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吉家大亮 院長の独自取材記事

桜並木医院

(横浜市都筑区/仲町台駅)

最終更新日:2021/10/12

吉家大亮院長 桜並木医院 main

平成20年に生まれ育った地元で開院した吉家大亮院長。「桜並木医院」の名称は地名から名付けられたそうだが、院長と話しているとその清々しさや潔さ、そして「地元の人の健康を守りたい」というフレッシュな気持ちは、桜の清新さと重なるようだ。取材中、急患でやって来たヤケドの子どもを上手になだめ治療していた院長。別の患者の質問にも丁寧に時間をかけて答えていた。訪問診療も含めた地域医療に情熱を注ぐ院長に話を伺った。

(取材日2010年4月13日)

CTスキャンも備えたプライマリ・ケアの最前基地

先生が医師を目指したきっかけは?

吉家大亮院長 桜並木医院1

昔から「人の役に立てる仕事をしたい」と思っていました。しかし高校3年生になって具体的に受験先を考えるまで、明確に医学部への進学は考えていませんでした。わが家は医師の家系などとは違って普通の家庭でしたし、誰かに医者になれと言われたわけでもありません。でも何となく「人の役に立てたらいいなあ」と考えていました。今から思えば高校生にありがちな、少々思い上がった動機だったかもしれません(笑)。医師になって実際に多くの患者さんと接するようになると、「人を助ける」という言い方は傲慢なのかもしれないなあと思います。医師だから立派だということはありません。医師も患者さんと等身大の苦悩やつらさを抱えています。それでも前を向いて一生懸命に努力するしかありません。このプロセスも患者の皆さんとまったく同じなんですよね。

やはり医師という仕事はハードですか?

ハードであることに違いありませんが、でもとても面白くて、やりがいのある仕事なのも事実です。僕は都筑区内の県立高校を卒業後、東京医科大学へと進学しました。その後、同大学の医局に入局し、主に呼吸器と消化器を勉強しました。大学病院に勤務している時期は研究データをまとめる作業の手伝いなども多くて、患者さんとあまり触れ合う機会がありませんでした。なのでレジデントとしてのスタートを切った西東京警察病院では、多くの患者さんやたくさんの医師たちと触れ合い、とても思い出深い月日を過ごせましたね。うまく言えませんが、ちゃんと医師として患者さんの役に立てたことが何よりうれしかった。「人を助けたい」と思い上がっていた高校時代の自分には、「『人を助けたい』という気持ちだけじゃなく、誠心誠意治療して、その結果として患者さんの役に立ててこそ一人前の医者なんだぞ」という言葉をかけたいですね。

医院はとてもきれいで、落ち着ける印象ですね。

吉家大亮院長 桜並木医院2

開院しておよそ2年経ちました。木をふんだんに使っており、なるべく患者さんがリラックスできる雰囲気にしました。道路から玄関まではスロープがあり、院内もバリアフリーに対応しています。実際に車椅子で来院される患者さんも多いです。当院のような規模の医院では珍しいのかもしれませんが、CTスキャンも設置しています。当院はプライマリ・ケアの最前線になるわけですから、いつ頭のケガをした人が来られるか分かりません。転倒や衝突に関してはお年寄りから小さな子まで、誰にも起こりうる事故の一つですからね。そんなときでもCTスキャンがあれば脳をチェックするのにとても有効なんですよ。

訪問診療を行っている患者に対して、24時間体制の専用電話も開設

先生は、訪問診療にも力を入れていますね。

吉家大亮院長 桜並木医院3

訪問診療と外来の違いとして、外来は患者さんご自身が何らかのお体の不具合を訴え来院されるのに対し、訪問診療は患者さんやご家族から依頼されてご自宅へ伺います。するととてもありがたがってくれるんです。もちろん外来の患者さんからいただく感謝の言葉もうれしく思いますが、訪問診療の場合はご家族が介護などで本当に気が張り詰めた状態で、患者さんご本人も動けない自分を責めておられる。そんな中で僕が訪問診療することでお役に立てるのならとてもうれしいですね。大きなやりがいになります。現在、国の方針としても療養型の病院が少なくなっており、少しでも患者さんの状態が落ち着いていると、家に帰されることになります。でも自分の足を使って病院に行くことが困難な人は膨大な数にのぼります。僕は今、40代ですが、僕の体が動くうちはできるだけ訪問診療を行っていきたいですね。

24時間体制の専用電話も開設されてますね。

訪問診療を行っている患者さんから僕にダイレクトに繋がる24時間対応の携帯電話を常に持ち歩いています。もちろん24時間、医師としての仕事を意識するわけですから、大変と言えば大変です。しかし毎日深夜に電話がかかってくるわけじゃありませんからね。ありがたがってくれる患者さんがいらっしゃるのなら、それでいいのです。診療もできるだけ丁寧に、そして時間を取って分かりやすく症状や治療法をご説明するよう努力しています。よく「先生のそのやる気の源は?」と聞かれるんですが、特にこれが僕のモチベーションを上げる方法だと呼べるものはありません。ただしっかりとした診療をやろう思っているだけですね。当院では基本的に薬も院内で処方しています。わざわざ院外の薬局に行く手間も省けますからね。場合によっては院外処方箋も発行していますが、ほとんどの患者さんが「診察もお薬も同時にしてもらえて助かるわ」と言ってくださいます。このエリアは子育て中のママも多いので、皆さん、とても忙しいんですね。そのような患者さんの生活の背景も意識してよい診療を提供したいです。

先生が患者さんに対して、日頃、心掛けていることは?

吉家大亮院長 桜並木医院4

とてもシンプルな答えで申し訳ないのですが、「患者さんの訴えをしっかり聞く」ことです。僕は開業するまで、主に呼吸器と消化器を勉強していましたが、やはり外の現場に出てみなければ、患者さんのリアルな声は聞こえてきません。町のホームドクターとして開院すると、外科の患者さんや風邪を引いた患者さん、生活習慣病に悩む患者さんなど、ありとあらゆる症状の患者さんを診察していかなければなりません。見落としのないようしっかり診察するためにも、とにかく患者さんの声に耳を澄ますようにしています。

昔からの友人に相談するような、気軽でリラックスできる診療

休日はどのように過ごしていますか?

吉家大亮院長 桜並木医院5

じつはほとんど休日がありません。当院は月曜から土曜日まで診療しており、さらに日曜日に訪問診療の予約が入ることもあります。となると家にいるのは日曜の午後。しかし事務的な処理に追われたりで、結局、働いていますね。わが家には二人の娘がいるのですが、なかなか一緒に遊んであげられないのがつらいところです。スポーツを楽しむ時間もめっきり減ってしまいました。学生時代は柔道部に所属して、体も心も随分鍛えられました。ただし柔道部時代の人脈は現在の僕をとても助けてくれています。大学を卒業後に勤務した病院も、そのほとんどが柔道部の縦や横のつながりで声を掛けてもらいました。

先生の今後の展望は?

僕の妹も医師をしています。両親が教育に関しては、兄も妹も平等に受けさせたいと考えたようで、妹も僕と同じ医師の道を歩むことになりました。当院はスペースにもゆとりがありますし、CTスキャンや経鼻内視鏡などの設備も導入しています。なおかつ訪問診療にも力を入れています。できれば一緒にこの医院でお世話になった地元の人々の健康に貢献したいなあと、兄としては希望しています。肝心の妹はどう考えているのか分からないんですけどね。高校時代の友人も患者さんとして来てくれています。僕が通った高校は地元では進学校と言われる学校でしたが、当時の僕はあまり勉強に熱心ではなかった(笑)。大学に入ってからは一応真面目に勉強したのですが、そのことを知らない友人たちは、僕が医師として働いている姿に驚くようです。

読者の皆さんへのメッセージは?

吉家大亮院長 桜並木医院6

とにかく何でも気軽に相談してください。読者の方の中には、医師に対して「診療中に横柄な態度をとられた」「私の話を聞いてくれなかった」など、良いイメージを持っていない人もおられるはずです。確かにそのような医師もいるのでしょう。医師という仕事は自分より年上の患者さんに敬語を使ってもらうなど、周りの人から健康について頼りにされる仕事だと思います。なので中には勘違いしてしまう医師がいるのかもしれませんね。でも僕は、自分が特別に立派な仕事をしているとは思っていません。「丁寧にきちんと診療する」という当たり前のことをさせていただいているだけと考えています。「ここが当院の特徴ですよ!」などと声高にアピールするつもりもないんです。もともと性格が攻撃的じゃないというか。そもそも柔道部に入部したのも勧誘がしつこくて、逃げられなかっただけですからね(笑)。何かお体で気になることがあり、なかなか良い相談相手がいないと悩んでいる方がおられたら、ぜひ気軽にお越しください。昔からの友人に相談するようなリラックスした雰囲気の中で、ともに良い治療法を見つけていきましょう。

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