田中 延和 副院長の独自取材記事
田中歯科医院
(宝塚市/逆瀬川駅)
最終更新日:2025/09/12

武庫川河川敷緑地や宝塚市役所にも近い住宅地の一角。「田中歯科医院」は、1981年に田中徹院長が宝塚市役所そばで開業し、2012年に現在の場所に移転。院内は患者の居心地を最優先し、白とダークブラウンで統一された落ち着いた雰囲気となっている。診療内容は歯科全般。入れ歯やインプラント治療、近年は矯正にも力を注ぐ。現在、中心となって診療を行っている息子の田中延和副院長は、語り口が穏やかでソフトな人当たりだが、歯科治療に対する探究心は強く、現在も休診日には他院でスキルを磨いている。そんな延和副院長に、同院の診療内容や父の時代から掲げる「できるだけ歯を抜かない治療」、そして副院長が取り組む原因究明を重視した根本的治療について語ってもらった。
(取材日2022年10月31日/更新日2025年9月12日)
幅広い世代の町の身近なクリニックとして
まずは歯科医院の成り立ちからお聞きします。

この歯科医院は40年ほど前に父が開業しました。ずっと宝塚市役所の向かい側で診療していたのですが、僕が大学を卒業した2012年にこの場所に移転し、現在に至ります。幼稚園の園医や小学校の校医も務めているのでブラッシング指導をしたり、高齢者の施設に訪問診療に行ったり、長年地域に根差した活動もしています。僕は生まれも育ちもここ宝塚市です。大学進学で初めて地元を離れ、岐阜の朝日大学歯学部に進んで、卒業後は大学病院や尼崎の開業歯科医院で働いていました。3年ほど勤めた時、父が体調を崩してしまい、歯科医院の診療を手伝わなければと宝塚に戻り、一緒に診療するようになりました。父はすっかり元気になりましたが、ここで診療するのは、今は週1回。あとは悠々自適に毎日を楽しんでいるようです。
小児から高齢者まで受け入れられる体制を整えているのですね。
当院では、虫歯・歯周病の治療から、小児歯科、予防歯科、入れ歯や義歯治療、インプラント治療まで、歯科全般診療しています。何か一つの分野に特化するというより、町の身近なクリニックとして、満遍なくレベルの高い治療ができる歯科医院が理想です。そのためにはいろんな引き出し、つまり治療の選択肢を持っておく必要があると思っています。歯科は日に日に変化していくため、最新情報を治療に取り入れることができるよう取り組んでいます。休診日に矯正専門の医院で診療させてもらい、噛み合わせ治療や矯正の経験を積んでいるところです。あと、歯が悪くなったそもそもの原因を突き止め、根本的な解決を図ることも重要だと思っています。自分自身が新しい治療に対応することでどんな患者が来ても治療できる体制を整えています。
当院の矯正の特徴を教えてください。

当院の矯正は、審美性だけでなく予防歯科も重視している点が特徴です。以前に比べ、小児矯正、ワイヤー矯正、マウスピース型装置を用いた矯正が増加しています。矯正中の見た目には配慮しています。審美性を気にされる方には、マウスピース型装置は透明で目立ちにくく、ワイヤー矯正の場合も歯の裏側に装置を装着する方法をご提案しています。また、当院では審美性とともに根本原因の追究を重視し、再発や後戻りを防ぐための治療に力を入れています。原因を追究することは口腔内の健康とともに、全身の健康にも影響を与える重要な要素であります。矯正で虫歯や歯周病の予防、歯ぎしりや顎関節症の改善を図れるケースもあります。患者さんに無理のない範囲で提案をし、患者さん一人ひとりのモチベーションに合わせて一緒に治療していくことを心がけています。そして、審美性と機能性の両面で満足いただける矯正をめざしています。
原因究明、根本的治療、予防の3本柱で大事な歯を守る
診療方針についてお聞きします。

父は開業当初から「残せる歯はできる限り残す」、言ってみれば “今風の方針”で診療してきたので、基本的にはその考えを継承していきたいです。僕としてはそこにプラスアルファとして、歯を失うリスクを減らすための取り組みを加えていきたいと思っています。例えば、咬合のバランスが悪いと、特定の歯に負担がかかって後々トラブルの原因になるので、悪くなった歯だけを治療するのではなく、噛み合わせや歯並びも含めて総合的に診ていく必要があると考えています。患者さんはそれぞれ異なる背景をお持ちで、治療に対する要望もさまざまです。そのため、相手の目を見て話すこと、できるだけお一人お一人の状況に応じた治療内容を提案することを心がけています。そのためには、対話を増やして「何を求めていらっしゃるのか」を丁寧に聞き出す作業を大切にしています。
検査機器にもこだわっているとか。
2022年3月に歯科用CTを導入しました。歯が残せるかどうかをしっかり精査するのと、なぜトラブルが起こったのか、その原因を見つけるのにとても役立っています。悪くなった原因がわからずにやみくもに治療しても、それはただの対症療法で、根本的な解決にはつながりませんからね。あと、矯正やインプラント治療を行う場合は、従来のエックス線画像ではわからなかった骨の厚みや、歯と骨の状態、神経の位置をしっかり把握しておく必要があるんです。治療の安全性向上や効率化を図る上でも、歯科用CTが果たす役割はとても大きいと思います。
お父さまの時代から予防にも力を入れているそうですね。

「できるだけ削らない、抜かない治療」を目標とする以上、治療よりも予防のほうに力を入れていくべきだと考えています。とはいっても、ご年配の方などは、痛みが出てから来られる方が多いので、治療の際は患部の写真を口腔内カメラで撮影して、治療前・治療後の写真をモニターでお見せしています。自分のお口を大きな画面で見ると、汚れ具合や治療の工程もしっかりご理解いただけるので、治療やケアのモチベーションにもつながります。あと、歯周病検査をした場合は、毎回成績表みたいな感じで検査結果をお渡ししています。毎日の歯磨きを正しく行うためのブラッシング指導や、予防の大切さをお伝えしていくことを地道に続けています。お子さんの場合は、お母さんに虫歯になりにくい食べ物や仕上げ磨きのアドバイス、口腔筋機能の発達が歯並びや虫歯に影響するお話をしたり、お子さんに向けてリスクを治療の動画やアニメ―ションを使って説明しています。
患者のニーズを把握し、できる限り要望に沿った治療を
地域で訪問診療もされているようですね。

はい。1週間に1度地域の連携施設へ、昼休憩に高齢で通院が難しい方のもとへ在宅医療に行っています。当院は、高齢の患者さんも多くいらっしゃるので、地域包括ケアの一環として、少しでも地域の力になりたいという想いから続けている取り組みです。入れ歯の調整や歯茎などの口腔内ケア、歯科治療を中心に行っています。地域柄なのか、フレンドリーな方が多く、治療に対する考えを話してくれますし、いったん懐に入ったら「あとは先生に任せる」と言ってくださる方が多くて、コミュニケーション面で気を使うことは特にありません。また、本人の意思疎通ができない場合でも、家族やケアマネジャーから情報を得た上でその人に合った治療を提供しています。
スタッフさんも気さくで明るい方が多いようですね。
そうですね。現在、歯科衛生士、歯科助手含め10人のスタッフが在籍していて、みんなで協力し合って患者さんの接遇や予防ケアをすべて引き受けてくれています。待ち時間が長くなりそうだったら、患者さんに「この後の予定は大丈夫ですか?」と声をかけてくれますし、お子さんがいれば、あやしたり遊び相手をしたりしてくれます。父と僕で診療日が違うのにうまくカバーしてくれて、むしろ僕らよりもスタッフのほうがこの歯科医院のことを知っているんじゃないかというくらい(笑)。父も僕も本当に助けられています。スタッフに恵まれているのは当院の強みでもありますね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は親子2代にわたって、一般歯科から小児歯科、インプラント治療、入れ歯治療、矯正と幅広く対応しながら、予防を重視した診療を行っています。診療ではなぜ虫歯や歯周病のトラブルが起こったのか、原因を突き止めてから治療に取りかかり、「できるだけ歯を残す治療」をモットーに根本的な解決をめざします。お口に関するちょっとした困り事や悩み事のほか、セカンドオピニオンも受けつけています。小さなお子さんからご高齢の患者さんまで、幅広い世代のお口のトラブルに対応しているので、ご本人だけでなく、ご家族のことでも気軽にご相談いただければ、ニーズに合わせた治療をご提案させていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万円~、小児矯正/11万円~、ワイヤー矯正/66万円~、マウスピース型矯正/66万円~(税込み)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。