平井 真哉 院長の独自取材記事
平井歯科診療所
(橿原市/橿原神宮前駅)
最終更新日:2021/12/22

橿原神宮前駅から徒歩約4分。大和橿原病院の敷地内にある「平井歯科診療所」は、1980年の開業以来40年以上にわたって地域の人々の口腔内の健康を見守り続けている地域密着型の歯科医院だ。2021年には平井弥彦前院長の息子である平井真哉先生が2代目院長に就任し、2人体制での診療をスタート。平井院長は、兵庫県立淡路医療センターをはじめ、彦根市立病院などで歯科口腔外科を専門として研鑽を積み、現在はその経験を生かして一般的な虫歯治療から、顎や舌、口腔粘膜などの症状や親知らずの抜歯、顎関節症、腫瘍、炎症、外傷まで幅広い症状に対応している。物腰がやわらかく、穏やかな雰囲気の平井院長に、父である弥彦前院長に対する思いや、診療で大切にしていることについてなど、さまざまに話を聞いた。
(取材日2021年11月12日)
父から子へ、心のこもった丁寧な診療をつないでいく
先生が歯科医師をめざしたきっかけは、やはりお父さまの影響が大きかったのでしょうか?

もちろん、父が歯科医師というのは大きいと思いますね。とはいえ診療所と自宅が離れていたので、子どもの頃に父が治療をしていた姿を見る機会はそんなになくて、自分が虫歯になった時に何度か父に治療をしてもらったぐらいでした。それよりも、父が歯科医師だということで子どもの頃から近所のおじさんやおばさんたちに「大きくなったら、あなたに診てもらうことになるね」と言われ続けてきたのも影響しているのではないでしょうか(笑)。もちろん、こうして父が開業した診療所があるわけですから、後を継ぐことができたらいいなとは思っていましたから、子どもの頃から勉強は頑張ってしていましたね。
お父さまと一緒に診療をしてみて、どのように感じていますか?
父はもともと僕に対して口うるさいタイプではないので、意見が分かれることもなく平和にやっていますね。もちろん何十年も長いこと歯科医師をしていますから知識や経験なども豊富ですし、父から学ぶことも多いです。僕自身、勤務医時代はいろいろな歯科医院に勤めていたのですが、実際に父と働くようになって、父はとても説明が丁寧だということを感じました。父の世代の歯医者さんの中には、特に説明もせずに治療を進めてしまうケースも多くありますが、父はそういうタイプではないんですね。どの患者さんに対しても丁寧に向き合うことで、患者さんからの信頼を得てきたのかなと思います。
先生自身は、勤務医時代と比べて何か変化はありましたか?

勤務医時代に勤めていた歯科医院と比べて、うちの診療所は圧倒的に患者さんの年齢層が高くなったので、気遣いの仕方などは変わってきます。例えば歯を削る時に機械から水が出るのですが、高齢の患者さんだとその水でむせてしまうこともあります。また、口もあまり大きく開けることができませんから、診療中はそのような細かいところにも気配りをするようになりました。以前、京都の歯科医院で勤めていた時には若い患者さんが多かったので、正直なところそこまで気にしていなかったんです。今は、言葉がけひとつにしても、しっかりと患者さんが聞き取れるように意識して話すようになりましたし、そのような部分で違いを感じる一方で、僕自身にとっても勉強になっています。
一般歯科から歯科口腔外科まで幅広く診療を行う
こちらの診療所の特徴について教えていただけますか?

当院は特別に高度な医療機器がそろっているというわけでもなく、ごく普通の歯科医院ですが、患者さんにとってはアットホームで親しみやすい歯科医院だと思います。予防歯科にも力を入れていまして、父と僕以外のスタッフは全員が歯科衛生士です。スタッフもみんなとてもフレンドリーで、気軽にお口の中の心配なことを相談していただけると思いますよ。また、僕自身が歯科口腔外科を専門とする医療機関で経験を積んできましたので、歯科口腔外科に精通した診療ができるのも特徴の一つです。顎や舌、口腔粘膜などの症状や親知らずの抜歯、顎関節症、腫瘍、炎症、外傷などにも対応していますので、お悩みのある方は相談していただけたらと思います。
患者層や多い主訴についても教えてください。
土地柄もあると思うのですが、高齢の患者さんがとても多いですね。僕が診療に加わってからホームページを作ったりSNSで発信したりということを始めて、少しずつ若い患者さんも増えてきたかなという感じです。それ以前の父が院長をしていた時は宣伝などもしていなかったので、患者さんの多くはクチコミでした。父が治療をした患者さんが、ご自分のご家族や親戚の方に勧めてくださって通うようになるというケースも多かったようです。大阪をはじめ遠方からの患者さんも結構多いと思います。主訴としては、一般的な虫歯治療や入れ歯の痛みで来院する方が多く、その他には歯の掃除など定期的なメンテナンスで来院する方も増えていますね。もともと私自身は口腔外科で働いていましたので、その経験を生かした診療にも力を入れていて、顎関節症などの患者さんも最近は少しずつ多くなっていると思います。
先生が診療の際に心がけていることは何ですか?

まずは説明をしっかりするということはもちろんですが、僕だけが一方的に説明をするのではなく、患者さん自身にも考えていただくことを大切にしています。ご自分の口の中のことですので、「先生の言う通りにします」という受け身では、結局また虫歯を繰り返してしまいます。ご自分の口の中のことに興味を持っていただくために、治療内容を説明するときにもメリットとデメリットの両方を説明して、できるだけ患者さん自身に決めていただくようにしています。そうすることで、普段から定期的にメンテナンスをするようになったり、他の部分にも意識がいくようになったりして、結果的にはデンタルIQを高めることにつながっていくというわけです。
定期的なメンテナンスで、歯の健康寿命を延ばしていく
新型コロナウイルス感染症対策について教えていただけますか?

通常から、院内スタッフの毎日の検温や体調管理、診療前後の手洗い・手指消毒などはもちろん、院内の消毒、治療機器の滅菌・消毒などを徹底しています。あとは待合室や診察室で空気清浄機を稼働させるほかに、「バリアテープ」というものを使用しています。バリアテープは、チェアや機器など治療の際に僕やスタッフが触れる部分に貼っておき、一人の患者さんの診察ごとにそのテープを新しいものに張り替えていく、という使い方をするものです。このように徹底した感染症対策を行って、患者さんに少しでも安心して治療を受けていただけたらと思っています。
お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?
学生時代に陸上部や野球部に所属していたので、もともと体を動かすことは好きなんですが、今は6歳、4歳、0歳の3人の息子がいますのでなかなか自分の趣味どころではないですね(笑)。休みの日は、いつも子どもたちと遊んで過ごしているという感じです。
先生ご自身が、歯の健康のために取り組んでいることはありますか?

特別に何かしているということはありませんが、やはり「食べたら歯を磨く」という基本的なことは欠かさずに行っています。それに加えて、歯の掃除などのメンテナンスも定期的に受けていますよ。あとは、できるだけ間食をしないこと。間食の回数が増えれば増えるほど、虫歯になるリスクは高くなりますから、もしおやつなどを食べるのであれば、その後もきちんと歯磨きをすることが大切です。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
小さなお子さんから、おじいちゃん、おばあちゃんまで家族の皆さんを診ていくことができたらうれしいですね。最近は、歯をできるだけ削らず、人工物をできるだけ詰めないほうが良いと言われていています。そのためには虫歯にならないようにきちんとメンテナンスをしていくことが大切です。治療を重ねるほど歯の寿命は短くなっていきますから、できるだけ今の段階から良い状態をキープしていくことができるように、悪くなったら通うのではなく、定期的に通って予防していただくのが理想的ですね。そうした予防の大切さも、しっかりと発信していきたいと思います。