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伊藤 桂 院長の独自取材記事

いとう横浜クリニック

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2021/10/12

伊藤桂院長 いとう横浜クリニック main

2010年の完成を目指し、駅周辺の大規模な再開発工事の真っ最中であるたまプラーザは、田園都市エリアでも人気の高い洗練された街だ。今後もますます目が離せないたまプラーザ駅から2分ほど歩いたところにあるのが『いとう横浜クリニック』。ここではエコーや触診による乳がん検査のほかに、デジタルマンモグラフィーによる検査も可能だ。「乳がんや婦人科の検査に気軽に行ける病院にしたい」と語る院長の伊藤桂先生の言葉には、女性医師ならではの心遣いと優しさが感じられた。

(取材日2008年7月25日)

女医だからこそ女性の患者さんの気持ちに気付いてあげたい。

医師を志したきっかけを教えてください。

伊藤桂院長 いとう横浜クリニック1

父の転勤が多くて、子供の頃は地方を転々としていました。関西、東北、北海道と約2年おきに転校がありましたが、今思えばいろんな場所に友人ができて楽しかったと思います。父は医師ですが、忙しくてほとんど家にいませんでした。休みになると遊んではくれましたが、急に仕事で呼び出されることもしばしばで、途中でどこかに行ってしまったりしましたね。いつも忙しそうにしている父を見て、「医者って大変そうだな」と感じていましたが、「自分も医者になって父のお手伝いができればいいな」と子供心に思っていました。一度、旅行先で人が倒れていて、その時に父と元看護師だった母が一緒に介護した姿は、格好良くて印象的でしたね。「人を助ける仕事っていいな」とその時に思いました。

研修医としてどのようなことを学びましたか?

研修医の時は、患者さんを通じて学ぶことが非常に多かったですね。私は外科系で、今でこそ外科の女性医師の方は増えていますが、男の先生がほとんどでした。女性特有の病気やメンタル的な内容など、女性の患者さんにとっては、男の先生だと何となく話しづらいということがあると思います。そんな時、私が間に入って話を聞き、その内容を担当医に伝えるというメッセンジャーみたいな役割をしていました。持ち前の明るい性格もあったのかもしれませんが、同性の患者さんから相談しやすいと重宝されましたね。患者さんの役に立っていることが嬉しかったです。今でも、女性の患者さんに「女の先生なので話しやすい」と言われることがあります。私の名前が字を見ただけでは女性なのか男性なのか分かりづらいので、診察室で初めて顔を合わして「あぁ、女性の先生だったのですね」とホッとされる方がよくいらっしゃいます。

勤務医時代の出来事をお聞かせください。

乳腺外科にいた時の外来で、私は問診をしていたのですが、その時にとてもショックな出来事がありました。30歳前後の若いとても綺麗な方が検診に来られたのですが、残念なことにその方はそこで乳がんが発見されたのです。しかも「どうしてここまでほって置いておいたの?」とびっくりするぐらい進行していました。その患者さんに話を聞いてみると、結果を聞くのが怖かったこともあったようですが、それ以上に「検診に行きにくかった」と言われ、私はとてもショックでした。もっと早く乳がんが発見できていたら結果はまったく違っていたはずです。もしもその方の身近に、気軽に検診に行ける病院があったなら、状況は変わっていたと思うのです。「どうすれば乳がんの検診に行きやすくなるか?」女性特有の病気だからこそ、「女医の私にできることはないだろうか?」と考えるようになりました。

乳がん検査についてアドバイスをお願いします。

伊藤桂院長 いとう横浜クリニック2

うちではデジタルマンモグラフィとエコーによる乳がん検査が受けられます。厚生労働省の発表では40歳代のマンモグラフィ検診を勧めていますが、マンモグラフィの検査ができる医院は意外と少なく青葉区でも数えるほどです。 私は定期的に検診をすすめていますが、それだけにとどまらず、月に一度は自分で触診をする習慣をつけて欲しいと思います。特にアドバイスしたいのは、「自分の胸が普段どんな感じなのか?」触った感触を覚えてください。普段から触る癖をつけ、その感触を覚えていれば、変化があった時に異変を感じることができるかと思います。普段の胸の状態を知らないと、乳腺はごつごつしているので、しこりの感触なのかどうか分からないと思います。乳がんは予防するのは難しいですが、乳腺チェックを定期的に受けることで早期発見も可能です。早く見付かれば治療も少ない侵襲で可能な事もあります。症状があれば保険も利くので、気になっている方は早めに検査をすることをおすすめします。

定期的に検査を受けることで乳がんの早期発見が可能に。

MRIではどのような疾患が発見できるのですか?

伊藤桂院長 いとう横浜クリニック3

当院では頭部、頚部、上腹部(肝臓・胆のう・膵臓)骨盤部(子宮・卵巣)、四肢、脊椎などの撮像を、最新の1,5テスラの超伝導MRIにて行っております。腫瘍や血管がはっきり写るので、動静脈の奇形、動脈瘤、脳梗塞などが発見できます。実際にMRIを撮ってみると、隠れていた原因が判明できるので、めまい、頭痛、手足のしびれ、といった自覚症状のある方や、血圧が高く心配な方は一度検査をしてもよいと思います。また、MRIで子宮筋腫や内膜症などを発見することもできます。画像だけでの診断なので、婦人科で細かい検査をしなければ発見できない病気もありますが、20分ほど横になっているだけで痛い思いをせずに検査ができます。婦人科の内診に抵抗があって、なんとなく検査を受けづらいと感じている方にとって、検査に行くきっかけになってくれればいいなと思っています。脳外科医である父に手伝ってもらっており、脳ドッグなどは父が担当しています。脳神経外科と乳腺外来が一緒というのは珍しいかもしれませんね。

早期発見を心掛け、地域の患者さんの脳卒中予防に努めたい

伊藤桂院長 いとう横浜クリニック4

脳神経外科診療の役割としては、まず第一に、脳卒中で倒れないようにすること。後遺症を残して身体の働きが不自由になってしまう患者さんが発生しないように、地域の方々の脳卒中予防に専念することだと思います。経験豊富な熟練した脳神経外科専門医が診れば、このままでは明らかに脳卒中で倒れそうという患者さんを、一瞥で判断できるものです。また、脳卒中になりやすい要因をチェックしてみると、意外に脳卒中発生前夜状態の方にも遭遇します。脳卒中で倒れる方は、高血圧、高血糖(糖尿病)、高脂血症、肥満、大酒家、喫煙家など、脳卒中にかかりやすい要素をいくつか持っていることが多く、特に高血圧の方は、治療が不完全の場合、脳出血や脳梗塞で倒れている場合が多く、このような方は、倒れる以前の脳断面MRIで発見診断されるのですが、"隠れ脳梗塞"、"隠れ脳出血"といった、無症状のまま小さい梗塞や出血をおこしていることが、よくあります。倒れる以前に、隠れ脳梗塞、隠れ脳出血を、MRIで発見した場合は、厳重な"整備点検"がされなければなりません。それを放置した場合、いつか大事故(脳卒中大発作)につながります。"整備点検"のチェック項目としては、まずは、血圧、脈拍の状態、血液の濃さや血糖やコレステロールや肝臓や腎臓の内臓機能の数値の採血測定、心電図、胸部レントゲン写真、そして、脳断面MRI、首の頸動脈MRA,脳血管MRAを行います。その結果により、生活習慣のチェック、ご指導、また必要なら薬剤投与、または外科治療のご案内をしています。また、当院では、MRI,MRA等で、脳出血やクモ膜下出血や、急性脳梗塞などの異常が発見され、急いで治療を要した場合は、急遽、適切な治療施設をご案内、その救急施設と連絡をして、適切に治療できるよう手配しています。今後も早期発見に努め、地域の方々にお役に立て行きたいと思っています。

気軽に来院できる街のホームドクターを目指していきたい。

開業されて何か変化を感じますか?

伊藤桂院長 いとう横浜クリニック5

大きい病院と違って、患者さんとゆっくり話ができることがいいですね。大きい病院だと患者さんも何をどう聞いていいのか分からないといった方が多かったのですが、街の中にある開業医だと、「とりあえず先生に聞いてみよう」といった具合に、患者さんもいろいろ質問してくれます。また、患者さんと会話をすることで、逆に私の方が元気をもらうこともありますね。時間的には、開業してからは宿直がなくなった分、夜が楽になりました。ただ仕事をしてらっしゃる方でも気軽に検査ができるよう、月・水曜日は19:45まで診療を受け付けています。

開業の地に選ばれた「たまプラーザ」の印象をお聞かせください。

開業するにあたり場所を探していたところ、通りすがりにたまたまこの場所を見つけました。駅から近く商店街の中にあって、しかもスペースが広い。MRIなどの医療機器を置くには十分なスペースが必要なので、いい場所に巡り会えたなと思いました。幼い頃から青葉台に住んでいるのですが、小さい頃はたまプラーザの塾に通ったり、買い物に来たりしました。その頃は駅とデパートくらいしかなくて、駅前も今ほどにぎやかではありませんでしたね。たまプラーザの街は環境がよくてとても好きです。ただ、ケーキ屋さんやレストランなど美味しいお店が多くて、私は誘惑との戦い!!そういう意味では、たまプラーザは私にとってデンジャラスゾーンですね(笑)。

診療室には猫のグッズがいっぱいですね。

私の猫好きをスタッフの皆さんが知っていて、誕生日の時や旅行先で見つけた猫グッズなど、買ってきてくれるのです。猫の可愛いところはあの自由気ままな性格ですが、実はいろいろ考えているみたいですね。猫は家の主が分かるらしく、うちの黒猫の「ダイちゃん」もリビングでくつろいでいる父に寄り添って、上手になついています。父は「うちで一番優しい人が分かっているのだな」なんて言ったりしていますが‥。猫とのんびり遊んでいると、気分がリフレッシュされます。

最後に今後の展望をお聞かせください

伊藤桂院長 いとう横浜クリニック6

診療に来られ、私と話をしたことで気持ちがすっきりして、帰り際に患者さんが笑顔を見せてくれた時は、お役に立てたかなと思い嬉しい気分になります。今後も患者さんとの会話を大切にしながら、患者さんの悩みや不安を少しでも軽くできたらいいと思います。地域の方が気軽に相談できる病院を目指していきたいと思います。

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