村田 公明 院長の独自取材記事
村田歯科医院
(神戸市灘区/六甲道駅)
最終更新日:2024/12/05
JR神戸線の六甲道駅から徒歩約5分の立地にある「村田歯科医院」。同院は1978年の開業以来約40年、地域住民の健康をサポートしてきた歯科医院だ。「前院長である父も息子の私もここで生まれ育ち、地域への思い入れは強いです」と話すのは村田公明院長。カウンセリングを重視し、歯と全身の関係や、病気との関連性なども意識した診療を心がける。また、永続性を重視したいとの思いから、歯を1本でも多く残すことをめざした治療に力を入れ、予防ケアにも尽力する。友達のように通じ合える関係が理想と、屈託のないチャーミングな笑顔で話す村田院長に熱い思いを語ってもらった。
(取材日2019年9月5日)
ホスピタリティーを考えたストレスフリーな空間を
癒やされる優しい色合いの外観ですね。
ありがとうございます。増築リフォームを施す際「ほっこりできるカフェ」をコンセプトにしました。お母さんたちが来やすいことがベストだと思いましたので。当時はやっているカフェにも見に行って、丸をメインにしたデザインはほっこりと温かい気分にさせてくれると感じ、角やシャープなものはなるべく避けて丸を取り入れていきました。その象徴が円形の窓で、解放感とくつろぎが感じられて居心地良いと好評なのでうれしいです。もともと頭の中で組み立てて形にしていくことや物作りが好きだったので、リフォームのデザインを考えるのは楽しかったですよ。高校生の頃はオーダーメイドの椅子を作る職人になりたくて、デッサンや工法を書いた専用のノートを作っていたくらいなのです。
では最終的に歯科医師を選ばれた理由は何でしょう?
歯科もイメージすること、かなり手先を使うことが必要になる分野で、しかも直接人の健康に役立てる職業だと気づいたからです。もちろん父の影響も大きかったと思います。印象深かったのは私が中学生の頃、父がエックス線写真を家に持って帰ってきて、黒い箇所がばい菌だと説明しながら見せた後、今度は治療後の写真を見せてうれしそうに話していたことです。その時の父の気持ち、今はわかるんですよ。歯科医師としては、治療が良い結果につながってくれることが至福の喜びです。だから私も患者さんに治療前と治療後の写真を見てもらうようにしています。気がつくと父と同じことをしているんですよね(笑)。
出身大学も前院長と同じ大阪歯科大学ですが、その後の経緯を教えてください。
卒業後1年間お世話になった歯科医院では主に訪問診療に携わり、患者さんと1対1で向き合って、口の中の清掃や虫歯治療、エックス線撮影から補綴の型採りなど限られた中でも一通りこなせる技術を習得できました。自然災害時などで院内設備が機能しない場合でも生かせる技術だと思います。そして次に勤務した歯科医院では、先端の治療と技術、その根本にある考え方を学び、一般歯科に限らず自費診療やインプラントなどの外科的な治療にも関わり研鑽を積みました。日進月歩の歯科業界にあって新しい技術を吸収し、必要なスキルを身につけることは不可欠だと感じ、夜中2時くらいまで石こうを削って型を採った模型を口の中に見立てた咬合器へ装着して診断するなど、徹底して研究した1年でした。その後、経営や精神性まで学ばせていただいた歯科医院では5年間修行し、2011年に当院の副院長に就任、現在は院長として皆さんのお口の健康をサポートしています。
極力歯を残す治療を行いたい
注力されている治療はありますか?
歯・神経をできるだけ残す治療です。歯を残すことを大前提に、先端の技術、進化した器具や薬剤使用によりケースに応じた、歯や神経を残すための治療方法を学んできました。神経を取った歯の寿命は極端に短くなることも多いため、神経を残せれば歯を失うリスクにつながりにくくなると考えられます。当院ではインプラント治療のために歯を抜くことはしません。インプラントはあくまで、歯が限界を迎えてしまった方への選択肢の一つとして講じられる、オプション的な治療とさせていただいています。
予防ケアについてはいかがですか?
歯の健康を保つ上で、日々のブラッシングは欠かせません。私が実践して良さを感じているセルフケア、何が一番大事で、どこを重点的に磨き、どんな歯ブラシや歯磨き粉を選べばいいかまでチェックしながら「ゴールデンレシピ」としてお伝えしています。しかし、残念ながらブラッシングだけではケアできない箇所は存在します。そこをカバーするのがわれわれの仕事です。セルフケアに加え定期的な検診に来てもらい、ご自分では取りきれない汚れの除去を図り、虫歯や歯周病から歯を守っていくことが大切です。また近年は、糖尿病を悪化させる要因の一つとして、歯周病菌との関連性が指摘されています。口腔内だけでなく、全身の健康を守る上でも、定期的に歯科に足を運んでもらいたいと思います。
口の中から全身へアプローチするということですね。
歯科学は栄養学とも密接なつながりがありますし、東洋医学や漢方についても、さわりではありますが学んでいます。歯が悪い方は噛むことによる満腹感を得られず、やわらかいもので高カロリーな食事になりがちです。それでは糖質も多いため糖尿病のリスクが高まると考えられますし、メタボリックシンドロームにもつながりやすく注意が必要です。また歯周病菌と早産のリスクの関連性なども指摘されていますのでマタニティー検診を積極的に行い、出産後はお子さまに大人の保菌者の唾液から感染に至る行為を避けていただくこともお伝えしています。虫歯や歯周病は感染症と考えられ、菌によってうつる時期が違うともいわれています。私も子どもと過ごす中で、ついしてしまいがちなことを具体例としてお話しすると、皆さん思いあたられるようですので、日常生活の中で気をつけていただいています。
丁寧な治療と、コミュニケーションを大切にした診療を
補綴治療も得意だと伺いました。
その人の顔立ちに合う歯ってやっぱりあると思うんですよ。だから耐久性やフィット感、しっかり噛めるという大前提を満たした上で、デザインや審美性にもこだわります。特に前歯は第一印象にも関わりますから、義歯としての役割だけでなくプラスアルファ面として、その人に似合う歯を想像し納得できるまで追求していきます。その人の一生ものを作ることに、すごくやりがいを感じられるので時間をかけて仕上げていきます。また、私は気になる箇所は放っておけないので、待ち時間に影響するときは申し訳なく思っています。例えば拡大ルーペで段差のある歯を見つけると、そこが虫歯菌の絶好の隠れ家になるとわかるので、時間がかかっても丁寧に、徹底してなめらかに整えていきます。とても次回まで置いておけないので、ご理解いただきたく思っています。
毎日お忙しい中、休日はどのようにお過ごしですか?
子どもが4人いるので、プライベートは子育てが中心ですね。夏休みは月の半分はプールに連れて行き、一日中遊んで真っ黒に日焼けしています。家族みんなアウトドア好きなので、キャンピングカーも購入しました。子ども連れにはとても便利で、フットワークがますます軽くなりました。これからも家族でいろんなところに行って、レジャーを楽しみたいですね。あと、最近はDIYにはまっています。もともと物作りが好きだということもあり、家や院内の棚などかなりいろいろなものを作っています。子どもとも楽しんでできるのもうれしいですしね。僕自身、プライベートが充実していないと、患者さんにもより良い診療ができないと考えているので、家族と過ごす時間、自分自身の趣味を楽しむ時間というのはとても大切にしています。
伝えたいメッセージや今後の展望について聞かせてください。
私は80歳になった時に20本の歯を残してあげるためにも、子どもの頃からの教育と治療が肝心だと考えています。まずは親御さんや周囲の大人が菌をうつさないこと、それでも感染したら即治療、常に早期発見・早期治療を心がけています。歯磨き習慣の習得も大切ですね。待合室に貼っている子どもたちの写真は、友達が頑張っているから私もやろうという良い連鎖に一役買っているようです。そして何より大事なのは定期的に検診に来てもらうことですね。歯磨きなどのセルフケアだけでなく、定期的にメンテナンスをすることが歯を残すことにおいて重要だということを、もっと地域の方に知ってもらえればと思います。そして友達のような感覚で、フランクになんでも聞いていただければと思いますので、コミュニケーションを大切にした、お力になれるような診療に努めていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万円~、ホワイトニング/1万2000円~、セラミッククラウン/7万円~