佐藤 一夫 院長、菱川 あやめ 先生の独自取材記事
佐藤歯科医院
(岡山市北区/郵便局前駅)
最終更新日:2024/12/17

岡電バスのNTT岡山前停留所から徒歩5分。白い外観にピンクの看板を掲げる「佐藤歯科医院」は、開業から100年の歴史を持つ。同院の歯科医師は、佐藤一夫院長と、娘である菱川あやめ先生の2人。佐藤院長は入れ歯治療を得意とし、「不具合のあった入れ歯は修理をして可能な限りその日のうちに患者に渡す」というモットーがある。これは入れ歯がないと患者が日常生活に支障を来すからという配慮だ。菱川先生は、大学病院で心臓病や糖尿病といった全身管理が必要な患者の歯科治療に携わってきた。現在は非常勤として同院に勤務している。取材中、親子ならではの信頼関係が感じられた。患者がもっと気軽に立ち寄れるようなクリニックをめざしているという2人に、同院の歴史や現在の診療についてたっぷりと話を聞いた。
(取材日2024年10月30日)
地域に根差し、100年続く歯科クリニック
こちらは長い歴史をお持ちのクリニックだと伺いました。

【佐藤院長】そうですね。私の祖父が1923年に開業したクリニックなので、もう100年になりますか。戦禍のため近辺に移転こそあれ、長年岡山市中心部の街中で診療に携わっています。当時の写真が何枚も残っていて、見ていると感慨深い気持ちになりますね。ホームページにも「当院の歴史」として画像を何枚か掲載しているので、見ていただけるとうれしいです。当時の歯科治療の様子も見られます。
いつ頃からこのクリニックを継ごうと思われたのでしょう?
【佐藤院長】明確なきっかけはないですね。子どもの頃から歯科治療・歯科クリニックが身近な存在だったので、自分自身も将来は歯科医師になるものだと考えていました。学校の歯科検診で父親が来たときに、先生や友人から「お父さんすごいね」「かっこいいね」と言われた時はうれしかったですね。
【菱川先生】私も院長と同じです。私からすると祖父、院長からすると父である2代目の自宅がクリニックの奥にあったので、遊びに行くたびに診療室でいろいろと見ていました。祖父にあれこれ教えてもらいながら診療室で過ごすのは、楽しかったですね。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

【佐藤院長】親子3代で通ってくれる患者さんもいらっしゃいますよ。90代の方も通院されていますし、1歳ぐらいのお子さんもいらっしゃいます。ここはオフィス街に近いので、働いている年代の方が多く、またこの地域の企業さんからご要望を受け、企業検診に出向くこともあります。最近はこのエリアにマンションも増えてきて、若いファミリー層も来院されるようになりました。
【菱川先生】人に会う時の印象を大切にされる方も多いので、最近はマスクを外すようになったこともあって、ホワイトニングの相談も増えてきました。治療中の患者さんからホワイトニングについて聞かれることもありますし、ホワイトニングを目的に新規で来院される方もいらっしゃいます。
患者の意見を尊重し、話に耳を傾ける
診療する上で、心がけていることはありますか?

【佐藤院長】患者さんの意見を尊重するようにしています。威圧感(笑)のないよう、患者さんが話しやすい雰囲気をつくることに気をつけていますね。初めて来られる患者さんは緊張している方も多いですから。それから幅広く、患者さんに合った治療が提供できるように尽力しています。例えば歯石を取るにしても、方法は数多くあるんです。その中から患者さんに合う方法を探して、提供していけたらと思っています。
【菱川先生】私もそうですね。患者さんの話は否定せずに聞くようにしています。歯の痛みで受診されているのであれば、痛くなった経緯をよく聞いて、何が原因かを突き止めていくんです。治療して終わりではなく、どうすれば再発せずに済むのか、患者さんと一緒に考えていきます。
菱川先生の診察を希望される方も多いですか?
【佐藤院長】この辺りの地域は、女性の歯科医師が少ないので、女性の歯科医師を希望される方も少なくないです。特にお子さんや女性の方は、あやめ先生の診察希望が多いですね。あやめ先生を希望される場合は、その旨を電話でお伝えいただけるとスムーズだと思います。
【菱川先生】現在月曜・土曜と週に2日の勤務なので、ご要望にお応えすることが難しい場合もあります。心苦しいのですが、ご希望の患者さんには指定の曜日・日にちでのご来院をお願いしています。
得意な治療などはありますか?

【佐藤院長】補綴科で学位を取ったので、入れ歯は得意ですね。ほかのクリニックで作った入れ歯がしっくりこなくて当院を頼ってくださる方も少なくありません。入れ歯の修理については、可能な限り、その日のうちにお渡しできるようにしているんです。入れ歯は1日ないだけでも日常生活に支障が出ますからね。
【菱川先生】設備的な問題で難しい場合もありますが、私は総合病院の中にある歯科で勤務した経験があるので、そのスキルは生かしていきたいですね。心臓病や糖尿病、抗がん剤治療中の方など全身管理が必要な患者さんの歯科治療を学んできました。飲んでいる薬との兼ね合いもあるので、健康な人と同じ歯科治療は難しい場合もあります。何かお力になれると思うので、病気や薬が理由で歯の治療を断られた方は、一度ご相談ください。
親子で診療。気軽に立ち寄れるクリニックをめざして
親子で診療されていらっしゃいますが、お互いの印象について教えてください。

【佐藤院長】あやめ先生は患者さんへの説明がとても丁寧なんです。説明する時の言葉選びや雰囲気づくり、患者さんとの視線の合わせ方など、多くを学ばせてもらっています。頼りにしています。
【菱川先生】院長は、顔はこわもてですが(笑)、患者さんに接する姿勢は優しいですし、何より患者さんのことを第一に考えて治療しているのが伝わってきます。院長は言葉ではなく背中で語るタイプなので、院長の診療時は後ろや横目で見て勉強させてもらっていますね。院長から「後を継いでほしい」と言われたことは一度もないんですが、このクリニックは私の中で一番身近な存在なので、自然とここで働こうと思いました。
ご多忙な日々の中、どのようにしてリフレッシュされていますか?
【佐藤院長】いろいろしています。音楽好きなので週替わりで流す院内の自作のBGMの選曲と曲探しに時間を費やしています。加えて、読書、映画鑑賞、美術鑑賞などで逆に多忙になっていますね(笑)。歯科医師は首と腰を痛めやすいので、ジム通いとパーソナルトレーニングもしていますね。それからブログも続けています。ブログは当院のホームページからも見られるので、ぜひともご覧ください(笑)。
【菱川先生】最近はホットヨガとピラティスを始めました。歯科治療はどうしても前かがみになるので、姿勢が悪くなりやすいんですよね。まずは体幹を鍛えようと思って。あとは休みの日には旅行に行ったりもします。
今後の展望をお聞かせください。

【菱川先生】持病があって薬を飲んでいるために一般的な歯科治療が難しい方など、さまざまな人の力になりたいですね。お口で気になることがある方はもちろん、何もなくてもメンテナンスやブラッシング指導は受けられますので、気軽にお越しください。現在の歯科治療は、悪いところを治して終わりではなく、定期的なメンテナンスやクリーニングを継続することで、虫歯や歯周病の再発・発生予防を重視しています。特に40代以上の8割は歯周病だといわれているので、治療と同時に予防にも力を入れていきたいですね。お子さんのフッ素塗布についても積極的に行っています。
【佐藤院長】老舗の味を大事に守りつつ、時代に合った新しいメニューも取り入れて老若男女誰もが気軽に立ち寄れる町中華のような歯科クリニックが理想ですね。当院で難しいことは大きな病院にご紹介しますので、歯科治療の入り口として使ってもらえたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはオフィスホワイトニング/1本3300円~、ホームホワイトニング/2万2000円~(税込) ※キャンペーンなどで価格が変更となる時期もありますので、詳細は医院までお問い合わせください。