山本 忠浩 院長の独自取材記事
山本歯科医院
(岡山市北区/岡山駅)
最終更新日:2025/06/12

岡山市内にある「山本歯科医院」は、長い歴史を持つクリニック。現在院長を務める山本忠浩先生の祖父が開業し、その後、父から息子へと3代にわたって継承されている。一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科、矯正歯科と診察内容も幅広く、地域住民の口腔内の健康を長きにわたり守り続けている。前院長が大事にしていた「患者に安心してもらえる治療」というモットーを受け継ぎながら、日進月歩の勢いで進化していく歯科医療についての研鑽も続けているという山本院長。特に歯周病治療やインプラント治療、矯正治療といった分野の勉強会やセミナーには積極的に参加している。専門分野は口腔外科で、埋伏歯など難しい親知らずの抜歯なども得意だ。「今後も末永く地域の方々の役に立ちたい」という山本院長に、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年5月12日)
口腔内全体をサポートする診療をめざすクリニック
こちらのクリニックには長い歴史があるそうですね。

当院は、私の祖父が大正末期に現在の北区学南町に開設したのが始まりです。昭和初期に北区奉還町に移転したのですが、私の父が2代目を継承して1978年に現在の地に落ち着きました。私は大学時代から、いずれは岡山に帰ってクリニックを継承しようと思っていましたので、卒業後は都内の大学病院の口腔外科学教室を経て、また他の都内の病院やクリニックで5年間ほど勤務して一通りの技術を身につけた後、1991年から当院での勤務を始めました。こちらに帰ってきてからの約15年間は前院長とともに診療にあたり、2005年に3代目として院長に就任しました。
どんな患者さんがいらっしゃいますか?
長年地域の皆さんのお口の健康に寄与してきたこともあり、患者さんの年齢層は全体的に高めですね。中には、親子3代にわたって通院してくださる方や家族ぐるみでいらしてくださる患者さんもいらっしゃいますし、これまでの患者さんの紹介でいらっしゃる方も多いですね。またインターネットのクチコミを見て、県外や県北などの遠方から来院される患者さんもいらっしゃいます。患者さんの主訴や治療内容では、やはり虫歯や歯周病が中心でしょうか。この近隣には高齢の方が多いため、義歯の治療を希望される方も増えてきています。
診療方針を教えてください。

前院長は常に「患者さんに安心していただける診療」を心がけていました。この方針は私の代になっても変わっていません。歯科の分野は日進月歩の勢いで進化していますので、治療内容については前院長と異なる面はありますが、「悪くなった歯だけを治しても根本的治療にならない」という考え方も同じです。ですから同院では、歯だけではなく歯肉、舌、頬、物を噛む際の左右バランスなど、口腔内全体を包括的に診ていくことをモットーとしています。例えば虫歯があるとしたら、なぜそのような問題が起こったのかということをお口全体や患者さんの生活習慣などから診断しなければ、同じことの繰り返しになってしまうからです。このように問題点をすべて明らかにした上で、患者さんにとって適切な治療計画を立てていきます。
難症例の抜歯や噛み合わせの調整に注力
こちらではどのような診療が受けられますか?

当院では虫歯や歯周病などの一般歯科を中心に、口腔や顎、顔面とその周囲の疾患を診る歯科口腔外科、インプラント治療、小児歯科、お子さんから成人まで対応可能な矯正歯科の他、ホワイトニングやレーザー治療も行っています。虫歯などで痛みが強く出ているなど緊急の場合は、患部の処置を優先しますが、そうでない場合は初診時に口腔内のエックス線撮影、歯肉や噛み合わせのチェック、個々の歯のチェックを行い、患者さんの抱える問題点を一度すべて洗い出していきます。それらの結果は、次回来院の際に写真などをお見せしながらわかりやすい言葉でしっかり伝え、患者さんにご納得いただける治療計画を立てていきます。
診療の中でも特に得意とする診療分野はありますか?
口腔外科を専門にしていた時期があるので、外科系は得意です。親知らずや埋伏歯の抜歯が代表的な症例ですね。また矯正やインプラント、歯周病などについては現在もこまめにセミナーや勉強会に出席して新しい知識を得ているので、先端の治療を提供することができます。矯正に関しては、通常のワイヤー矯正の他にプレートを用いた矯正も行っています。こちらは、4歳~10歳くらいまでのお子さんが対象で、例えば上下の顎の大きさが異なっているために噛み合わせが悪くなっているなど、ワイヤー矯正に向かない場合にお勧めしています。さらに歯周病治療の一環として中年以降の方の歯列矯正も行っています。また顎関節症の治療にも以前から取り組んでいるので、虫歯を1本治療する際にも噛み合わせを重視しますし、義歯を作製する際も顎の位置がずれないようにと考えています。
こちらには歯科技工士さんが常勤していると聞きました。

義歯やかぶせ物の作製を院外に発注するクリニックが多いと思いますが、当院では前院長の代から院内に常駐していただいています。理由は、外注よりも早く患者さんに届けることができるということと、細部に至る注文や変更がしやすいからです。しっかりと型採りをしても、いざ装着するとしっくりこない部分などが出てくることがあります。外注の場合、そうした細かいニュアンスが伝わりづらいのですが、院内に歯科技工士が常駐していれば噛み合わせや硬さなども直接指示ができるので、より患者さんに合う物を作製できると思います。また、お口にぴったり合った義歯やかぶせ物を装着することで汚れがたまりにくくなると同時に、歯磨きなどのメンテナンスもしやすくなります。患者さんのお口の健康を考えると、やはり歯科技工士の常勤は必須だと思います。
地域住民に寄り添う治療を提供し続けたい
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

祖父も父も歯科医師でしたし、親類にも何人か歯科医師がいたので、私も自然な流れで同じ道をめざすようになっていましたね。他の職業に就くことは考えたことがありませんでした。東京から帰郷後、前院長だった父のもとで15年間ほど勤務医という立場で診療をしていましたが、常に患者さんに対する思いを語ってくれていたことが現在も非常に役立っています。治療についても、新しいことを自由にやらせてもらえたことにとても感謝しているんです。
こちらでは患者さんへの発信にも注力されているそうですね。
お口の健康を保つためには、やはり定期検診が重要です。当院では、来院していただいた際に患者さんにはがきを渡し、ご自身で住所を書き込んでいただいたものを定期検診の時期が近づいた頃に郵送するようにしています。これは私のアイデアで始めたことですが、ご自身の筆跡ですとより目に留まりやすいと考え、電話やメールではなく、あえてはがきという手段を選びました。またこの地域には、地域冊子があるのですが、1年に2回ほどコラムを掲載して歯科の大切さを地域の方へ発信することも行っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院では、虫歯治療からインプラント、矯正まで、歯科としてできることはすべて提供できる体勢を整え、これまで培ってきた技術を生かした質の良い治療を心がけています。お口の中のことで悩んでいることがあれば、どんな些細なことでも気軽に相談にいらしてください。また、これといった症状がなくても、定期的に検診を受けることで口腔内の健康寿命を保つことができますので、ぜひ心がけていただきたいと思っています。これからも地域密着型のクリニックとして、地元の方々に寄り添う存在になれるように努めていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/25万3000円~、全顎矯正/33万円~、部分矯正/5万5000円~、プレートを用いた矯正/5万5000円~、ホワイトニング/3万8500円~ ※すべて税込み