太田 貴之 院長の独自取材記事
太田歯科医院
(交野市/交野市駅)
最終更新日:2025/07/04

京阪交野線・交野市駅のロータリーを抜け、交野駅北交差点を南西へすぐの場所に「太田歯科医院」がある。20年にわたってこの場所で診療を提供している歯科医院で、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が受診する。院長の太田貴之先生は、兵庫・大阪の歯科医院で診療経験を積み、市内の別の場所にあった実父の歯科医院を引き継ぐ形で同院を開院した。安心して治療を受けてもらうための4つの心がけとして、院内感染予防のための徹底した衛生管理、わかりやすく丁寧な説明、先進の設備と技術のアップデート、予防歯科への注力を掲げ、日々の診療にあたっている。患者に「ありがとう」と言ってもらえることが何よりうれしいと語る太田院長に、同院の診療姿勢や注力する治療などについて聞いた。
(取材日2025年6月4日)
事前に丁寧なカウンセリングを実施
こちらのクリニックには、どのような方がいらっしゃいますか?

年齢層は幅広く、お付き合いの長い方が多いのが当院の特徴です。保護者の方について当院にいらしていたお子さんが、すっかり成長して背も高くなってまた来てくださることもあり、成長の速さに驚かされることがあります。初めてお会いした時は学生だった方が、結婚して出産され、お子さんと一緒に来院してくださったりすることもあります。一方で、先代の父の時代から通ってくださる80代や90代の患者さまが、変わらず顔を見せてくださるのもうれしいですね。今日までやりがいを持って前向きに診療に取り組んでこられたのは、温かい患者さまに恵まれたおかげだと思います。
患者さんと接する際に心がけておられることは?
どのような治療であれ、必ず事前カウンセリングの時間を取るようにしています。お話をきちんと伺った上で、現在のお口の状態や具体的な治療方法はもちろん、将来的なリスクも含めて、丁寧にご説明します。ご自身の症状や治療についてきちんとご理解・納得していただくことが大切だからです。患者さまには、できること・できないことを正直に伝えますし、無謀なことはしないこと、当たり前のことを当たり前に提供することが、大切だと考えています。
歯科医師としての診療姿勢について聞かせてください。

常に知識と技術の研鑽を心がけています。私の仕事は、患者さまのご要望にお応えするところでとどまるものではありません。患者さまの課題や治療に対するご要望を理解した上で、患者さまが知らなかったさまざまな選択肢も提示し、より良い解決方法を一緒に模索することが私の役目と考えています。これを実践するためには、常に新しい知識と技術を取り入れる必要があるのです。20年以上診療を続けていると、培ってきた経験が治療や診断の役に立つことは多々あります。しかし、歯科医療はそれ以上のスピードで進化を続けており、経験にあぐらをかくことなく、学び続ける姿勢を持ち続けなければならないと考えています。
研鑽のために具体的に取り組んでおられることは?
講習会や勉強会に積極的に参加しています。また、新しい機器の導入にも力を入れており、歯科用CTや歯科用マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)などを導入することで、高い精度の治療・診断をめざしています。患者さまが抱える課題を多角的な視点から把握し、さまざまな解決方法が提示できるようになったと思います。
地域の歯科ニーズにしっかり対応する
予防歯科に注力されていると伺いました。

開院当初から予防歯科を重視しており、患者さまにも予防歯科の大切さをきちんと伝えるようにしています。虫歯の痛みを感じてから受診すると、治療が必要となり、一度の受診で済まないケースも少なくありません。費用などの負担も大きくなります。しかし、定期検診を習慣にしていると、お口のトラブルの早期発見・早期治療につながり、症状が出始めてから対応するより、少ない負担でカバーできることもあります。定期検診では、お口の中のクリーニングや歯磨き指導なども行うため、虫歯などのリスクを抑えるためにも役立ちます。
虫歯治療の詰め物・かぶせ物について教えてください。
近年は保険診療でも白い詰め物・かぶせ物を使えるようになりましたが、土台との接着の精度や強度を考えると、あらゆるケースにお勧めできるとは言えません。接着が弱いと隙間から細菌が侵入して虫歯が再発するリスクがあり、強度が足りないと割れたり、欠けたりする心配があるため、その度に再治療が必要になります。歯を良い状態に保つためには、できるだけ治療の回数、削る量を少なくすることが大切だとされています。虫歯の再発や割れ・欠けのリスクを避けるためにも、精度・強度が高くなることが見込めるセラミック素材などの詰め物・かぶせ物を入れたほうが好ましいと言えます。ただし、セラミックにすれば長持ちするというわけではなく、定期検診と毎日の丁寧なお手入れは必須です。
進行した虫歯に対する根管治療についてはいかがですか?

処置を行えば必ず状態が改善されるわけではないのが、根管治療の特徴です。場合によっては再治療が必要になったり、最終的な歯根を守れなかったりするリスクがあるため、治療の精度をできる限り高めることが大切です。当院では、複雑な根管の状態を把握するために歯科用CT、歯科用マイクロスコープなどを活用して検査・診断を行い、治療の際にも繊細な処置に適した器具や、殺菌機能にこだわって選んだ充填材などを使用します。根管治療の精度を高めるために、こうした設備や器具、薬剤の使用が欠かせません。しかし、現在の制度では保険診療での提供は難しく、自由診療となる点をご理解いただきたいと思います。
矯正にも対応していらっしゃるそうですね。
月に1回、矯正に強い先生に来てもらっています。成人の場合は、マウスピース型装置を用いた矯正をメインにして、必要な場合にブラケット矯正を取り入れています。お子さんの場合も、マウスピース型装置を用いた矯正がメインになりますが、取り外しできるトレーニング用のマウスピース型装置を使うとともに、お口周りの健全な発達が期待できる口腔筋機能療法(MFT)にも対応しております。これは、歯並びの乱れにつながる行動やお口の使い方の癖の改善がめざせる方法で、歯を移動させる矯正が不要になったり、治療の負担が軽減したりすることが見込めます。また、口呼吸になっているお子さんなどについては、口腔機能発達不全症についての知識を持つスタッフが、検査やトレーニングを提供しています。
地域を良くすることを考える
どんなときにやりがいを感じますか?

患者さまに「ありがとう」と言っていただくと、素直にうれしいです。でも、一番うれしくなるのは、患者さまとスタッフが楽しそうに話をしている姿を見る時かもしれません。スタッフの中には、開院以来、勤務してくれている人もいます。出産などのライフイベントを経て、戻ってきてくれる人もいます。私が治療に集中しているときに、患者さまと言葉を交わして良い関係を築いてくれているスタッフには、感謝の気持ちでいっぱいです。もしも当院が居心地の良い歯科医院だと思っていただけているならば、それは、患者さまのことをよく覚えて話しかけてくれるスタッフや、患者さまが何でも話せるような雰囲気をつくってくれるスタッフのおかげだと思います。
スタッフさんの働きやすさも大事にしておられます。
スタッフ一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、楽しく元気に働ける職場をつくることが、患者さまのメリットにつながると確信しています。まだまだ十分とは言えないかもしれませんが、働きやすい環境づくりや学びの機会を提供することには、特に力を入れています。
地域の活動にも熱心ですね。

地域の健康イベントに歯科医師として参加したり、市の乳幼児歯科検診や休日歯科診療所を担当したりと、地域に貢献できる機会があれば、可能な限り積極的に取り組むようにしています。地域を良くすることは、地域で暮らす患者さまの健康の維持・増進につながり、それは、より充実した歯科医療を実現することにつながると思います。
読者や地域の方にメッセージをお願いします。
一番にお伝えしたいことは、シンプルですが「歯を大事にしてください」です。そして、歯を大事にするために、定期的に予防歯科を受診していただきたいですね。ご存じかと思いますが、健康寿命を延ばすためには、歯の健康を保つことが大切です。高齢になっても自分の歯で食べる楽しみが味わえるように、若いうちから定期的にメンテナンスを行い、虫歯や歯周病になりにくいお口の環境をつくりましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~、セラミック素材の詰め物/4万4000円~、セラミック素材のかぶせ物/11万円~、精密根管治療/7万円、マウスピース型装置を用いた矯正/113万円~、ブラケット矯正/64万円~、マウスピース型装置を用いた口腔筋機能療法/1万3200円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。