岡本 吉彦 院長、岡本 真澄 副院長の独自取材記事
岡本歯科医院
(香芝市/香芝駅)
最終更新日:2022/04/14

JR和歌山線・香芝駅から徒歩3分にある「岡本歯科医院」。院長の岡本吉彦先生は奈良県下の開業医には少ない日本歯科麻酔学会歯科麻酔専門医で、祖父の代から半世紀以上、3代にわたり地域のかかりつけ医として歯と口の健康をサポートしている。患者のニーズに応え、約25年前から在宅医療での診療にも注力しており、地域住民からの信頼も厚い。岡本院長は、国立循環器病研究センターなど多数の基幹病院での勤務経験を持ち、モットーは患者にとって安全で安心な治療を行うこと。岡本院長の妻で副院長の岡本真澄先生は、歯科口腔外科が専門。丁寧な語り口で、患者への説明を怠らない。「地域の皆さんの歯の健康を支えながら、一緒に年を重ねていきたい」と語る2人に、治療への思いや今後の展望について聞いた。
(取材日2021年7月16日)
祖父から受け継ぎ3代、地域住民の歯の健康を支える
まずは、こちらの地域で開業された経緯から伺います。

【岡本院長】香芝市下田で開業したのは私の祖父で、今から72年前のことです。祖父、父と続き、私で3代目です。もともと曽祖父が大和高田で商いをしていたそうですが、次男であった祖父はそこから独立して大阪の難波で歯科医院を開業しました。香芝へは大阪空襲に見舞われた時に疎開してきたと聞いています。その後、こちらで開業しました。大阪での開業から数えると今年で102年目ですね。クリニックの入り口には空襲で燃えなかった看板も飾っているので、当院の歩みは患者さんにも見ていただけるかと思います。
先生方が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
【岡本院長】祖父、父と歯科医師でしたので、幼い頃から医療が身近にありました。そんな環境も手伝って、物心ついた時には自然と歯科医師をめざしていたし、クリニックを継ごうと決意していました。大学卒業後は勤務医として大学病院などで働き、父の後を継ぐため当院へ。しかしその後、教授から誘いを受けて博士号を取得するため大学院へ戻ったので、正式に代替わりしたのは2008年です。
【真澄副院長】私も親戚に歯科医師が多かったため、おのずと歯科医師をめざすようになっていました。結婚後も子育てと家事をしながら、クリニックで働きましたが、専門である口腔外科をさらに極めたいとの思いが強くなりました。そこで週に1度以前勤務していた奈良県立医科大学に通い、日本口腔外科学会口腔外科専門医の資格を取得しました。
1度働いた後、大学院へと進まれたのはなぜでしょうか。

【岡本院長】大学院に進んだきっかけは教授からの誘いです。お声かけいただいたことをきっかけに、これからの超高齢社会においては歯の治療であっても全身での管理が大切だという考えに至り、歯科麻酔について研究を深めようと考えました。当時の主任で歯科麻酔を専門とされていた松浦教授にはお世話になりましたね。
【真澄副院長】私は、奈良県立医科大学の歯科口腔外科で腫瘍専門の診療の経験を積み口腔外科専門医を取得。結婚後も続けていた仕事と子育てとの両立は大変でしたが、口腔外科についてもっと深く追究したい気持ちが強くなり大学院に進学しました。大学院では桐田忠昭教授にお世話になり、病理教室で研究させていただき、無事に博士号を取得できました。教授とは今も親交があり、当院で口腔内のがんが懸念される患者さんがいらした際の紹介状は、教授宛に書かせていただいています。
患者からの要望を受け訪問歯科診療にも注力
どのような患者さんの来院が多いでしょうか。

【岡本院長】祖父の時代から親子3代で長く通ってくださっているご高齢の方も多いです。入れ歯の相談を受けることも少なくありませんね。最近はマスクをつけて過ごすことが当たり前になっていることもあり、今のうちにホワイトニングと矯正を希望される患者さんも増えました。こうした要望はお子さんより大人から求められることが多いですね。
【真澄副院長】小学校で行う集団検診で歯列の項目が増えました。そのため、検診をきっかけに矯正に来られるお子さんも増えています。著名人の方が舌がんに罹られたときには、舌がん検診を望む患者さんが当院にも大勢いらっしゃったのもあり、今は口腔内のがん症状の項目が記された張り紙を待合室に貼っています。
在宅医療にも力を入れているとのことですが、経緯などを教えてください。
【岡本院長】訪問歯科診療は約25年前に始めました。きっかけは、これまで通っていた患者さんが高齢になり、通院できなくなったため家に来てほしいと要望されたから。当時はまだご自宅に訪問して歯の治療をすることが珍しかったのか、診療をスタートしてみるといろんな方から「うちにも来てほしい」と要望を受けるようになりました。介護保険制度が始まってからは、私も副院長も介護支援専門員の資格を持っていることもあり、福祉施設と提携し、在宅医療の件数も増えていきました。これまで数多くの患者さんのもとへ訪問してきましたので、長年のノウハウが今に生かされていると思います。訪問診療では寝たきりの患者さんも多いので、バイタルチェックが行えるよう血圧計やパルスオキシメーターを常備し、ポータブルのエックス線撮影装置やモニターなど、訪問診療用の機材も充実させています。
お二人が診療をする上で大切にしていることは何ですか?

【岡本院長】抜歯など外科的な治療も多いので、安全かつ安心な治療を心がけています。特に昨今は全身疾患を持っている患者さんも多いため、しっかりとお話を伺ってから適切な治療を選択していくようにしています。また、抜歯への恐怖心が大きい方や、嘔吐反射で治療中に吐き気を催してしまう患者さんもいるので、痛みの軽減が期待できる笑気吸入鎮静法や静脈内鎮静法なども導入しています。
【真澄副院長】大切なのはインフォームドコンセントに尽きます。私たちが患者さんの話にしっかりと耳を傾けることはもちろん、納得いただけるようにわかりやすく説明するよう日々心がけていますね。
これからも地域の人たちの歯の健康をサポートしたい
歯科医師の魅力ややりがいはどんなところにあると考えていますか?

【岡本院長】在宅療養中の患者さんに訪問を歓迎された時や、喜んでいただけた時にやりがいを感じます。虫歯や歯周病の治療は直接的に命を救う行為ではありませんが、口腔内のがんなどを見逃さずに発見するのは歯科医師の大事な役割でもあります。歯科治療の範囲で悪化を防ぎ、助けられることには今後も注力していきたいです。
【真澄副院長】私は口腔外科が専門ですので、院長と思いを一つに口腔内のがんの早期発見には力を入れています。それ以外に顎関節症や唇、舌などの治療にあたりますが、患者さんに喜んでもらえたり、感謝の言葉をいただくと、とてもうれしいし、やりがいを感じます。
休日の過ごし方について教えてください。
【真澄副院長】子どもが大学入学後は、夫婦でゴルフに行くことが増えました。週1回レッスンに行き、月1回ラウンドするのが楽しみです。毎年あったゴルフコンペではひどいスコアだったのですが、定期的にゴルフをするようになって上達し、はまってます。夫はもっと多趣味でいろいろなことをしています(笑)。
【岡本院長】そうですね。第一級アマチュア無線技士、甲種危険物取扱者、第二種電気工事士など、資格を取得していくことも好きです。あとロードバイクに乗ることやマラソンもよくします。奈良マラソンは第1回から皆勤で出走しており、第8回からは救急時の対応も行うランナーとして走っています。
最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

【真澄副院長】近年は予防を重視する患者さんも多く、子どもも虫歯になっているケースは減ってきています。80歳で20本の自分の歯を維持する「8020運動」が推奨されていますので、患者さんにも定期的な口腔清掃を意識してもらえたらと思います。早く病院に相談することで、早期治療が行え、悪化も防げます。予防は大切です。これからも時代にマッチした診療と治療が行えるかかりつけ医でありたいと思います。
【岡本院長】当院は、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者さんにご来院いただいており、寝たきりになった患者さんには在宅医療も行っています。多くの方の人生に寄り添わせていただいていますので、これからも患者さんと一緒に年を重ねていけるような、地域密着型の歯科医院であり続けたいです。大概の症例は診ることができますので、ぜひ安心して来ていただきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/33万円~、矯正/10万円~、ホワイトニング/2万円~