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冬城 高久 院長の独自取材記事

冬城産婦人科医院

(世田谷区/桜新町駅)

最終更新日:2026/09/10

冬城高久院長 冬城産婦人科医院 main

1968年に開業し、半世紀以上にわたって地域医療に貢献してきた「冬城産婦人科医院」。れんが造りの一軒家風の外観は、クリニックの堅苦しさを感じさせないアットホームな雰囲気が漂う。2002年に先代から院長を引き継いだ冬城高久(ふゆき・たかひさ)先生は、昨年から分娩の取り扱いを中止し、婦人科と妊婦健診に注力。産前・産後や月経トラブル、更年期症状、閉経後のデリケートゾーンの悩みまで、女性のライフステージに寄り添った診療を展開している。RSウイルスやHPVのワクチン接種など予防にも力を入れる冬城先生。将来の健康まで見据えた医療を貫く姿勢が見て取れる。「患者さんとの対話に熱が入り、つい早口になることも。ゆっくり丁寧な説明を心がけています」と、こまやかな心遣いが感じられる冬城先生に診療への思いを聞いた。

(取材日2026年8月19日)

婦人科診療と妊婦健診の2本柱で地域医療を支える

開業から58年以上たちました。歴史あるクリニックですね。

冬城高久院長 冬城産婦人科医院1

当院は、先代である父が1968年に開業しています。私が2002年に院長を引き継いでからも、歴史ある医院の伝統を受け継ぎながら、日々の診療に携わってまいりました。父の頃に当院で生まれた赤ちゃんが大人になり、今度は妊婦さんとして来院されることもありましたよ。地域にすっかり根づき、地域住民にも広く知られる存在になれたと感じています。

2025年には分娩の取り扱いをやめ、現在は婦人科と妊婦健診を中心に診療を行っているそうですね。

全国的に出産の件数が減少する中、無痛分娩を希望する方が増えるなど、出産を取り巻く環境は変化しています。こうした状況を踏まえ、当院でも今後の医療提供のあり方を検討し、分娩の取り扱いを終了することとしました。今後は婦人科診療と妊婦健診の両輪で、地域住民の健康を支える新たな役割に力を注ぎたいと思っています。婦人科には、10代から80代まで幅広い年代の患者さんが来院されています。10代では月経痛や月経不順、無月経などのご相談が多く、20~30代になると、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などが背景にある月経トラブルで受診される方が増えてきます。また、妊娠を希望される方からご相談を受けることもあります。40代では更年期症状のお悩みが目立つようになり、50代以降は閉経に伴うデリケートゾーンの乾燥やかゆみ、痛み、性交痛などのご相談が多くなる印象です。

妊婦健診から出産まで、どのような流れになるのですか?

冬城高久院長 冬城産婦人科医院2

例えば、もともと血圧が高いなど注意が必要な方については、妊娠9週前後の段階で、より専門的な医療機関をご紹介しています。一方で、大きな症状がない方には、妊娠9~12週頃までを目安に分娩施設を決めていただいています。近隣の施設で出産される場合は妊娠32週頃まで当院で診療し、里帰り出産を希望される方には、妊娠30~32週頃までに帰省していただくようご案内しています。 産後は母乳相談にも対応しており、母乳ケア専用の部屋で、経験豊富な助産師がマンツーマンでサポートしています。母乳の飲ませ方や授乳時の姿勢、マッサージなどについて丁寧にお話ししながらお手伝いしています。毎日数件のご相談をいただいており、当院で妊婦健診を受けていない方にもご利用いただけます。

RSウイルスやHPVのワクチンで病気予防に尽力

妊婦さんへアドバイスはありますか?

冬城高久院長 冬城産婦人科医院3

近年は出産年齢が高く、妊娠前から子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣の病気、高血圧などを抱えている方が増えています。これらは妊娠をきっかけに悪化したり、妊娠や赤ちゃんに影響したりすることがあるため、妊娠前からかかりつけ医に相談し、妊娠後も丁寧に健診を受けることが大切です。また妊娠前から痩せすぎている、妊娠中も体重増加が少ない場合は、赤ちゃんが小さく生まれるリスクがあります。出生後の健康だけでなく、将来の生活習慣病にも関係するといわれているため、妊娠前から適切な体重管理を心がけましょう。そのほか、乳幼児のRSウイルス感染症の重症化を防ぐため、妊娠28~36週の接種が望ましいとされるRSウイルスワクチン接種もお勧めします。

2校の都立高校で学校医を務めていらっしゃいます。具体的には、どのような活動を?

生徒の月経などのトラブルについて、養護教諭から相談を受けています。生徒への対応やアドバイスについて一緒に考えるほか、生徒が面談を希望する場合には学校へ出向き、生徒や養護教諭と直接話をする機会を設けることもあります。その上で、必要に応じて近隣の産婦人科や当院への受診を案内し、適切な診療につなげています。性教育やプレコンセプションケア(妊娠前からの健康管理)について、動画や対面授業を通じて生徒たちに学んでもらう活動も行っています。また、当院では思春期のお子さんや親御さんへ向けて、HPVワクチンの接種を推奨しています。子宮頸がんは、早期に発見して手術を行い子宮を残せた場合でも、その後の妊娠で流産や早産のリスクが高くなる可能性があります。だからこそ、子宮頸がんは定期的な検診に加え、HPVワクチンによる予防も重要なのです。

思春期の世代に知っておいてほしいことはありますか?

冬城高久院長 冬城産婦人科医院4

思春期に月経痛が強い場合、将来的に子宮内膜症を発症するリスクが高いことが知られており、近年では10代後半から子宮内膜症がみられるケースも増えています。月経の悩みを我慢しないで、ぜひ相談してほしいです。特に月経前症候群(PMS)はさまざまな対処法が確立されているので、気になる症状があれば早めに受診しましょう。また、例えば無月経の方のなかには、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが低下している場合があります。すると、骨がもろくなるなど将来の健康に影響することも。骨量は20歳頃までにピークを迎えるため、10代のうちに十分な骨量を蓄えておかないと、将来的な骨折や寝たきりのリスクにもつながる可能性があるのです。70~80代の健康は、実は10代から始まっている。そう考えて、思春期のうちから自分の体と生活を大切にしてほしいと思います。

女性の生涯にわたるサポーターとして気軽に相談を

先生は、なぜ医師になったのですか?

冬城高久院長 冬城産婦人科医院5

私が医師を志したのは、産婦人科医だった父の影響です。父の背中を見て育ちましたから、人の役に立つ医師をめざしました。学生時代、出産に立ち会った時の感動は今でも忘れられません。生命の力強さに深く心を動かされ、そのまま産婦人科を選択しました。医師になってから30年以上たち、症状が改善して患者さんの喜ぶ姿を見ることが、大きなやりがいになっています。また、当院では、地域の薬剤師や医療機関などとの連携を大切にしており、出産に限らず、患者さんを中心に、それぞれの専門性を生かした医療連携で支えていくことを心がけています。このチームワークによって患者さんの生活を支えたり、より良い方向へ導いたりできたときに一体感や充実感がありますね。

診療のモットーをお聞かせください。

当院では、地域の皆さんに選んでいただける産婦人科として、できるだけ良質な医療を提供したいと考えています。そのため、患者さん一人ひとりを丁寧に診察し、できるだけわかりやすい言葉でお話しすることを心がけています。一方で、患者さんにとって何が最善かを考えた時には、当院だけで対応するのではなく、地域の医療機関や他の先生方の力をお借りすることも大切です。東京医療センターをはじめ、さまざまな医療機関と連携しながら、必要に応じて適切な医療につなげています。患者さんがより良い医療を受けられるようお手伝いすることも、大切な役割だと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

冬城高久院長 冬城産婦人科医院6

年に1回は健康診断に加え、子宮頸がん検診や乳がん検診もしっかり受けていただきたいですね。特に40~50代は心身の変化を感じやすい時期でもありますので、気になる症状があれば気軽に相談できる婦人科のかかりつけ医を持っていただければと思います。当院では、若い世代からシニア世代まで、それぞれのライフステージに合わせたサポートを心がけています。月経困難症をはじめとする月経トラブルにはホルモン療法や漢方療法を、精神的な症状が強い場合には必要に応じて向精神薬を取り入れるなど、一人ひとりに合わせた治療を行っています。また、更年期症状に対するホルモン補充療法、漢方療法やプラセンタを用いた治療など、多様な選択肢をご用意しています。女性の健康を生涯にわたって支えるサポーターとして、どのようなお悩みでも気軽にご相談いただければうれしいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診/7000円~、子宮がん検診/8000円~