歯列矯正のハードルを下げる
マウスピース型装置を用いた矯正
岩見歯科クリニック
(東大阪市/長瀬駅)
最終更新日:2025/01/16


- 自由診療
マウスピース型装置を用いた矯正の登場で、「人目が気になる」「装置をつけていると不便そう」といった歯列矯正に対するマイナスイメージは大きく軽減された。「岩見歯科クリニック」の岩見朗(いわみ・あきら)院長によると、それまでは歯列矯正を考えながらもためらっていた人が、矯正開始に踏みきる理由にもなっているそうだ。とはいえ、新しい矯正法なだけに経験者が多いわけではない。どのようにしてめざす歯並びに矯正できるのかと不安を感じる人や、期間や費用について気になる人も多いだろう。そこで、マウスピース型装置を用いた矯正のメリットや実際の進め方、さらに同院で取り入れている2種類のマウスピース型装置の特徴について、岩見院長に詳しく教えてもらった。
(取材日2023年3月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qマウスピース型装置を用いた矯正とはどのような矯正法ですか?
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A
樹脂で作られたマウスピース型装置を装着し、徐々に歯並びを整えることをめざす矯正法です。形の異なる複数の装置を順次取り替えて少しずつ歯を動かすことを図り、理想の歯並びをめざします。装置は透明で目立ちにくいので、人目を気にせずに矯正を進められるのが利点です。また、装置は患者さん自身で取り外し可能です。矯正前と変わらず食事を楽しむことができ、歯を磨く時もしっかりとブラッシングできるので、矯正中に虫歯や歯周病にかかるリスクも低いと思います。また、矯正で歯並びが整えば清掃性の向上が期待できますから、食べ物などが歯の隙間に挟まりにくく、なおかつ磨き残しも少なくなり、お口の中を良い状態に保ちやすくなります。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正は誰でも受けられますか?
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A
当院では、永久歯が生えそろい、骨の発育が安定する高校生以降を対象としています。高齢になっても受けることは可能で、60代や70代で受ける方もいらっしゃいます。矯正は見た目だけでなく、不正咬合と呼ばれる噛み合わせの問題にもアプローチしていきますから、将来的にご自身の歯を残せる可能性が高くなることも期待できます。そう考えると、矯正は年齢を重ねられた方にも多くのメリットをもたらします。噛み合わせに問題があると歯に負担をかけるだけでなく、顎関節症のリスクも高くなります。上の歯が前に出ている、前歯に隙間があるといった噛み合わせに問題がある方は、年齢に関わらず、ぜひご検討いただければと思います。
- Qこちらでは2種類のマウスピース型装置を扱っているそうですね。
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A
はい。一つは、最初に採取した歯型から矯正計画を立て、それをもとに必要となる数十枚のマウスピース型装置を一度に作製するタイプで、より複雑なケースにも対応可能です。矯正にかかる期間は個人差もありますが5年くらいが目安とお考えください。もう一つのマウスピース型装置を用いた矯正は、完了時までの矯正計画を立てるのは同じですが、段階ごとに歯型の型採りを行い、その都度必要なマウスピース型装置を作製するというタイプです。ですので途中で矯正計画を修正しやすいという利点があります。当院では軽度の歯列矯正に用いることが多く、かかる期間も短めです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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カウンセリング時には、矯正についての詳しい説明を受け、メリットやデメリットをきちんと理解し、不明点などがあればしっかり確認しておこう。同院では2種類のマウスピース型装置を取り扱っているが、どちらを選ぶかは、患者の要望や歯並びの状態などを総合的に検討され、従来のワイヤー式矯正が適していると判断した場合は矯正専門の歯科医院に紹介しているという。
- 2歯並びを検査
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矯正完了時までのシミュレーションを行い、綿密な矯正計画を作成するため、必要なデータを採取するための検査が行われる。エックス線写真を撮影し、上下の歯並びの型採りを行うのが基本的な検査内容。検査データをもとに矯正計画を立てていくが、これらのデータはマウスピース型矯正装置を作製するラボと共有され、患者が矯正計画に同意した段階で、装置の作製に入るという流れになっている。
- 3矯正計画の説明と確認
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後日、検査データをもとに作製した歯の動きを想定したシミュレーションを確認しながら、矯正計画についての説明を受ける。矯正計画に同意すれば、ラボが装置の作製に着手し、10日〜2週間程度で必要なマウスピース型装置が完成。マウスピースの取り扱いや矯正中の注意点について説明を受けた後、いよいよ矯正開始となる。
- 4通院・メンテナンス
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矯正期間中は、定期的に通院して矯正の進捗や口腔内の状態を確認。使用するマウスピース型装置のタイプによって頻度は異なり、一度にまとめて装置を作製するタイプは6週間に1回程度、段階ごとに歯型を採取し作製するタイプは3週間に1回程度。装着時間はどちらも1日22時間以上で、基本的に食事と歯磨きの時間以外はつけておく必要がある。装着時間が短いと計画どおりに矯正が進みにくいので注意したい。
- 5矯正後のメンテナンス
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マウスピース型装置を用いた矯正が完了した後も、歯並びの後戻りを防ぐための保定期間が定められている。長さは矯正に要した期間とほぼ同じ。保定期間中は、後戻りを防止するリテーナーと呼ばれる装置を就寝時に装着する。また、後戻りや虫歯などのトラブルのチェックのために、3ヵ月に1回程度の定期検診を受ける。歯並びが元に戻ってしまわないよう、きちんとリテーナーをつけ、定期検診も忘れずに受けたい。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/一度にまとめて装置を作製するタイプ:40万円~ 、段階ごとに歯型を採取し装置を作製するタイプ:1セット2万5000円×回数分
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。