船曳 晃滋 院長の独自取材記事
船曳歯科医院
(神戸市中央区/元町駅)
最終更新日:2025/11/10
元町駅の西改札を出て徒歩すぐ、みなと元町駅や旧居留地・大丸前駅からも徒歩3分ほどの便利な場所にある「船曳歯科医院」。誰もがリラックスできるように配慮された院内は、木目調を基調にした内装にアロマが香り、ボサノバが流れる、まるでカフェや雑貨屋の雰囲気。「人が好き」だという院長の船曳晃滋先生は、今も同院で診療にあたる父・船曳良一先生から院長を引き継いだ2012年以来、この地域の人々の歯の健康を支えてきた。同院では、一般歯科や予防歯科、審美歯科、インプラント治療などが受診可能だ。今回は保険診療から自費治療まで、多岐にわたる治療に対応する船曳院長に、治療の特徴や今後の目標を語ってもらった。
(取材日2018年11月29日/記事更新日2025年10月29日)
患者それぞれに、歯のメンテナンス方法を伝授
歯科医師をめざしたきっかけと、この地に開業した経緯を教えてください。

当院は、およそ50年前に父が現在の場所からわずか40メートルほど離れた場所で開業したのが始まりです。もともとは商店街の向いにあったが、これまで来てくれてた患者さんも、これから通ってくれる患者さんも通いやすい立地がいいなと思い、この地でリニューアルしました。3歳くらいから父親の診療所に行っていたので、自然と歯科医師を志すようになっていました。歯科大学を卒業してすぐに父のもとで歯科医師としてのキャリアをスタートさせ、2012年にこの場所への移転をきっかけに、院長職を引き継ぐことになりました。当クリニックは元町駅から徒歩すぐで、アクセスに優れていることもあり、患者さんは地元の方だけではなく、遠方からも来ていただいています。父が院長をしている時代からの患者さんの中には、関東方面に引っ越されたにもかかわらず、わざわざ新幹線で通ってくださる方もいらっしゃいます。ありがたいですね。
スタッフさんについて教えてください。
現在スタッフは歯科衛生士、歯科助手、受付の5人です。「スタッフさんの労働環境も治療の一環」として普段からスタッフさんとのコミュニケーションは大切にしています。昼休みにたまにピザなど出前を頼んで彼女たちに差し入れをすると、「わっ」と歓声が上がるのですが、その声を聞いているだけで明るい気持ちにさせてくれます。彼女たちがアットホームな雰囲気をつくり出してくれているおかげで、材料屋さん、歯科技工士さんなど当クリニックに出入りする皆さんとの関係も良いですし、なにより患者さんにとって居心地が良いと思います。受付で患者さんとスタッフが楽しそうに話していることもよくありますね。
先生が力を入れている治療などありますか?

歯周病をはじめとする口内で起きるトラブルの多くはプラーク(歯垢)が主な原因ですので、何か1つを挙げるとするならプラークコントロールをはじめとした予防です。予防で通われる患者さんが来院するペースは、短くても3ヵ月に1度です。この3ヵ月の間は、患者さん自身のメンテナンスが大切ですので、歯磨きの仕方から、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方まで、各患者さんに適したメンテナンスの方法を教えています。予防歯科のほか、虫歯などの一般歯科、インプラント治療、セラミックを使った治療、マウスピース型装置を用いた矯正など幅広い診療に対応しています。最近では、特にマウスピース型装置を用いた矯正に力を入れています。マウスピース型装置には、装置が目立ちにくいといったメリットのほか、取り外し式の装置で、ご家庭で患者さんが簡単に着脱できるので、ブラッシング・プラークコントロールしやすいというメリットもあります。
自分がされて嫌な治療はしない
保険内診療と自由診療、どちらも幅広く対応されていますね。

例えば虫歯1つ治す場合、保険内ならばどんな治療でどれぐらいの費用がかかるか。自由診療だったら、どんな材料を使い、どれぐらいの費用がかかるか。それぞれのメリット、デメリットを丁寧に説明した上で、患者さんに納得して選んでもらう形が大切だと考えています。しかし仮に、今にも抜け落ちそうな歯があるにもかかわらず、なんとか維持したいという患者さんがいた場合には、高価な自由診療は勧めず、保険内診療を勧めます。当クリニックでは、どの患者さんも口の中をさまざまな角度から撮影していますので、その画像を見てもらいながら治療の説明を行うスタイルです。患者さんにとって自身の口腔内の状況が理解しやすく、こちらの説明もわかりやすいのではないでしょうか。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?
自分自身がされて嫌な治療はしないように心がけています。まず「怖がらせない」こと。例えば担当の歯科医師の口調が早口で荒っぽければ、患者さんを不安にさせてしまいます。ですから私は口調だけでなく、表情、歩き方にも注意を払っています。口に器具を入れるにしても、突然、口の中に何かが入ってくるのは怖いので、「ミラーを入れますね」「風をかけますね」と合図するようにしています。もう一つは「痛がらせない」ことです。例えば麻酔にしても、麻酔液の温度管理から針を入れる場所、タイミング、麻酔液を入れる速度に注意して、できる限り痛みを軽減してあげたいと考えています。そのために、以前、自分自身の口を使って針の入る角度や、部位によっての痛みの違いを研究したりもしました。診療のスタイルとして患者さんから「お口の触り方がお父さんそっくり」と言っていただけるよう今も日々精進しています。
歯科医師になってから現在まで、自身に何か変化はありましたか?

この歯を治していくとどういうことが起こり得るか、予測して治療することができるようになりましたね。例えばこの歯を少しでも触ると痛みが出てくる可能性がありますよと、ある程度予測して説明することで、患者さんもより納得していただけるようになりました。やはり今までの経験の蓄積が大きいかと思います。自分の治療についても、できることとできないこと、得意なこととそうでないことも徐々にはっきりしてきましたので、患者さんにとっての適切な治療方法を提案できるようになりました。その辺りが歯科医師になったばかりの頃と比べると、自分でも変わったなと感じる部分ですね。
何でも相談してもらえる歯科医師に
オンとオフを切り替えて、ご自身の心と身体も健やかにされているんですね

休みの日はしっかりオフを楽しむようにしています。自宅マンションの仲間とチームを組んで、毎週日曜日の朝からフットサルをしています。家族に迷惑をかけない時間帯に汗を流すことで、心も身体もリフレッシュできます。一番長い趣味として高校2年生から続けているドラムをたたくことも、気分転換の大切な時間です。最近はアウトドアにもハマっていて、グランピングによく出かけます。先日は連休を利用して笹山へ。車で1時間圏内なので、笹山や淡路島はお気に入りのスポットです。
健康のために実践していることはありますか?
ストレスをためないようにしています。フットサルとお酒が一番のストレス発散になっているかなと思います。一人でなじみのお店にふらっと寄って、少し飲んで帰るのがちょうど良い息抜きになっています。通勤時も、かっちりした格好では疲れてしまうので、ジーンズにリュックとカジュアルです。当クリニックのインテリアに木を多く取り入れているのも、歯科医院というよりカフェとか雑貨屋をイメージして居心地の良い空間を思い描いた結果です。ちなみに、当クリニックの診療室はすべて完全個室なのですが、実は移転前のクリニックから完全個室でした。父の時代には斬新だったようですが、歯科医師と患者さん、モニターときれいな三角形を成して説明するスタイルもほぼ変わらないので、診療室だけ切り取れば移転前のクリニックとほぼ同じです。そのほか院内のBGMはボサノバ系の音楽を流し、アロマをたいて、心地良さ、ストレスフリーな空間を追求しています。
最後に、歯科医師としてめざしている姿を教えてください。

お口のことなら何でも相談してもらえるような歯科医師が私の理想です。治療にしても、いくつかの選択肢を提案してあげて、私の判断だけで選ぶのではなく、患者さんと一緒に選べたらと思っています。これまで患者さんに「この方法しかありません」と言ったことは、一度もありませんし、もし当クリニックでどうしても対処できないケースが出てきた場合でも、大きな病院や各専門分野の先生、近隣の先生を紹介することができますので、安心してご相談ください。お口に関するお悩みをお持ちの方は、一度お口の検査にでも、気軽にお越しいただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/55万円、セラミッククラウン/9万9000円、セラミックインレー/6万6000円、マウスピース型装置を用いた矯正/33万~88万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

