森野 茂 院長の独自取材記事
森野歯科医院
(広島市中区/白島駅)
最終更新日:2022/02/18

広島市中区の住宅街にたたずむ「森野歯科医院」。グリーンの大きな看板がひときわ目をひくこちらの建物は、森野茂院長の地元でもあり、開業から36年の実績を誇る。2015年にはJR山陽本線とアストラムラインの接続駅「新白鳥駅」が開業し、徒歩3分という好アクセスから、近隣はもとより今では広島市外からも多くの人が訪れるように。診療内容は一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科。診察ではしっかりと検査を行った上で、患者の経済的な負担にも配慮した複数の治療プランを提案するようにしているという。取材を通じて見えてきたのは、森野院長の笑顔そのままの穏やかな人となりだ。開業から現在に至るまでの思いや、健康の秘訣などを語ってもらった。
(取材日2021年12月13日)
好アクセスで通いやすさもポイントに
開業された当時について教えてください。

もともと自宅のあったこの地に3階建てのビルを建て、1階を歯科医院にしました。1985年のことです。かなり年月がたってしまいましたが、当時はモダンな建物だったんですよ(笑)。外観は「今風にお願いします」と、設計士の方にお願いしたことを覚えています。内装については診察の際、患者さんにリラックスしていただけるよう、大きな窓に面して診療ユニットをゆったりと配置し、採光にもこだわりました。また衛生面から床に敷いたじゅうたんをフローリングにしたり、壁紙を張り替えたりはしましたが、これまで大きなリフォームはなく現在に至っています。数年前には患者さんからの要望で、手すりを設置しました。院内がこうしてカスタマイズされていくのは、実にいいですね。多くの方々にとても喜んでいただきましたから。
地元で40年近いキャリアをお持ちなんですね。開業から振り返っていかがですか?
やはり大きく影響したのは、JR線とアストラムラインが乗り入れる「新白鳥駅」が開業したことでしょうか。近隣にお住まいの方はもちろんですが、廿日市市や東広島市など、患者さんの居住エリアがとても広がりました。この2つの路線の乗り換えで、通勤や通学の途中に立ち寄りやすくなった、というのが主な理由でしょうね。症状にもよりますが、治療にあたってはどうしても回数を重ねて通っていただくこともあります。ですので、立地の良さはポイントかもしれません。逆にご近所から遠方へと引っ越しをされてしまった患者さんの中には、来院を続けてくださる方もいます。「歯医者は慣れたところじゃないと」とわざわざ足を運んでくださり、本当にありがたいと思っています。
患者の年齢層や特徴は?

当院の診療内容は一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科です。そのため訪れる患者さんは、小さなお子さんから高齢の方まで、とても幅広いですよ。半数近くは虫歯の治療で、次いで歯周病、あとは義歯その他といったところです。親子2世代でいらっしゃる患者さんもいますし、歯石除去や定期検診で来られたりとさまざまです。年齢に関わらず、怖がりな患者さんもいらっしゃるので、私を含めてスタッフみんなで優しくお声がけするように普段から気をつけています。長年治療にあたっていると、患者さんが緊張されているのがすぐにわかります。そんな時は態度で示すだけでなく、「大丈夫ですよ」と言葉をかけて安心していただくことが大切です。そこが腕の見せどころといいますか、不安を取り除くことも私たちの仕事の一環といえるかもしれません。
患者に寄り添った治療プランを提案
コミュニケーションを重視されているそうですね。

初診では歯や歯茎だけでなく、口内全体の状態を検査して、複数の治療プランとそれにかかる期間なども提案するようにしています。その際、患者さんから詳しくヒアリングもしますし、様子をうかがいながら丁寧に説明するよう心がけています。理解していただけたとわかるまで、何度もです。気になるところをすべて治してほしい、といった方はもちろんですが、まれに虫歯で痛む歯だけ治療してもらえれば、という患者さんもいらっしゃいます。その場合でも、お口の中全体の状態について説明しますし、治療方法の提案もさせていただいています。また、自宅でもご自身でケアが続けられるよう、症状に合わせてそれぞれアドバイスをさせていただくこともあります。
具体的にはどういったことですか?
歯磨き一つとっても、皆さん歯並びも違いますし癖だってありますよね。大切なのは歯の表面だけでなく、歯と歯の間や歯茎との境目を意識して磨くこと。歯間ブラシの併用もいいですね。基本的なことですが、毎日の積み重ねだからこそ、おろそかになってはいけないと思うんです。例えば、歯茎が痩せてしまった患者さんには、磨き残しがないようアドバイスすることもありますし、就寝中の歯ぎしりやスポーツ選手で歯の食いしばりが見られる方にはマウスピースを、着色汚れが気になる場合はホワイトニングを、とそれぞれの悩みに合わせて症状の改善が期待できるよう、ご提案させていただくこともあります。口腔ケアを通じて、患者さんの日常生活がより健全でポジティブなものになるよう、歯科医師の立場からサポートできればと思っています。
子どもの受診に関してアドバイスなどはありますか?

そうですね。小児歯科の対象となるのは、乳歯が生えてくる頃から永久歯に生え替わる頃までと捉え、矯正歯科や一般歯科との関連を重視した上で治療にあたるようにしています。実は乳歯が虫歯になると、歯の痛みがあったり抜けてしまったりして食べ物がよく噛めず、歯並びに悪い影響を及ぼすことがあります。また、永久歯も虫歯になりやすくなってしまうため、親御さんにはすぐに生え替わるからといって放置せず、早めに受診するよう呼びかけています。いずれにしましても、丈夫で健康な歯をキープするには、幼い頃から歯科医院に慣れ親しんでいただくのが一番です。当院では、治療を頑張ったお子さんにちょっとしたおもちゃをプレゼントしています。ここへ来ると楽しいことがあると思ってもらえればうれしいですね。
一生ものとなる健康な歯をめざして
先生はなぜ歯科医師になられたのですか。

進路を意識し始めたのは、高校生の頃でしょうか。理系の科目が得意だったこともあり、医師や歯科医師など漠然とですが、医療の道へ進めたらいいなと思っていました。決め手となったのは「歯医者さんはいい仕事だよ」という祖父の一言です。正直なところ、私はあまり口もうまくなく、いわゆるサラリーマンというのは自分でも想像できませんでした。逆にこれは少し自慢なのですが、手先が器用だったため、じゃあ歯科医師をめざそうと(笑)。親族に医療従事者がいたというわけではありませんでしたが、子どもの頃よく虫歯になり歯科医院に通っていました。幼いながら人の役に立つ仕事を肌で感じましたし、憧れでもありました。そこで日本大学歯学部へと進学したのです。
長年、歯科医師を続けてこられた秘訣などあれば教えてください。
治療中はどうしても前屈みになり、姿勢も悪くなるし目も酷使します。歯科医師という仕事は、体力的にもなかなか大変なんです。年齢とともに疲れやすくなりますしね。開業医なので定年は自分で決められますが、一つの目安としては猫背になってしまったり、足がふらつくようになってしまったりと見た目や体力に衰えを感じたら、潔く辞めようと思っています。現在はまだ大丈夫ですが、それなりに努力はしていますよ。以前は休日にゴルフを楽しんでいました。最近は夕食後に毎日ジムに通って、筋トレやウォーキングなど体を動かすことを日課にしています。サウナとお風呂だけという日もありますが、それだけでもリフレッシュして疲れも癒やされます。ヨガもリラックスできていいですね。
最後に読者へメッセージをお願いします。

歯の健康は、口内だけでなく全身に大きく影響することがわかっています。皆さんには少しでも長く、そして1本でも多くの歯を残せるよう、ぜひ「8020」をめざしていただきたいです。そのためにはご自身でやるべきことと、私たちプロのサポートが必要となってきます。具体的には、食後の歯磨きはもちろんのこと、定期的に歯科医院を訪れて歯石除去や1年に1、2回の歯科検診を受けてください。それが歯を健康に保つための秘訣です。また歯ブラシの選び方や磨き方など、毎日の習慣を今一度見直していただくのもいいかもしれません。今さら恥ずかしいと遠慮なさらず、少しでも疑問があれば丁寧にお教えいたしますので、何でも聞いてほしいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/1万6500円(税込)、スポーツ時に用いるマウスピース/1万6500円(税込)