坂井 宏成 院長の独自取材記事
坂井歯科医院
(寝屋川市/香里園駅)
最終更新日:2025/03/14

再開発が進む香里園駅から徒歩1分。レンガ色のビル2階にある「坂井歯科医院」は、坂井宏成院長を中心にホスピタリティーにあふれた幅広い診療で地域の口腔衛生向上に努める歯科医院だ。一般歯科から入れ歯、インプラント治療、矯正治療、審美歯科、小児歯科、訪問歯科、予防歯科と幅広い診療を提供しており、中でも予防歯科に注力。虫歯や歯周病の予防だけでなく全身の健康を見据えたヘルスケアとして、歯科医院で行う口腔ケアの重要性を訴えている。「意識せずにしている食事や会話、呼吸は口腔機能あってのもの。地域の皆さまが不安なく人生を過ごせるよう、歯科医院として最大限にチャレンジしたいです」と優しい笑顔で話す宏成院長に、同院について話を聞いた。
(取材日2025年3月3日)
安心・安全・誠実の3つを大切に診療する歯科医院
まずは、貴院の歴史について聞かせてください。

当院は、父である坂井秀明理事長が1982年に開業した歯科医院です。開業当初からパソコンを導入したり、ビデオやカメラでお口の中を撮影したりと、当時の歯科医院では珍しい取り組みを積極的に行ってきました。おかげさまで開業から40年を超えた今もたくさんの患者さんにご来院いただいており、現在は2つの分院を有するグループ院としても診療を行っています。私が当院を継承したのは2022年のこと。それに伴って医院を移転し、予防ルームやカウンセリングルームの拡充、手術室の新設など設備の充実を図りました。また先進のCTやレーザーなどの機器、CAD/CAMも備え、さらに自信を持って患者さまをお迎えすることができる環境が整ったのではないかと思います。
次に、貴院の診療方針を聞かせてください。
当院が大切にしているのは、「安心できる治療」「安全な医療」「誠実な対応」の3つ。具体的には、痛みの少ない治療、各種感染症対策、そしてカウンセリングの徹底です。世界は目まぐるしく変化していきますが、どの時代においても変わらないのは人の感情だと思います。どんなに設備が新しくても、信頼できない、居心地の悪い所には足が向かなくなりますよね。些細なことかもしれませんが、笑顔、言葉がけ、気持ち、これらが治療とセットになってはじめて医療行為であると私は思います。ですから、まずは患者さんのお気持ちや不安に寄り添うこと。治療前にはリラックスできる環境でカウンセリングを行って、治療への理解や安心を得ていただけるように努めています。
特に注力している治療はありますか?

基本は予防歯科です。予防歯科は秀明理事長がこれまでずっと大切に取り組んできたことで、患者さんの大切な歯をできるだけ抜かなくて済むように、削らなくて済むように、患者さんと一緒に取り組むことが大切になります。そのためには「歯医者は歯が悪くなってから行く所」だというイメージを変えなくてはいけません。痛みや不便を感じていない時に歯科医院を訪れるのは、なかなか面倒なことだと思います。しかし、お口の状態は想像以上に日常生活や全身の健康に影響を及ぼします。例えば食事は毎日のこと。食べることが苦痛になれば十分な栄養が取れなくなり、免疫力が低下して病気になりやすくなる可能性があります。いつまでも健康でいるために、初診の際には時間を取って、歯科衛生士や管理栄養士がカウンセリングを行っています。
メンテナンスだけでなく栄養指導や運動指導も実施
歯科医院に管理栄養士さんがいるのは珍しいですね。

私たちは、心身の健康は食生活から始まると考えています。食べるためには口腔の健康が必須であり、歯科医院では食べるための機能を維持・回復するために治療や予防を行います。ただ健康を考えると「食べられれば良い」ではなく、「何を食べるか」もとても重要。栄養バランスが悪ければ免疫力が下がり、免疫が下がれば虫歯や歯周病が起こりやすくなる可能性もあります。やわらかい物ばかり食べていれば口腔機能の低下を招きます。これらは健康を阻害する原因の一つ。そこで当院では管理栄養士による食事指導を行い、年齢や口腔内の状態に合わせて適切な食生活を送るためのアドバイスをしています。エビデンスに沿った指導を行いますので、健康になりたい・維持したい人は気軽にご相談ください。
口腔だけでなく、全身の健康も見据えて治療されているのですね。
人間の体はすべてつながっていますから、口腔の健康と全身の健康だってつながっていると考えているのです。その証拠に糖尿病、がん、脳卒中、急性心筋梗塞などの疾患の根底には歯周病があるともいわれており、虫歯や歯周病によって歯を失ったり咀嚼機能が低下したりするとメタボリック症候群を引き起こす可能性が高まります。メタボリック症候群は糖尿病、がん、脳卒中、急性心筋梗塞などの疾患の要因。口腔の健康を損なうと、健康にとって負のサイクルができてしまうこともあるのです。この負のサイクルを断ち切るために歯科医院でできることはたくさんあります。当院ではヨガイベントなども開催し、運動指導にも力を入れているんですよ。「歯科医院でヨガ?」と思うかもしれませんが、患者さんには非常に好評で、多くの方が楽しんでくださっています。
健康のために、楽しみながら通院できる工夫がいろいろとされているわけですね。

院内にはメンテナンス専用のゾーンがあり、一般治療室とは違うちょっと違った雰囲気にしています。メンテナンスは美容院に行くように、疲れた時にマッサージに通うような、ちょっと楽しみな気持ちで来ていただきたい。残念ながら日本ではまだまだメンテナンスが一般的とはいえず、定期的に歯科医院に通っているのはわずか20%程度といわれています。その結果、日本人が80歳の時に残っている歯の平均本数は28本中15本ほどになります。入れ歯やインプラントという方法もありますが、自分の歯に優るものはありません。メンテナンスを継続していくことで、一本でも多くの歯を残せるように、担当の歯科衛生士と一緒に取り組んでいただければと思います。
小児から高齢者まですべての年代に必要な医療を
小児歯科も細かく対応されていますね。

当院の小児歯科では、乳歯が生えてから永久歯が無事に生えるまでの過程をサポートし、永久歯が虫歯になることなく健康に育つための基盤を整えることをめざしています。幼い頃に歯のメンテナンス習慣を身につければ、虫歯のない人生が可能になりますし、口腔機能を正常に発達させれば咀嚼・発音・呼吸が楽になり、歯並びも整いやすくなります。また、体が成長する力を利用して顎から整えることができるのは成長途中にある小児ならでは。当院では矯正専門の歯科医師による小児矯正にも対応していますし、赤ちゃんの離乳食教室や口腔機能発育不全に対するアドバイスも行っています。歯科医院が怖い場所にならないためにも、虫歯になってからではなく、虫歯にならないために連れて来てもらえたらうれしいです。
訪問歯科にも対応されているとか。
秀明理事長の代から通ってくださっている患者さんも多いので、「引き続き診てもらいたいけど通院が大変」というお声があがるようになりました。そこで、お口のクリーニング、歯の痛みの治療、入れ歯の調整や新調などさまざまな要望に対して歯科医師、歯科衛生士、コーディネーターの3人1組のチームで訪問歯科診療を行っています。私の人生において深く愛情を注ぎ続けてくれた親族が介護施設に入所したことで、介護の現場の現状を知り、私たちが訪問することで守れる食事や会話の楽しさ、健康はあると痛感しています。摂食・嚥下障害や誤嚥性肺炎を予防するためにも、私たちを気楽に頼っていただければ生涯にわたってのサポートをさせていただきたいです。
今後の展望や地域の皆さんにメッセージをお願いします。

私は歯科医師の家系に育ち、実は私で歯科医師として5代目。小さな頃から父が歯科医師として信念を持って仕事をする姿を見てきましたので、私も父が守ってきた患者さまとの信頼関係を壊すことなく、より良い歯科医院にしていけたらと思っています。小さな子どもたちからご高齢の方まで、お口に悩みがある人がいれば、そのすべてに寄り添いながらサポートしていきたい。そして、1人でも多くの人に口腔の健康の大切さ、メンテナンスの重要性を知ってもらいたいと思います。今後はSNSなどを通しての発信やイベントの開催など、地域の皆さまが歯科医院に感じるハードルを少しでも下げられるような取り組みをしていきたいです。それが、皆さまが健康になるきっかけになればと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正1期/33万6600円~、小児矯正2期/45万1000円~、インプラント(1本)/35万円〜46万円、ワイヤー矯正(表側)/86万3500円~、オールセラミックのかぶせ物/13万2000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。