福田 哲巳 院長の独自取材記事
福田歯科
(松原市/恵我ノ荘駅)
最終更新日:2025/09/08

松原市一津屋の静かな住宅街にある「福田歯科」は、2014年に現在地へ移転開業し、地域住民の口腔健康を支え続けている。福田哲巳院長は1980年に大阪歯科大学を卒業後、勤務医を経て1984年に三宅で開業。40年にわたり「口は健康の入り口」という理念を掲げ、予防歯科を重視した診療を実践してきた。大阪府学校歯科医会で35年以上活動してきた経験から、子どもの健康教育にも情熱を注ぐ。穏やかな人柄ながら、学校歯科保健教育の話になると真剣な表情に変わる。高校時代はラグビー、大学では空手に打ち込み、自身も歯の破折を経験。その体験からマウスガードの重要性を身をもって理解している。地域のかかりつけ歯科医院として、保険診療を基本に患者の要望に寄り添う診療姿勢や、予防歯科への思いなどを聞いた。
(取材日2025年8月8日)
地域に根差して40年、患者とともに歩む道のり
移転開業の経緯と、この地域を選んだ理由を教えてください。

もともと三宅で開業をしていたのですが、2014年にこちらに移転してきました。三宅ではテナント施設に入っていたのですが、いつか自分の建物を持ちたいと思っていて、そんな時にこの場所が見つかり、ちょうどタイミングが合ったんです。実は父が松原警察署長を務めた後、松原商工会議所の専務理事をしていた関係で、この地域とは深い縁があります。1984年の開業時も父のつながりでお話をいただきました。今回の移転も同じ松原市内ということで、これまで通ってくださっていた患者さんも引き続き来てくださっています。駅から徒歩10分ほどの静かな住宅街で、落ち着いた環境の中で診療できるのが良いですね。
歯科医師をめざしたきっかけは何だったのでしょうか?
高校時代に受験先として歯科を選んだのは、おじが歯科で開業していたこともあって、医療の道が身近だったからです。おじから「やったらどうか」という声かけもありました。大阪歯科大学を卒業後は大阪市内の本町で勤務医として経験を積みました。卒業して4年目に開業しました。歯科は病院があまりないので、いずれ自分でやらないといけないという思いもありましたね。父が堅実で真っすぐな人だったので、その影響も受けているかもしれません。地域に根差して、長く患者さんと向き合っていきたいという思いで続けています。今振り返ると、早い段階で独立したことで、自分なりの診療スタイルを確立できたのかなと感じています。
どのような診療方針で患者さんと向き合っていますか?

基本的に保険診療で、患者さんの要望に応えることを大切にしています。基本的にはお申し出がなければ保険で対応します。治療では、なるべく削る部分を少なくする治療を心がけています。できる限り歯を残すようにしているんです。患者層は高齢の方が多いですが、幅広い年齢の方を診療しています。ご希望があれば、入れ歯やホワイトニングといった保険外の診療も行います。スポーツマウスガードの作製にも対応しています。予防歯科を重視していて、リコール希望の方には3〜4ヵ月ごとに電話での連絡もします。症状が出ないと来ない方もいらっしゃるので、痛くなる前に来てもらえるよう啓発も大切だと考えています。
学校歯科医として伝える予防の大切さ
学校歯科医会での活動について詳しく教えてください。

学校歯科医を35年以上担ってきました。今は若手に譲りましたが、学校歯科保健教育には特に力を入れています。検診だけでなく、年に1回は学校で講演もしています。子どもの虫歯は減ってきていますが、生活習慣病の予防は学校時代から始まるんです。歯科の場合、ちょっとした歯肉の腫れや出血が丁寧に磨くことで治まることがあります。虫歯になりかかっている着色も丁寧に磨けば防げることもある。自分でケアすれば健康が守れるということを、子どもたちに実感してもらうことが大切です。今は外傷予防にも力を入れていて、スポーツマウスガードの普及活動も行っています。
マウスガード作製にこだわる理由は何ですか?
高校時代はラグビー、大学では空手をやっていて、空手部時代に歯の破折を経験しました。当時はマウスガードがなかったんです。その経験からマウスガードの重要性を身をもって感じています。院内にマウスガード作製の機械があって、私自身で作っています。どの歯科医院でも作っているわけではないので、まずは相談してもらえればと思います。治療用としては歯ぎしりや顎関節症にも対応しています。マウスガードはスポーツ用品店でも扱っていますが、きちんと歯に合うものを作るには歯科医院が良いですね。外れやすさや厚みの調整など、やはり専門的な知識が必要ですから。野球やバスケットボールでも外傷は多いので、もっと普及してほしいと思っています。
食育や虫歯予防について、保護者に伝えたいことは?

一番大事なのは子どもの時からの正しい生活習慣です。正しい歯磨き習慣だけでなく、食事習慣も重要です。しっかり噛むこと、唇を閉じて噛むことも大切です。唇を閉じられない子はスイカやメロンが上手に食べられなかったり、歯並びにも影響が出たりします。虫歯予防では、少量頻回の飲食が一番危険です。食事を取ると口の中が酸性になり歯が溶けますが、唾液の力で戻ります。ただ、回数が多いと虫歯になりやすいんです。特にスポーツドリンクは糖分が多く弱酸性なので要注意です。飲んだ後は必ず水でゆすぐか歯を磨くことが大切です。「口は健康の入り口」という考えで、口腔ケアの大切さを理解してほしいですね。
長年のスタッフとともに築く温かい診療環境
長年一緒に働くスタッフについて教えてください。

スタッフは移転前から10年以上勤めてくれている方たちで、本当に頼りになります。長年やってくれているので、何も言わなくてもあうんの呼吸でできるようになっています。患者さんへの対応も親切で丁寧です。それが歯科医院全体の雰囲気の良さにもつながっていると思います。現在は歯科助手と受付を兼務してもらっていますが、患者さんの数に合わせて効率的に動いてくれています。本当に頼りにしていますね。
今後の診療で力を入れていきたいことは何ですか?
これからも予防歯科に重点を置いていきたいです。定期的にメンテナンスに来てもらって、悪くなってから来るのではなく、いい状態を保つような診療を続けたいと思っています。予防が大切なことは変わりませんから。リコールを希望される方には引き続き連絡していきます。きちんと来られる方はもう習慣になっていますね。私自身も規則正しい生活を心がけていて、三食きちんと食べるようにしています。お酒は外では楽しみますが、家では芋焼酎を控えめに飲む程度です。長年診療してきましたが、これからもまだまだ元気に診療を続けていきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「口は健康の入り口」ということを、ぜひ覚えておいてください。口腔ケアの大切さを理解していただきたいんです。特に大事なのは、子どもの時からの正しい生活習慣です。正しい歯磨き習慣や食事習慣、食育も重要です。大人になってから困らないように、小さい頃からの習慣づけが大切です。当院では保険診療を基本に、患者さんの要望に応じた診療を行っています。予防歯科を重視していますので、症状が出る前に定期的に来ていただければと思います。私たちは、40年間この地域で診療を続けてきましたが、これからも地域の皆さんの健康を口腔面から支えていきたい、お手伝いをしていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはかぶせ物/7万円、入れ歯/(片側)10万円、(両側)15万円、ホワイトニング/(片顎)1万2000円、スポーツマウスガード/5000円~1万円程度