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嘉藤 泉美 院長の独自取材記事

佐和歯科医院

(出雲市/出雲科学館パークタウン前駅)

最終更新日:2024/11/28

嘉藤泉美院長 佐和歯科医院 main

出雲市大津町の閑静な住宅街にある「佐和歯科医院」。1934年の開業以来、近隣住民のかかりつけとして親しまれ、特に質の高い義歯・入れ歯が特徴だ。嘉藤泉美(かとう・いずみ)院長自ら手入れを施す植栽が美しく、中に入ると木目を使用した温かみのある内装が居心地の良い空間。院内は、高齢の患者へ配慮したバリアフリー対応。嘉藤院長は、祖父母・父から同院を継承した3代目の歯科医師。「高齢者の方がお口のことで困らず、生活の質が上がると良いなと思っている」と語るまなざしが優しい雰囲気だ。高齢者の歯科治療に注力する中で、現在は通院できない患者の往診にも対応している。そんな嘉藤院長に同院の特徴や今後の展望について話を聞いた。

(取材日2024年9月21日)

高齢者の口腔の健康を支えて、地域で90年

開業から90年と、歴史ある歯科医院なんですね。

嘉藤泉美院長 佐和歯科医院1

私の祖父母がともに歯科医師で、1934年に開業した歯科医院です。その後父が継承し、私は3代目の院長です。私も高校までは島根で育ち、大学で上京し、祖父と父の母校である東京歯科大学を卒業。同大学の口腔外科で学びながら千葉の病院や都立病院で働き、当院を継承するために地元へ戻ってきました。短い期間でしたが、3世代で働いていたこともありました。患者さんも長く通ってくださる地域住民の方ばかりなので、地元に帰ってきた時は皆さんに温かく迎えてもらえました。当時は車いすの患者さんが入れず駐車場もなかったため、地域内で移転することになり、2011年に現在の場所へバリアフリー対応でリニューアルオープンしました。祖父母・父の代からの患者さんをそのまま受け継ぐことができて、感謝しています。

歯科医院の特徴を教えてください。

当院は、高齢者の歯科治療に注力している歯科医院です。車いすの患者さんも多いのでバリアフリー対応や手すりを多く設置することはもちろん、ユニットはすべて高齢者が乗り降りしやすいタイプのものを導入しています。スタッフも高齢の患者さんの対応を専門的に学び、対応に慣れているため車いすからユニットへの移動も上手ですよ。ユニットに座られた後も、患者さんに合わせてポジショニング用のクッションを使い、どんな方でも楽な姿勢で診察を受けられるようにしています。また緊張して体がこわばってしまう方もいるので、体のリラクゼーションも取り入れています。義歯にも力を入れていて、患者さんのお口に合うまで丁寧に調整を重ね、義歯を使いこなせるようリハビリテーションも行っています。私の師匠であり、リハビリ・義歯を専門とする歯科医師の先生に毎年来ていただき、スタッフ全員で対応を学んで実践しています。

どんなスタッフさんが働かれていますか?

嘉藤泉美院長 佐和歯科医院2

歯科衛生士2人、女性の歯科技工士1人、助手2人がいます。歯科技工士は、技工室での作業だけでなく、どんどんユニットへ出てきて患者さんの顔を見てお話ししながら、さまざな対応をしてくれます。コミュニケーションが上手で、患者さんも打ち解けてお話しされていますよ。歯科衛生士は経験を積んだベテランですので、むし歯や歯周病の予防についてだけでなく、お口の健康を通して全身の健康を意識していただけるようにアドバイスを行っています。

チームワークを大切にされているとお聞きしました。

患者さんからの感謝の言葉は院長である私にいただくことが多いですが、チームで力を合わせているからできることです。当院は高齢者の歯科治療が多いので、一人ひとりのスタッフの取り組みによって現在の治療が提供できています。例えばユニットへの移動や治療の際のポジショニング、ご家族やケアマネジャー、施設や病院とのやりとりなど助手が縁の下の力持ちのような存在として仕事にあたっています。

良い入れ歯を追求することで、高齢者を元気にしたい

注力している治療についてお聞かせください。

嘉藤泉美院長 佐和歯科医院3

私は歯科医師として広く浅く何でもやるというより、好きなことや得意なことを追及することで地域の皆さんに貢献したいと考えています。最近は審美や矯正治療など比較的若い患者さんを対象としたクリニックはたくさん開業されていますので、当院は高齢者のお口の健康に寄り添うスタンスです。1人の患者さんにつき1時間と、じっくり時間を取って一人ひとりに丁寧に向き合っています。私自身、あまり忙しすぎるのが性に合わないこともあります(笑)。私は入れ歯の治療が好きなので、「入れ歯が合わない」と悩んでいらっしゃる方がいたらぜひ一度ご相談いただきたいです。

入れ歯について、もう少し詳しくお聞かせください。

自分にピッタリ合う入れ歯が入ると、より前向きに日々の生活を送れるようになると考えています。実際は自分に合わない入れ歯で諦めている方がたくさんいらっしゃると思います。これは、入れ歯が好きで90代まで一緒に働いた祖母の影響もあります。祖母の作る入れ歯は、歯並びが自然に見えて入れ歯だとほとんどわからない、長年培ってきた技術が素晴らしかったです。「女の人はかわいく見えるように入れ歯を作っている」と、よく言っていたくらいです。私もすべて完璧ではありませんが、入れ歯が好きで長年取り組んでいて、保険診療の場合限界はありますが、できることはとことんしますので、諦めないで受診してもらいたいです。

往診もされているのでしょうか?

嘉藤泉美院長 佐和歯科医院4

高齢で通院が難しい患者さんの往診にも対応しています。当院にずっと通っていて、通院できなくなった患者さんのご自宅へ訪問することが多いですが、病院や介護施設から声がかかって往診に対応することもあります。午前中に来院される患者さんが多いので、午前の診療が終わって、昼頃から午後の時間帯に往診へ出ることが多いです。

好きなことで地域に貢献できる、喜びを胸に

お忙しい日々かと思いますが、ご趣味などはございますか?

嘉藤泉美院長 佐和歯科医院5

趣味は、植物と猫ですね。当院の花壇は患者さんも喜んでくださるので、うれしいです。家に帰って猫を撫でている時間が、1番の癒やしです。実はうちで飼っている猫は、この土地に住み着いていた野良猫だったんです。更地にして歯科医院を建てることになった時、ここには20匹近い猫がいました。幼い頃に猫を飼っていたこともあって放っておけなくて、1匹ずつ動物病院へ連れて行って、少しずつ自宅へと招き入れて一緒に暮らすように。私たち夫婦にとってまるで子どものようにかわいがって、順番に1匹ずつ看取り、最後の1匹は今では19歳。仕事では神経を使うことも多いので、猫たちがいてくれて助かりました。

今後の診療の方針についてお聞かせください。

患者さんにとって人生最後の入れ歯になるかもしれないので、できる限りその方にピッタリ合ったもので、高齢の方がお口のことで困らないように、そして元気に食事を楽しめるように……という思いで、今後も取り組んでいきたいです。もしも、そうした高齢者に寄り添う当院の診療スタイルに共感していただける、歯科医師の先生との出会いがあれば、ゆくゆくは医院継承も考えていきたいです。現在は継承者がおらずそうしたあてもないのですが、せっかく移転オープンしたこの建物もまだまだ使えますし、長年当院へ通ってくださる患者さんのためにも、将来のことも徐々に考えていきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

嘉藤泉美院長 佐和歯科医院6

昔から通ってくださる地域の患者さんをじっくり診ていきたいとの思いから、これまでホームページも作らず、メディアにもほとんど出てきませんでした。しかし、私の取り組みを公開することで、本当に当院の診療を必要としている方々に知っていただけたらという思いで、今回お話ししました。これからも自分のやりたいことを追求しながら、患者さんが明るく元気に生活できるお手伝いができたらうれしいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

保険適用外義歯/22万円~、義歯の修理/4万4000円~、義歯の裏打ち/5万5000円~

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