成瀬 隆弘 理事長の独自取材記事
成瀬矯正歯科クリニック
(横浜市都筑区/センター南駅)
最終更新日:2023/04/14
ブルーライン・センター南駅から徒歩2分、歴博通り沿いに「成瀬矯正歯科クリニック」はある。理事長の成瀬隆弘先生は、長年にわたり専門性の高い歯科治療を提供してきた。横浜駅近くでも「成瀬歯科クリニック」を営んでいるが、同院を分院として立ち上げたのは、より専門性を持って矯正を提供したいという思いがあったからだ。近年、多発しているマウスピース型装置を用いた矯正によるトラブル問題の解決にも尽力している。一軒家を改装したクリニックは1階が待合室、2階が治療スペースという贅沢な造り。診療スペースは天井も高く、リラックスして診療を受けられる。シャンデリアやアンティークの家具が配置された広々とした待合室で、成瀬理事長に矯正を行う上で大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2023年3月11日)
矯正のスペシャリストとして専門性の高い矯正の提供を
まず、開業したきっかけを教えてください。
当院は横浜の「成瀬歯科クリニック」の分院として2006年に開業しました。きっかけは「矯正は矯正を専門にしているクリニックで」という考えを広めたかったからです。実は、矯正は歯科医師なら誰でも対応できます。一般歯科と並べて標榜しているクリニックも少なくありません。しかし、大学で学ぶ歯列矯正はどうしても学べる内容に限りがあります。私も大学卒業後、さらに3年間にわたり矯正を専門的に勉強し、2年間の臨床経験を積みました。矯正はより専門性が高い歯科医師のもとで受けるほうが、患者さんにとってもメリットがあるのではないでしょうか。
専門性の高い矯正を受けることにはどんなメリットがありますか。
場当たり的な矯正ではなく、歯並びが悪くなっている根本原因を突き止めることからの矯正を受けられることでしょうか。原因は体全体に潜んでいます。例えば、口呼吸をしていないか、嚥下の仕方がおかしくないか、話をする時に舌の動きが正常か、扁桃腺が大きくないか、片側ばかりを下にして寝る、肘をついたり足を組んだりする癖はないかなど癖を発見し取り除いていくことから始めるので、必ずしも直ちに矯正を始めることはありません。治療期間は1年半〜2年で完了をめざすのが理想的で、矯正開始はそれぞれベストなタイミングがあります。ライフイベントも考慮して、矯正時期についてはきめ細かに対応するようにしています。矯正後も、歯並びが元に戻ってしまうのを防ぐためにも、1年に1回でもいいので定期的にクリニックに通うのを習慣にしていただきたいですね。本院と連携しながらアフターフォローに力を入れているのも当院の強みです。
患者さんの年齢層などについて教えてください。
乳歯が生えそろった3〜4歳から、60代後半の方までいます。近隣の方はもちろん、父が表参道でクリニックを開業していた頃からの長いお付き合いの方もいますね。また、本院での治療と併用しながら通われる方や複数のクリニックで「手術でしか治せない」と言われ、困っていた患者さんが相談に来られることもあります。骨を切るといった外科手術を伴う矯正を希望する方には提携している横浜労災病院や昭和大学横浜市北部病院で執刀いたします。そのほか「目立つ装置はつけたくない」という方に、マウスピース型装置を用いた矯正や歯の裏にブラケットを装着するリンガル・システムを紹介することもできます。
正しい噛み合わせをめざし全身をケアする矯正を
歯科医師を志したきっかけを教えてください。
歯科医師だった父の影響が大きいと思います。私の父である成瀬隆雄は現在90歳ですが、矯正先進国だったアメリカの技術を日本に伝え、東京医科歯科大学の先生方と診断のマニュアルを作成するなどした人物です。後に表参道で「グリーンファンタジア歯科」を営むようになり、私も何年か手伝いました。噛み合わせが大事なスポーツを行う人、人知れず治療したい人など難しい症例も数多く経験し、勉強になりましたね。「治療後、どれだけ後戻りしないかが大事」という父の教えは今も大切にしています。
ほかにも診療にあたって大切にしていることはありますか。
まず、歯列をきれいに整え、患者さんが笑顔に自信が持てるようにすること。そういった精神的なプラス効果は見逃せないと思うんですよ。でも、矯正を専門とするならば、それだけで満足してはだめだと思っています。当院では機能面もよく考えて治療やアフターケアを行うことを大切にしています。例えば、噛む時に歯がどう動くかという点にも注意。正しく噛めるというのは大事なことで、胃腸への負担も軽くなり、顔の形や顎のラインの変化につながることもあるのです。
それは先生の専門分野とも密接に関係していそうですね。
博士号取得時には矯正治療と顔面表情筋の関係について論文にまとめました。歯並びは表情筋にどう影響するのかという研究です。矯正により噛み合わせの調整をすることで表情筋の使い方が変化して、目の位置も変わることがあるのではないかと予測しました。また、他の方の研究で、噛み合わせの問題から視力が悪化したという事例も報告されているんですよ。歯並びや噛み合わせは、顔の表情、視覚、全身にまで影響を及ぼしているという研究は、開業して今に至るまで役に立っています。
矯正の役割について、先生はどのようにお考えでしょうか?
歯並びの問題を解決に導き、正しく食物を取り入れ、言葉を話しやすくする。その人の個性に最もよく調和した本来の姿に返してあげるというのが歯列矯正学の目標です。そして、悪い歯並びに戻りそうならば早期にその傾向を発見して、そうならないように予防する。それもまた、矯正治療の重要な仕事だと考えています。
マウスピース型装置を用いた矯正と検診にも注力したい
今後の展望についてお聞かせください。
一つは、マウスピース型装置を用いた矯正に関する啓発活動を進めていくことでしょうか。マウスピース型装置を用いた矯正は価格に配慮されているということもあり、人気を集めています。しかし、簡単なようでいて、実は矯正を専門としていないと難しい矯正方法でもあるのです。当院でも間違ったマウスピース型装置を用いた矯正により「噛み合わせが悪くなった」「歯並びが逆にひどくなった」という患者さんからの相談が増加中です。マウスピース型装置を用いた矯正を希望する方に「必ず矯正を専門としているクリニックを選択するようにしてください」と、広めていければと思っています。私自身、マウスピース型装置を用いた矯正に関しても20年以上の経験がありますし、当院でも力を入れていきたいです。そして、もう一つは検診にも力を入れていくことでしょうか。
検診は奥さまの成瀬真紀先生が担当しているそうですね。
真紀先生をメインに学校検診、企業検診に取り組んでいます。学校や企業に出向いて虫歯などの検査を行い、希望があれば、歯科衛生士も同行して歯石除去などのクリーニングも可能です。有害物質を扱う企業の歯科特殊健康診断もお任せください。歯科検診義務化に伴い、問い合わせも増えています。全国どこへでも対応できます。
お忙しい毎日をお過ごしと思いますが、リフレッシュ法はありますか。
春休みなどに石垣島へダイビングに出かけることでしょうか。ダイビング歴は高校時代から、もう30年以上になりますね。アドバンスライセンスを持っているので最大30mまでは潜れます。昔は妻も一緒に潜ったのですが、最近は息子と楽しんでますね。息子も娘も歯学部に在学中で、娘は「矯正歯科をやりたい」と言っているんですよ。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
他のクリニックで「これ以上はきれいにならない」などと言われて納得できていない方もいるかもしれません。また「今すぐ矯正を始めるように」と、言われて困っている方はいませんか。もしかしたら、それは矯正を開始するベストなタイミングではないかもしれません。当院はセカンドオピニオンにも対応しています。相談は無料なので、ぜひ一度、足を運んでいただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/66万円~、裏側矯正/99万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/22万円~、矯正用インプラントを併用した治療/69万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。