若林 亮 院長の独自取材記事
若林歯科
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2024/07/17

JR神戸線芦屋駅北口より徒歩約1分のラポルテ本館4階クリニックゾーンに「若林歯科」はある。同院は1986年開業で、若林亮(わかばやし・まこと)院長が現在3代目を務めている。店舗の駐車場が使え、館内はエレベーターやエスカレーター、院内にはチャイルドルームもあり、子ども連れや車いすの患者も通いやすいように配慮している。院内はリラックスして治療が受けられるよう木目調の落ち着いた雰囲気で、診察室は開放感がありながらもプライベートが守られるように、と個室または半個室を用意したそう。優しくて穏やかな若林院長に、同院の理念や大切にしていることなどをじっくりと話してもらった。
(取材日2024年1月19日)
地域住民の健康を守り続けてきた歴史ある歯科医院
地域で長く続くクリニックだそうですね。

ここは祖父が開業した歯科医院で、私が3代目。祖父の時代には歯科医院がまだ少なく、近所の皆さんが困ったときに駆け込む、より地域に根差した歯科医院だったようです。父の代からは周りに歯科医院も増えてきましたが、地域密着は変わらず、患者さんから愛されていた父の姿をよく見ていましたね。当時から地域の方が多く来られていましたので、子どもながらに「人から感謝してもらえる仕事なんだな」というのを感じていました。実は、高校に入るまでは、自分が歯科医師になるとは思っていませんでした。将来の道に悩んだこともありましたが、もともと手先を使うことが好きだったのもあり、結果的に歯学部に進み、実習や実技が楽しめていたと思います。当院は父からバトンを受け継ぎ、2005年頃に院長に就任しました。10年、20年と長く通院されている患者さんや、3世代続けて当院に通っている患者さんもいらっしゃりありがたいと感じています。
どのようなことを学ばれてきたのでしょうか。
卒業直前に阪神・淡路大震災があり、卒後1年目はほとんど仕事ができなかったのですが、2年目から兵庫医科大学病院で働きました。どの分野を学んでいくか迷いましたが、父や先輩からの勧めもあり、全身管理が出来る歯科口腔外科を選びましたね。口腔外科は全身を診ながら行いますので、非常に興味深かったです。また、歯医者という仕事は歯を治すだけではなく、口腔内の全体管理が必要となります。口腔内の状態を見て今どのような処置が必要になるのか、処置をする歯だけではなく周りの影響なども鑑みて治療ができることは、専門で学んできたからこそだと思います。全身管理をしながら外科的な手技を身につけられたのは、今の自分の強みにもなっています。
現在の診療内容を教えてください。

一般歯科や小児歯科などのほかに、歯科口腔外科の治療にもできる限り対応しています。親知らずの抜歯や顎関節症の治療などですね。ほかにも歯周病の治療や予防歯科、入れ歯、ホワイトニングなども対応していますし、通院が難しい患者さんは訪問歯科診療という選択肢も相談可能です。定期的に口腔ケアをすることで誤嚥性肺炎のリスクの低下につながるという研究結果もありますので、通院できない方の介護をしていらっしゃるご家族は、ぜひ相談していただきたいですね。インプラントや矯正は提携医療機関に紹介という形を取っています。当院で対応できない訪問歯科診療についても、対応可能な歯科医院を紹介させていただきますし、周囲の歯科医院とうまく棲み分けながら、地域住民のお口の健康を守っていきたいです。
目先の問題解決だけでなく、将来を見据えた治療が大事
治療において当院の特徴、こだわりはありますか?

口腔外科で学んだ経験を生かした「痛みに配慮した治療」を徹底していることですね。人の状態、体調は毎日変わるため、その都度、状態に合わせて対応を変える必要があります。神経や血管の場所を把握していることにより、痛みの感じやすい場所がわかるため、できるだけ痛みに配慮した治療が可能になります。また、虫歯治療などの際に予測されることに対して、事前に対策を立て、計画的な治療を行っていることも当院の特徴です。
計画的な治療について教えてください。
当院では、悪い部分だけを治療するのではなく、お口全体を見る「一口腔単位の治療」を心がけています。虫歯などの悪い部分だけを治すだけではその場しのぎの治療にしかならず、口腔内のトラブルを根本的に解決することにはつながりません。そのため、1つの歯の治療を行うのではなく、歯や歯肉をはじめ、歯並びや噛み合わせ、顎のバランスなど、お口の中のあらゆる状況をチェックすることから始め、現在の症状の原因を把握したうえで先を見据えた治療を行っています。いかにトラブルのないようにするか、治療した歯をどれだけ長く持続していけるかなど先々を考えながら、トラブルを未然に予測して進めていくことを大切にしています。症状が起きてから対応を考えるような「追っかけ治療」にならないために、日々変化するお口の状況を、長期的かつ定期的にお見せいただくことで「先回りの予防」ができると考えています。
将来を見据えた上で治療を提案されているのですね。

はい。お口回りのトラブルを早期発見・早期治療できるよう努めています。起こり得るリスクを考え、トラブルの要素をなくしていくことができれば、痛みを感じやすい治療をしなくてもいいような状態の維持につながると思っています。一人ひとりの患者さんを大切にするためにも考えた治療計画をきちんと説明し、リスクも含めて納得していただいた上で治療に進むことが重要です。勿論、患者さんによっては「忙しくて何度も通院するのは難しいから、ここの虫歯だけ治療してほしい」という方もいますので、患者さんのニーズに合わせて対応しています。
しっかり対話し、一緒に考え、丁寧な治療を提供したい
患者さんへの説明を大事に、一緒に治療方針を決めているのですね。

患者さんによって治療のニーズは違いますから、対話しながら診療方針を組み立て、最終的には一緒に決めていきます。「インフォームドコンセント」は「こういう可能性があります。どのように治療しましょうか?」と案内すること、その治療で起こり得るリスクも説明し、患者さんが自己決定するということです。日本ではここ20〜30年くらいの間に広まってきた概念ですが、それよりも前から父がすでに実践しているのを見ていたので、自然と自分も意識するようになっていました。今思うと、やはり父はすごいですね。インフォームドコンセントがうたわれるずっと前から、患者さんの立場に立って考え「できればこのように治療させてほしい」と説明し、同意を得てから治療するようにしていました。
今後の展望を教えてください。
引き続き、予防歯科に力を入れていきたいです。特に自覚症状がなくても、虫歯や歯周病が進んでいることがあります。歯が痛くなってから歯科医院に行ったのでは、痛みを感じやすい治療になる可能性が高くなるだけでなく、歯を削らなければならなくなったり、歯の寿命が短くなったりする恐れがあります。そうならないためにも、定期検診などでお口の健康状態を保つことが大事です。あとは、抽象的ですが、日々「ちゃんとした仕事」をしていきたいですね。人は忙しくなってくると、じっくり考えたり丁寧に説明したり、きめ細かく配慮することが少しずつおろそかになっていきがちです。その度に初心に帰って、自分も患者さんも納得できるような仕事をしていきたいです。「若林歯科に行ったらちゃんと治療してくれるよ」と、地域の皆さんに言っていただけるようになったら、とてもうれしいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

虫歯の治療だけが歯科医師の役割ではありません。定期検診も含め、気になることや聞いてみたいこと、どこに相談すれば良いのかわからないことなど、何でも相談してください。忙しい方にも来ていただけるよう、土曜日も16時半まで対応していますし、エレベーターがあるので車いすやベビーカーの方も安心して来ていただけます。悩みや聞いてみたいことがあれば、話をするだけでも構いませんので、まずはお気軽にご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング:1万円~