨して患者さんとのコミュニケーションや接遇のスキルアップに励んでくれています。こうした肌と肌といいますか、人として人に接することが何より大切だと私も感じます。中には私よりはるかに年上の患者さんもおられます。その方から見れば、私なんてただの若造ですよ。歯科医師だからと偉そうにしても通用しませんからね。

“人として人を診る”という姿勢を続けていきたい

先生が歯科医師をめざしたきっかけは?

玉井佳次院長 玉井歯科医院5

うちは代々豆腐店を営んでいて、父で4代目となる結構な老舗でした。店は枚方市駅の近くにあり、父が亡くなるまで続いていました。私も子どもの頃、繁忙期はよく手伝いをしたものです。そのうち祖父が父に向かって言うには、「歯医者というのはすごく稼げるらしい。佳次は歯医者にしたらどうだ」と。それで歯医者になれと言われ続けて本当になったわけですが、実際にやってみると決して楽な仕事ではなく、話が違うじゃないかと思いましたね(笑)。ただ、開業して最初の診療報酬明細を父に見せると目を丸くして驚いていました。大した金額ではありませんが、父からすれば衝撃的だったのでしょう。言い換えれば、豆腐を一丁一丁作って売ることがどれだけ大変かということです。その後も現在に至るまで歯科医院を続けられていることに対して、両親や家族にも今も感謝しています。

歯科医師になって良かったという結論ですね。

今も私は歯科医師の仕事が好きで、特に訪問診療は心待ちにしてくれる方もいて大好きです。訪問診療を通して学んだことは、相手の立場になって考えることの重要性。例えば、訪問診療の方の入れ歯修理を行う場合、いったん持ち帰って対応しますが、一概に早いほうが良いというわけではありません。一見、その日のうちに修理してその日のうちにお持ちすることが一番良いことだと思われるでしょう。しかし、訪問診療を受け入れるご家族側のご都合もあります。もちろん遅れるのは一番まずいですが、さまざまな状況を勘案して判断することが大切なのです。

最後に、今後へ向けたメッセージをお願いします。

玉井佳次院長 玉井歯科医院6

開業から30数年間、地域の大勢の皆さんに当院をご利用いただいたことに心から感謝しています。それと同時に、関わらせていただいた地域のエキスパートの皆さんやスタッフにも感謝の気持ちを伝えたいですね。特に今のスタッフは本当によくやってくれていて、彼女たちがいなければ今後の玉井歯科医院はないと思えるほどです。私も60代後半となり、いつまで診療できるかを考えさせられる時期。当面はまだまだ現役で頑張らねばなりませんが、私自身はやはり訪問診療に軸を置きながら診療を続けていければと考えています。本音で人に向き合うこと、人として人を診させていただくという姿勢を今後も忘れずに励んでいきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ホームホワイトニング/4万4000円

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