北折 忠嗣 院長の独自取材記事
きたおり歯科医院
(奈良市/高の原駅)
最終更新日:2025/10/08

近鉄京都線・高の原駅からバスで6分の神功四丁目バス停すぐ、ならやま大通り北側の緑豊かな住宅街にある「きたおり歯科医院」。2014年に先代の父からクリニックを継承したのは北折忠嗣院長。2018年にはクリニック名を変更、歯科医院を現在の場所へ移転させた。院内は吹き抜けの天井で開放感があり、明るく気持ちの良い空間になっている。半個室の診察室では、広々とした天井を見上げることができる。観葉植物や北折院長の母が趣味で作ったという四季折々を彩る刺しゅうの壁掛けなど、温かい雰囲気が広がっている。先代の頃からメンテナンスに長く通う患者も多く、口腔内環境に対する意識の高さを感じるという。取材中も優しく誠実な人柄が終始感じられる北折院長に、診療内容や、地域のかかりつけ医として心がけていることなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年8月13日)
一人ひとりの患者と向き合い、相談しながら丁寧に治療
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

父が歯科医師として働いている姿を見てきましたので、自然に歯科医師をめざすようになりました。父は、入れ歯も歯を並べるところは自分で作り、かぶせ物や詰め物も小さいものであれば作製していました。私自身も、子どもの頃から物作りや工作が好きでしたので、父の背中を見るうちに、歯科医師の仕事に憧れを感じるようになっていました。歯科医師になってからは、患者さんと相談しながら治療をしたり、入れ歯を修正したりすることにやりがいを感じています。一人ひとり噛み合わせも症状も違いますから、その患者さんに合った最善の方法を探しながら、患者さんと相談しながら治療を進めることを大切にしています。治療することで、痛みを取り除き、食事の時間を楽しめる口腔環境をめざし、患者さんの力になることができればとてもうれしいですね。
患者さんはどのような方が多いですか?
小さいお子さんから高齢の方まで幅広く通っていただいていますが、特に高齢の方が多いですね。父の代では駅前のテナントを借りていたのですが、もっと地域に根づいた場所で診療したいと思い、今の場所に移転。駅前で診療していた頃の患者さんも引き続き通ってくださっています。84歳の父は今も現役で、一緒に治療を行っています。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

診療時には、いろいろと声かけをしながら治療を進めています。「今からこのような治療をします」「少し痛むかもしれないけど、ごめんね」といったことをお声がけしながら進めることで、治療中の不安を和らげ、急な痛みでびっくりされることのないようにしています。患者さんは上を向いて動けない状態で治療を受けますから、急に削ったりすると不安に思われるのが当然だと思います。治療中も、その都度お話ししながら治療を進め、最後に患者さんから「治療してもらって良かった」と言っていただけるような治療を心がけています。
定期的なメンテナンスで、痛み出す前に早期の発見を
主な診療内容について教えてください。

むし歯治療のほかには、メンテナンスが多いです。当院の患者さんは、定期的なメンテナンスに通ってくださっている方が多く、予約をキャンセルする方は少なくて、口腔内の健康に対する意識の高い方が多いと感じています。メンテナンスでは患者さんごとに毎回同じ歯科衛生士が担当しますので、患者さんも親しみやすく、安心して通っていただけると思います。
特に力を入れている分野についてお聞かせください。
予防歯科ですね。むし歯や歯周病の予防は、お口の健康だけではなく、全身の健康に影響することから、メンテナンスの重要性が高まっています。メンテナンスの頻度は口腔内の状態などによっても異なりますが、4~6ヵ月ごとに受けていただくようお願いしています。定期的なメンテナンス受診をすることによって、良好な口腔衛生状態を維持することが期待できますし、何かお口の中でトラブルがあった場合にも、早期に発見することができ、重症化する前にむし歯や歯周病を防げます。痛み出してから初めて会う歯科医師の治療を受ける場合、不安を感じる方が多いのではないでしょうか。ですから、日頃から通う歯科医院を決めていただいて、何かあったときには安心して治療を受けられるようにしていただければと思います。
メンテナンスはどのように進めていますか?

初回のメンテナンスで、口腔内の様子を記録するために検査を行い、写真を数枚撮影します。検査でむし歯が見つかった場合は、治療が優先されることもあります。その検査結果をもとに、患者さんに最適なセルフケアを提案させていただきます。その後、クリーニングやブラッシング指導の予防処置を行います。すべての予防処置が行われた後、当院では約1ヵ月後に再検査・再評価をするという流れになります。各診療室に設置している大きなモニターに口腔内写真を映しながら説明しますので、患者さんにもわかりやすいかと思います。磨き残している部分や、改善できている部分をご自身で確認し、毎日のブラッシングに生かしてもらえたらうれしいです。
温かみのある空間と心配りが行き届いた歯科医院
リニューアルの際、院内でこだわられた点について教えてください。

診察室はプライバシーを配慮して半個室になっていますが、閉塞感を和らげるために、天井を高くしました。診察の際は、天井を眺めて寝転びますから、少しでも安心しリラックスして治療を受けていただけように工夫しました。通っていただいている患者さんからは、「気持ちがいいね」と言っていただき、開放感のある空間にして良かったと思っています。また、当院は高齢の方にもたくさん通っていただいていますから、車いすでも通っていただけるように院内はバリアフリーにしました。小さなお子さん連れの患者さんもおられますので、待合スペースにはキッズスペースを設けて、ぬり絵等も用意しています。お子さんたちが塗ってくれた作品を飾っており、患者さんからも喜んでいただいています。
実践されている健康法などあれば教えてください。
子どもが小さい頃から、同じ幼稚園に通うお父さんたちや義父と一緒にマラソンに参加してきました。今は以前のようには走れませんが、10キロマラソンに参加したり、小さな積み重ねではありますが毎日徒歩で自宅から当院まで歩いたりと、運動することを心がけています。あとは植物を育てたり、眺めたりする時間もリフレッシュになっています。院内には観葉植物を置いているのですが、植物の水やりも私の日課です。
読者へのメッセージをお聞かせください。

気になる症状があっても「もう少し様子を見てから」と思う方もいらっしゃると思いますが、我慢なさらずに早めに歯科医院に相談されることをお勧めします。できれば、すぐに行けるかかりつけの歯科医院をつくっていただいて、ぜひ定期的に通っていただくことを願います。症状がひどくなる前に早期にトラブルを見つけ治療に取りかかると、治療期間自体短くて済みますし、大がかりな治療を必要としないので、痛みも少ない場合が多いです。