伊藤 秀高 理事長の独自取材記事
伊藤歯科医院
(東大阪市/河内小阪駅)
最終更新日:2026/06/19
近鉄奈良線河内小阪駅から徒歩10分。レトロな雰囲気が漂う商店街を抜けた先にある「伊藤歯科医院」は、伊藤秀高理事長の父が開院して以来、長年にわたり地域に根差して診療し続けている。現在は補綴咬合を専門とする伊藤理事長が、幅広い世代の患者に寄り添いながら診療を提供している。院内は白とダークブラウンを基調としたシックでスタイリッシュな内装で、明るく落ち着いた雰囲気だ。誠実で明るい人柄の伊藤理事長は、常に患者の気持ちを第一に考え、歯科医師としての使命感を持って治療にあたっている。また、子どもたちの歯を守るために、保護者へのサポートにも力を注ぐ。今回は、そんな伊藤理事長に同院の特徴や診療の際に大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2025年9月3日)
患者の意思を大切にした治療を提供
理事長に就任されたそうですね。

そうなんです。昨年、当院は医療法人化し、昨年の8月10日より私が理事長に就任しました。実は、以前当院の院長を務めていた父は、現在はここから徒歩4分ほどの場所にある別の歯科医院で診療を行っています。一度は歯科医師を退いていたのですが、近隣の歯科医師が体調不良のため歯科医院を閉院されることになり、「引き継がないか」とのお声をいただきました。その結果、父がそちらの歯科医院を引き継いで診療を再開し、現在は私と父、それぞれが別の場所で地域の方々のために尽力しています。また、父の歯科医院は完全バリアフリーで、車いすにも対応しており、ご高齢の患者さんにも安心して通っていただける環境です。
貴院の特徴を教えてください。
当院では、セラミック製のかぶせ物を作製するCAD/CAMシステムを導入しています。この機器は、3D光学カメラで患部を撮影し、そのデータをもとにコンピューターがかぶせ物を削り出します。セラミック製のかぶせ物は、見た目がきれいで汚れがつきにくく、また歯との境目をしっかりと密着させられる点が特徴です。そのため、近年では虫歯になりにくい治療の一つとして確立されています。また、従来の型採りをしてから模型上でかぶせ物を作製するよりも、このシステムを用いることでより精度の高いかぶせ物の作製が可能となりました。従来の型採り方法よりも負担が少なく、楽に感じると思うので、患者さんにも喜んでもらえると思います。
診療の際、大切にしていることはありますか?

治療前に丁寧に説明すること、そして、患者さんの要望を尊重することを大切にしています。虫歯があっても治療を望まれない場合もあると思いますので、そのような場合には、私の考えをお伝えした上で、最終的な判断は患者さんご自身に委ねるようにしています。説明する責任は歯科医師側にありますが、選択肢を選ぶのはあくまで患者さんです。その上で、求められることにはしっかり応えていく、そんなスタンスで診療に臨んでいます。また、患者さんご自身がどのような治療を受けたのかを理解した上で、帰っていただけるように丁寧な説明も心がけています。何をされたのかわからないままお金を支払うような状況では、お互いにとって不幸だと思うのです。納得して治療を受け、満足して帰っていただく。それがインフォームドコンセントの本質だと考えています。だからこそ、リスクやメリットも含め、一つ一つ説明し、納得を得てから治療に進むようにしています。
予防歯科にも尽力し、口の健康をサポート
予防歯科にも力を入れていらっしゃいますね。

はい。やはり自分の歯で噛んで食べるというのが理想です。入れ歯やかぶせ物を使わざるを得ない状態になる前に、今ある歯を大切に守っていくという意識を多くの人に持っていただきたいと思います。患者さんの中には適切な歯の磨き方を知らない方も多いので、口腔ケア指導も含めて予防歯科にはこれまで注力してきました。定期検診は3ヵ月に1回が理想ですが、6ヵ月に1回でもいいですし、毎年の誕生日月と決めてもいいでしょう。特に不調がなくても人間ドックを利用される方は多くいらっしゃいますよね。それと同じ感覚で歯の定期検診も受けてもらえたらと思うのです。今後、日本の歯科も自然と予防重視の流れになっていくと思います。
子どもの歯を守るために、大切なことを教えてください。
定期検診は本当に大切です。しかし、小学生の頃は継続して通っていた子でも、中学生になると自立や反抗期を迎え、歯磨きや受診がおろそかになり、その結果、高校生の頃に痛みが出たり虫歯ができる子も少なくありません。逆に、続けて来院してくれる子は、良い口腔状態を保てていることが多い印象です。また、お子さんに、歯を磨かないことは気持ち悪いことだと自覚してもらうことも大切です。そのためには、親御さんの声かけや協力も欠かせません。もちろん本人の意識が重要ですが、家族全体で意識を高めていけることが理想です。私自身、お子さんの歯を守るために、そんな親御さんたちのサポートもできたらいいなと思っています。さらに、お子さんの歯には、フロスを使ってほしいです。歯ブラシで磨くだけだと、虫歯になりやすいため、そこはぜひ取り入れてほしいですね。
先生のご専門である入れ歯治療についてお聞かせください。

入れ歯治療は、歯科の中でも特に専門的な知識や技術が求められる難しい分野の一つです。人の口の大きさや形は一人ひとり異なり、食べ方にも個人差があります。講習会などで基本的な流れを学ぶことはできますが、実際の診療では患者さんの数だけ治療の方法があるといっても過言ではありません。そのため、「この場合にはこう対処する」という治療の引き出しを、歯科医師がどれだけ豊かに備えているかが重要です。入れ歯治療は、症例を通じた経験値が大きくものをいう分野だといえるでしょう。私自身、大学院で入れ歯治療を専門的に学び、その後の臨床現場でも多数の症例に携わってきました。そうした経験に基づく知識や技術が、現在の診療で多様な患者さんのニーズに応える際に生かされていると思います。また、入れ歯治療では、患者さんが納得されるまで丁寧に調整を重ねていくことも大切にしています。
ケアのために通う歯科医院をめざして
患者さんが安心して過ごせるように、環境面で工夫していることはありますか?

なるべく臭いのある物は使わないようにし、歯科医院特有の臭いを減らすよう常に心がけています。また当院では、患者さんの安心のためはもちろん、スタッフの安全を守るためにも先進の滅菌機器を導入しています。器具の滅菌については、開院以来何十年もの間、変わらず徹底して取り組んできました。滅菌対策は歯科医院で取り組むべき基本であり、最も重要なことだと思っています。器具の汚れを高性能洗浄消毒機で隅々まで洗浄・消毒した後、高温・高圧で徹底的に滅菌することで、院内感染の防止に努めています。
歯科医師会の活動もされているそうですね。
東大阪市の歯科医師会で歯科訪問診療に関わっています。現場に関わる中で、限られた訪問時間内では十分な口腔ケアが行えないという課題を強く感じました。口腔の健康を維持するための新しい取り組みの必要性を強く感じる一方、現場において、歯科医師が単独で果たせる役割には限界があるのも事実です。歯科医師として、今後どのような取り組みができるのかを考えていかなければならないと感じています。また、歯科医師という職業はアメリカでは子どもたちの憧れのトップに挙げられるのに対し、日本では必ずしもそうではない現状があります。だからこそ、私たちが学び続け、身につけた知識や技術を患者さんに還元していくことが重要だと思います。まずは患者さんに対して常に正直であり、決して嘘をつかない。その誠実さの第一歩から、患者さんが利益を得て、歯科医師が信頼と尊敬を寄せていただけるようなwin-winの関係を築いていきたいと考えています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

お子さんの健やかな歯を守るため、義務教育が終わるまでは、ぜひ親御さんも歯磨きに積極的に関わっていただきたいです。成長してからも家庭での見守りやチェックは可能です。実際、統計的にも定期健診を継続して受けている人の方が、生涯の歯科医療費が抑えられるといわれています。子どもの頃からメンテナンスを受けていれば、正しい磨き方のコツやセルフチェックの力が自然と身につきます。それがお子さんの財産になると考えています。天然の歯は、何にも代えがたい大切なもの。だからこそ、当院は治療だけではなく、予防やケアのために長く通っていただける歯科医院でありたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/2万9800円~、セラミッククラウン/5万9800円~
入れ歯/11万円~

