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田中 教順 院長の独自取材記事

第二田中歯科医院

(世田谷区/若林駅)

最終更新日:2024/12/26

田中教順院長 第二田中歯科医院 main

東急世田谷線・若林駅と小田急線・世田谷代田駅のほぼ中間地点にある「第二田中歯科医院」。院長の田中教順先生は優しい笑みと物腰やわらかな雰囲気が特徴の先生だ。歯科医師であるとともに僧侶でもあるという異色の経歴で、以前は、実家の寺がある群馬県の無医村で歯科診療に注力した経験も持つ。上京後も地域の歯科医療にも尽力し、開業前から今まで40年近く世田谷区の学校で校医を務めるほか、高齢で通院が困難になった患者のために訪問診療にも対応。豊富な診療経験と患者に寄り添う診療姿勢で日々患者と向き合いながら、歯科医師会の活動にも参加。今も新たな知識の吸収に励んでいる。そんな田中院長に、日頃の口腔ケアの大切さや地域医療への思いをじっくりと語ってもらった。

(取材日2024年9月24日)

長年にわたって校医や歯科医師会の活動に邁進

こちらの歯科医院の特徴について教えてください。

田中教順院長 第二田中歯科医院1

第二田中歯科医院の「第二」は、以前父がこの近くで歯科医院を開業していた時代につけました。当院がめざすのは、地域の患者さんのお口の健康を守り健康寿命を延ばすこと。地域へ貢献したいという思いから外来診療に加えて校医の活動や訪問診療にも長年携わってきました。父の代から通ってくださる患者さんがお年を召して通院が困難になるケースも増えてきています。通院できなくなっても口腔ケアができるように、できるだけお宅に訪問して歯科との接点をつくり、お口の状態が悪化しないように配慮しています。

先生は僧侶でもあるのですね。歯科医師としては異色の経歴では?

そうですね。私の実家は群馬県にある天台宗のお寺で、父も私もそして私の弟も歯科医師でありながら僧侶という少し変わった肩書きです。実家のある地域は無医村だったこともあり、以前は父とともにお寺の境内で歯科診療をしていましたが、今は弟が実家を引き継いで診療してくれていますよ。歯科医師と僧侶というまったく異なる2つの世界ですが、共通点は相手の様子に気を配り、話をよく聞くことでしょうか。お坊さんは檀家さんの、歯科医師は患者さんの様子や話に気を配ります。例えば、治療は患者さんが診察室に入る前からスタートしているんですよ。足音やドアの開け方、歩き方や目線をよく観察して患者さんの生活環境を見抜かないと的確な治療にはつなげられません。そして優しく温かい雰囲気で患者さんを迎え入れ、お話をよく聞きます。症状のことだけでなく日常のことも相談できる関係性がつくれたら、もう治療の半分は終えていると思っていいでしょう。

先生は長年にわたって小学校の校医を続けていらっしゃると伺いました。

田中教順院長 第二田中歯科医院2

はい。開業前から40年近く小学校の校医をしています。最近、虫歯のある子どもが減っているのは親御さんの影響が大きいですね。口腔ケア意識の高い親御さんの子どもは自然と正しい習慣が身につきます。一方で口呼吸の子どもが増えていることを懸念しています。指しゃぶりなどによる舌の筋力低下が主な原因ですが、口呼吸になると唾液の分泌が十分にできず感染症のリスクも上がってしまいます。唾液の分泌を促すには、舌の運動と食事をしっかり噛んで食べることが重要です。校医には子どもの健やかな成長を見守るという大切な役割があります。子どもの口腔内の状態をチェックしているので、学校の先生よりも先に子どもの異変に気づくことも。急激に状態が悪化している子は家庭状況が良くない可能性があります。危ないと感じたら先生などに情報を共有することも校医の役目。学校の歯科健診は地域の子どもを守る活動の一つなのです。

明るい空気とコミュニケーションで患者を迎えたい

治療の特色について教えてください。

田中教順院長 第二田中歯科医院3

患者さんの負担軽減をめざして以前からレーザー治療を導入しています。レーザー治療のメリットは歯を削る量が少なく済む点です。ガリガリと削る部分が少なければ少ないほど、その分歯へのダメージや痛みも少なくて済みます。そしてガリガリという音がないということは、患者さんの恐怖心も軽減されるわけです。当院では生体組織への影響が少ないエルビウム・ヤグレーザーを使っています。虫歯だけではなく、粘膜面の治療に対しても麻酔をほとんど使わないような感覚で治療を進めることができ、歯科医師の立場からも扱いやすいです。

診療で心がけていることは何でしょう。

患者さんが安心して治療できる環境づくりに取り組んでいます。初診の患者さんは緊張と不安の顔で診察室に入ってきます。特に小さなお子さんやご高齢の方はその傾向が強いので、院内の雰囲気が非常に重要です。いつでも明るい空気で患者さんをお迎えしたいですね。患者さんのための診療を心がけると、その思いは患者さんにも伝わります。すると患者さんも安心されて笑顔を見せてくださったり、次回の来院につながったりするんですね。その積み重ねが診療ですから、私自身も自分が機嫌よく過ごして患者さんやスタッフにも良い雰囲気が伝わればいいなと思っています。当院では、スタッフたちも上手に患者さんに接してくれています。あるスタッフは訪問介護士の資格を持ち、お年寄りのお世話がとても上手ですし、お子さんの扱いもうまいんです。患者さんとスタッフが待合室で楽しそうに話している様子をよく見かけますよ。

全身の健康には口腔ケアがとても大切だそうですね。

田中教順院長 第二田中歯科医院4

口の中には無数の常在菌がいます。良い菌もあれば悪い菌もある。それらがバランスを取って共存しているんです。免疫力が落ちるとこのバランスが崩れます。それが歯や体の不調として現れてしまうんです。例えば、歯周病が進行すると心筋梗塞やアレルギーのリスクが高まることがわかってきています。栄養も細菌も口から体の中に入ります。口腔ケアをすることで健康寿命を延ばし、年を重ねても自分の歯でしっかり食事を取れることが理想ですね。万が一認知症になった場合でも、普段から歯科治療を受けている患者さんは治療がしやすいです。一方で通院の習慣がない方が認知症になると、「口を開けてください」とお伝えしても認識できないことが多く、治療も難しくなります。最低半年に1度の定期メンテナンスの習慣をつけましょう。

通院が困難になっても訪問診療で接点を持つことが大切

歯科医師会の活動についてはいかがでしょう。

田中教順院長 第二田中歯科医院5

歯科医師会に所属するメリットは、いろいろな大学の先生と意見交換することで診療の偏りをなくせることだと思います。歯科治療も日々進歩していますから新しい知識を吸収して診療に生かすことが大切です。東京都世田谷区歯科医師会では主に福祉関係に携わり、特別養護老人ホームや老人介護施設への訪問診療、寝たきりの方や通院が困難な方のための在宅訪問、障害のある方の治療に力を入れてきました。世田谷区はほかの地域に比べ、障害者診療や往診への取り組みがとても早かったんです。まだ訪問診療が一般的に普及していなかった時代から、多くの先生が協力し合ってチームで取り組んできました。今も歯科医師会の一員として、訪問診療をはじめさまざまな活動に参加しています。

訪問診療には使命感を持って取り組んでいらっしゃるんですね。

患者さんがお年を召されて通院が困難になった場合は、自宅で口腔ケアができるように訪問診療に切り替えています。治療はもちろんですが、患者さんに顔を見せることが何より大切です。いつも診てくれている先生が家に来ることで患者さんに安心感を与えられると思います。歯科医師会から貸与された携帯用エックス線撮影装置などを車に積んで訪問しています。訪問診療では患者さんに応急処置をしたり、他職種連携も図ったりしながら対応しています。まずは接点をつくっておくことで、何かあったときにも柔軟な対応が可能になるのです。口内の状態悪化から認知症に気づくこともあります。ご家族と話をし、区の地域包括支援センターに情報を共有するなど、患者さんを必要な支援につなげることも私の役割です。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

田中教順院長 第二田中歯科医院6

今後も地域に根差した診療を続けたいと思います。地域の皆さんにお伝えしたいことは、定期メンテナンスの大切さです。口から細菌が入って全身の健康を害さないよう、定期的に歯科医院に通ってお口の中をリセットしましょう。たとえ認知症になっても歯科治療が習慣になっていれば治療はできます。世田谷区は地域医療の連携が進んでいる地域です。認知症になったお店の常連さんを店員さんが連れてきてくれることもあります。地域や歯科医院とのつながりを持っておくことが大切ですね。困ったことがあればお気軽にご相談ください。

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