清水 潤 院長、清水 佐知子 副院長の独自取材記事
高木歯科医院
(松江市/揖屋駅)
最終更新日:2025/03/13

国道9号線に面し、JR山陰本線の揖屋駅から徒歩10分のところにある「高木歯科医院」。3代目院長の清水潤先生は、大学卒業後東京都や岩手県の病院で研鑽を積み、2013年から同院で診療を開始、2016年に継承。「健口で健康に」をモットーに地域住民の健康を歯科からサポートしている。開業から85年の歴史を持つ地域に根づいた歯科医院ということもあり、アットホームな同院。院内は白を基調とし、清潔感のある明るい雰囲気だ。早くからCTを導入するなど、設備も充実させている。口の健康は全身の健康につながるとし、「患者さんのお口の機能不全を改善していきたい」と語る清水院長と清水佐知子副院長に、同院の特徴や歯科医師としての思いを聞いた。
(取材日2022年7月8日)
地域住民との信頼関係を大切に
まずは清水院長が歯科医師をめざされたきっかけを教えてください。

【院長】実は一番初めに歯科医師という仕事を意識したのは小学校の時で、卒業文集に自分は将来歯医者になりたいと書いたくらいです。小さい頃歯科医院に通っていたこともあり、その頃は漠然的に将来は医者になりたいというか、憧れみたいなものがありました。しかしその後、部活動でしていた水泳に夢中になってその夢はすっかり忘れてしまっていました。そのままスポーツ関係の大学に進みたかったのですが、自分のレベルでは無理かなと思った時、小学生の頃の夢を思い出し医学からでもスポーツに関わることができるとわかりました。スポーツ選手にとっても歯は大切です。よく噛んで栄養摂取をしないと体もつくれませんし、歯の噛み合わせは体のバランスにも影響します。そういったことが成績にも反映されるでしょうから、歯科医師をめざすことにしました。
大学卒業後は口腔外科を専門にされていたと伺いました。
【院長】そうですね、がんなどの難病の治療経験もあります。当院でも歯を抜いたり、歯の移植や歯根端切除術など、歯を保存するための外科治療をしています。でも自分自身では口腔外科だけが専門とは思っていないんです。専門は、と聞かれると口の機能不全の改善でしょうか。歯がなくなったら入れ歯やインプラントなどで歯を作って補い、噛み合わせを直していく。噛む力、バランスなどを意識して診療をしています。また、自分自身が長年水泳をやってきた経験とスポーツ歯学の知識を生かし、今はスポーツをされている方に歯科医師としてアドバイスやサポート、啓発もしています。
こちらのクリニックを継承された経緯を教えてください。

【院長】ここは妻の実家なんです。妻は副院長として当院で主に訪問診療と小児歯科に携わっています。結婚した当初は、私は岩手で妻は当院で勤務をしていたので離れて暮らしていたのですが、先代の院長が高齢ということもあり、私が岩手の病院を辞めて2013年にこちらに移住し当院を引き継いで診療をすることになりました。
【副院長】当院は開院から80年以上ずっと地域の方々とのつながりを大切にしてきたため、信頼関係が築けていると感じています。私もそのつながりを大事にしていきながら、今の時代に合わせた歯科医院のやるべきことをしていきたいと思っています。
口の機能不全の改善が全身の健康にもつながる
この地域の患者さんが多いのですね。

【院長】そうですね。先代の頃からずっと何十年も通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。地域柄大人の方、高齢の方が多いですね。通院が難しい方もいらっしゃるので、その場合は妻が訪問して診療をしています。訪問診療の要望はかなりあり、ほぼ毎日行っています。ご自宅だけでなく、最近は施設に伺うことも多くなりました。ただ、歯科というのは治療をして終わりではないんです。口腔ケアをどう続けていただくかが大切です。健康のためも定期的な口腔ケアは絶対に必要です。施設に入居されている方はお一人でそのケアをするのは難しいので、周りのサポートが必要です。ただスタッフの方もお忙しいため、なかなか難しいのが現状です。そこで当院の歯科衛生士が月に2回お伺いし、お口のケアのサポートをしています。
どのような相談が多いのでしょうか。
【院長】以前は虫歯の方の割合が高く虫歯治療がメインでしたが、今は虫歯は減ってきていて、相談としては歯周病の方が多いですね。歯周病は細菌が原因となるのですが、その細菌がもたらす悪影響は口だけにとどまらず、全身に至ります。ですから歯周病をコントロールすることで、全身の健康をコントロールできるという考えで取り組んでいます。特に高齢者の方は誤嚥性肺炎の原因にもなりますので、予防のためにも口腔ケアをしっかりとすることが大切です。きれいなお口で十分に咀嚼をし、ごっくんと飲み込む。それが大切だと思っています。お子さんのお口の発達不全や、年とともに衰えてくるお口の機能不全への対応など、これからも地域の方々の生活を支えていくような診療をしていきたいですね。
予防歯科について、読者に知ってほしいことはありますか?

【院長】当院のモットーは「健口で健康に」です。お口の健康は全身の健康を支えている、という考えから、虫歯などの歯の治療だけでなく予防の意識を大切にしています。身の健康の土台となる歯の健康を守るためにも、予防歯科は重要です。特に子どもや赤ちゃんのうちから予防していくことの重要性を伝えていきたいですね。
【副院長】「子どもを歯医者に通わせるのは歯が生えてから」と考える方も多いですが、授乳や抱っこの仕方、離乳食の食べ方が将来の口の発達に影響するといわれています。さらに、子どもの口の発達には、妊娠中のお母さんの姿勢や体作りも大切なんです。地域の健康教室や保育園などでもお話ししているのですが、こういった子どもや赤ちゃん、妊娠中からの予防が大切であるということを知っていただけるとうれしいです。何か気になることがあれば、気軽にご相談くださいね。
患者のためにできることをこれからも
こちらには歯科技工士さんもいらっしゃるんですね。

【院長】はい。院内で直接患者さんとやりとりしてもらっています。患者さんのお口の中を直接見ながら義歯を作れるので、歯の色や形、噛み合わせの位置などを確認することができます。また白いかぶせ物を作るCAD/CAMの装置も導入しています。お口の中の写真を撮り、それをもとにコンピューターで義歯を作ります。精度がかなり高く、実際にお口の中に入れても隙間がほとんどないものを作れるので、患者さんにとってもメリットが大きいのではないかと思います。
先進の機器を導入されているのですね。
【院長】患者さんのニーズに対応し、治療をより良くできるように設備にこだわっています。CTやCO2レーザー、マイクロスコープなどの新しい機器を導入することで従来の機器ではできなかった治療ができるようになり、患者さんの負担にも配慮した治療をすることが可能になります。例えば、昔は大きく切らなければいけなかったのがレーザーを使うことでほんの少しの傷で済むことも見込めます。マイクロスコープは見えづらかったところが見えるようになり、安定した治療の提供につながります。感染症対策としては、滅菌器を使用したり、歯を削る際にどうしてもエアロゾルが発生するので広げないよう口腔外バキュームを設置したりしています。患者さんにとってどれだけメリットがあるか、還元できるかということを考え設備を充実させるようにしています。
最後にメッセージをお願いいたします。

【副院長】歯科医院は行きたくないところと思われる方や歯が痛くなったら行くという方が多いと思うのですが、他の病気と同じで早期発見、早期治療が大切です。痛くなってからでは遅いので、ちょっと何かおかしいと思ったらすぐ来ていただきたいです。
【院長】できれば何もなくても定期的に通っていただくことが理想だと思います。そうすれば、何か異常があれば早く気づき治療をすることができます。社会人の方は義務化された歯科健診はありません。でも年に1回くらいはお口の中をチェックすることを意識していただきたいですね。それが健康にもつながります。「健口で健康に」という考えをもっと浸透させて、これからも地域の方々の健康をサポートしていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/38万5000円~
セラミックの詰め物・かぶせ物/4万4000円~