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冬城 高久 院長の独自取材記事

冬城産婦人科医院

(世田谷区/桜新町駅)

最終更新日:2019/11/25

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1968年に世田谷区深沢の地に開業して半世紀以上、地域に根差した診療を続ける「冬城産婦人科医院」を訪ねた。院長の冬城高久(ふゆき・たかひさ)先生が父である先代から同院を引き継いだのは2002年のこと。患者の中には、親子2世代にわたり同院で出産する人もいるという。「安心・安全を第一に考えたお産」をモットーに、患者の希望を取り入れながら、質にこだわった医療を提供していきたいと話してくれた冬城院長。同院の歴史から診療のこだわりまでさまざまな話を聞いた。
(取材日2019年9月5日)

生命の神秘に立ち合う産婦人科に魅力を感じた

お父さまの代から50年以上続くそうですね。

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当院は、先代である父が1968年に開業しました。子どもの僕から見て父は、地域の産婦人科医療に人生を捧げている、そんな印象でした。僕が医師を志したのも、父の影響です。父の背中を見て育ち、子どもの頃から医師という職業を身近に感じていましたから、人のために役に立つこの職業を僕もめざしたいと思うようになりました。父が取り上げた赤ちゃんが大人になり、今度は妊婦さんとしてお産に臨み、その赤ちゃんを僕が取り上げる。患者さんの中には、親子2世代にわたって当院で出産される方もいるのですよ。

先生が産婦人科を選ばれたのもお父さまの影響でしょうか?

父の影響ももちろんありましたが、僕自身がお産や産科の病気の治療に携わる分野に興味を持ったからです。学生時代、いろいろな科目を学びましたが、病棟実習などで魅力を感じたのはやはり産婦人科。僕は子どもが好きなので小児科の実習も楽しかったですね。初めてお産に立ち会った時の感動は今でも忘れられません。神秘的な瞬間を目の当たりにして生命力のすごさを実感しました。少し前にメディアなどで「出産難民」が取り上げられて産科の医師不足が社会問題になりましたが、僕が学生だった頃から産婦人科を希望する学生は減少傾向にありました。そのような科だからこそ希少価値があるのではないかという考えもあって、産婦人科を選択しました。

勤務医時代のエピソードをお聞かせください。

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勤務医1年目の研修先の病院でのこと。腹痛でおなかが腫れていて、卵巣嚢腫の疑いがある女性を診てほしいと内科から緊急連絡が入りました。診察をすると、おなかの中には赤ちゃんがいたのです。何とそこで初めて妊娠が判明。しかも予定日が間近で、陣痛が来ていたのです。そこから大慌てで出産の準備です。経産婦さんでお産の進行が早く、1時間後には、玉のようにかわいい赤ちゃんが生まれました。未受診だったことには驚きましたが、後ほど聞いてみると、本人はうすうす気づいていたが、事情があって診察に行けなかったそう。勤務医としての10年、いろいろなことを経験し、学ばせてもらいましたが、医療の場で何よりも大切なことは患者さんとのコミュニケーションです。会話を大切にすることで患者さんとの距離が縮まり、患者さんが安心した状態でお産や治療に臨めれば、より良い医療が提供できると今も感じます。

安心と安全を第一に考えた分娩を

「良いお産」とはどのようなものだと思われますか?

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妊婦さんの希望はさまざま。まったくの自然なスタイルでの出産や、当院では行っていませんが、無痛分娩を希望される方も増えています。しかしまったくの自然で薬も一切使わず長い陣痛に堪えるお産が良いといえるのか、あるいは無痛分娩をした人がみんな満足しているかといったらそうともいえない。患者さんの希望をすべてかなえることが、必ずしも良いお産とはいえないと思っています。多くの出産の場を経験して思うのは、良いお産とは、「母子ともに大きなトラブルなく無事に出産が進むこと」ではないでしょうか。そして、トラブルがないようにお産をサポートするのが僕の仕事だと思っています。当院では、患者さんの希望にできる限り沿いつつ、安心と安全を第一に考えたお産をモットーにしています。ただ、それと患者さんが満足できるお産とが一致するとは限りません。その点はきちんと説明をして理解していただくようにしています。

カンガルーケアとはどのようなものですか?

カンガルーケアとは赤ちゃんと母親が密着すること。カンガルーの子育てに似ていることからこのように呼ばれるようになりました。当院では分娩後、母子ともに異常がなければ、助産師が付き添って安全性に留意しながら1時間ほどカンガルーケアを行っています。裸の皮膚と皮膚が接触することで、赤ちゃんの体温保持にも役立つといわれています。そして、スキンシップすることにより母親としての自覚につながり、産後の気持ちの安定も図られます。カンガルーケアは、お母さん方からもとても喜ばれています。

母乳相談のニーズが増えているそうですね。

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当院では産後の母乳相談にも取り組んでいますが、希望者が増えたこともあり、2017年7月に母乳ケア専用の部屋を別の場所に設けました。母乳の飲ませ方やマッサージなどを、経験豊富な4人の助産師がマンツーマンで指導し、産後の体調管理のために栄養士もアドバイスしています。当院でお産をしていない方でも相談に来ていただけますよ。ほかにマタニティーヨガ・産後ヨガのクラスもあり、こちらも助産師が担当しています。助産師たちは、出産前から妊婦さんと関係を築いているので、出産後も頼れる存在になっています。また産後の抑うつ評価や母乳相談を通して、精神的な不安が強いなという方には育児相談も行っています。助産師が中心になってお話を聞き、行政とも連携しながらケアをしています。

支援を活用して、母親一人で頑張りすぎないでほしい

妊婦さんやその家族の方に伝えたいことは?

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妊娠週数ごとに気をつけることがありますから、妊婦健診や母親学級・両親学級をきちんと受けていただくことが大切です。また妊娠中の食生活も注意が必要。体重が増えすぎると妊娠高血圧症候群が心配されますし、反対に妊婦さんの体重が増えず、赤ちゃんが育ちにくいことも。お話を伺って、食生活に問題があれば栄養士から適切な食事を指導しています。ほかにもトラブルや心配があるときは、体験談などに頼らず、早めに助産師や医師に相談していただくと、ご自身に合ったケアやアドバイスが受けられると思いますよ。5ヵ月を過ぎれば安心される方が多いですが、僕は「安定期」という言葉を使いません。この時期以降になって異常があることもしばしば。安静や入院が必要になるケースも多々あります。そういう時こそご主人は、上のお子さんの世話や家事などを積極的にして、妊婦さんの不安を和らげてあげてくださいね。

婦人科疾患について、女性に知っておいてほしいことは何でしょうか?

特に若い女性に対して、将来の不妊のリスクについて知っておいてほしいです。まず女性アスリートの無月経。食事制限などが要因と考えられる卵巣機能の低下は、将来、骨粗しょう症や卵巣機能不全のリスクにつながります。10~20代前半の方は適切な体重アップが必要なことを広く知っていただきたいです。次に子宮頸がんの予防と検診。予防を目的としたHPVワクチンは、副反応を心配する方も多いですが、近年は評価が変わる向きもありますから積極的に受けてほしいと思います。また20歳以上の方は、2年に1回、定期的に子宮頸がん検診を受けることも大切です。3つ目は月経困難症などの月経トラブル。大きな病気の可能性もあるので、市販薬ではなく、受診をお勧めします。他に乳がん・子宮がん検診の実施や、更年期障害の保険適応のプラセンタ療法も行っていますので、気軽にご相談ください。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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産後はホルモンが劇的に変化することもあり、メンタルの疲れが出る方も少なくありません。本来、赤ちゃんは家族みんなで育てることが望ましいと思いますが、昔と違って今は核家族でパートナーやご家族に頼れない方も多いです。けれどもお母さんはどうか一人で頑張りすぎないでください。人に甘えたり、相談したりすることは決して恥ずかしいことではありません。最近は行政の支援もありますし、当院もお産から育児まで切れ目なくサポートできるよう、小児科の先生や、産後の家族間問題に詳しい精神科の先生などと連携しています。われわれとしても、患者さんに安心して頼っていただけるよう、患者さんのお話をよく聞いて良質な医療を提供していくことを心がけて日々努力してまいります。

自由診療費用の目安

自由診療とは

※HPVワクチン/1回1万8000円~、子宮がん検診/800円(世田谷区チケット使用)、乳がん検査/2400円

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