森田 行雄 院長、森田 小野花 先生の独自取材記事
森田歯科医院
(広島市中区/比治山橋駅)
最終更新日:2022/12/19

「森田歯科医院」は広島市で100年以上続く歴史ある歯科医院で、院長の森田行雄先生は3代目。娘で4代目の森田小野花先生とともに診療にあたっている。10年前に創業の地から、広島市中区の大型商業施設、フジグラン広島の4階に移転した。バス停に近く広い駐車場も備え、移転前からの患者も初めての患者も通院しやすいロケーションだ。クリニックは洋館風の外観に、院内の内装はベージュとブラウンの色調で落ち着いた雰囲気。歯科、矯正歯科を標榜し、予防歯科や歯周病検診にも取り組み、地域の口の健康を守っている。また、自由診療のホワイトニングや審美歯科診療にも対応する。気さくな森田院長と、優しく丁寧に説明してくれる小野花先生に、診療方針や、近年相談の多い治療について聞いた。
(取材日2022年9月29日)
4代にわたり地域で信頼されてきた歴史ある歯科医院
歴史ある歯科医院だそうですね。院長で何代目になるのですか。

【森田院長】祖父も父も、この近所の鶴見町で開業していました。私は3代目で、今、一緒に診療している娘が4代目になります。創業何年目かは確かめたことがないのですが、祖父は大正時代から開業していたと聞いていますから100年を超えているはずです。代々、日本歯科大学卒業で、父の弟、つまり私の叔父も日本歯科大学で学んだ歯科医師という環境でしたから、私は子どもの頃から歯科医院を継ぐものだと思っていました。高校生くらいになると、治療以外のことを手伝ったり、銀歯を作る道具と材料をいじって、工作のようなことをして遊んだりしていたんですよ(笑)。その後、1980年に歯科医師になり、東京や神奈川の歯科医院に6年間勤務して経験を積み、実家の歯科医院に戻ってきました。
現在の商業施設内に移転されたのはいつ頃、どんなきっかけからでしたか。
【森田院長】10年ほど前、この商業施設がリニューアルオープンすることになり、4階がクリニックやスポーツジムなど健康関連のフロアになるということを聞いたので、それは良いことだと思い、移転を決めました。ここはバスでのアクセスが便利ですし、大きな商業施設ですから駐車場も広いです。患者さんが家族で買い物をされる際に、気軽に歯科診療や歯科検診を受けられる、身近な歯科医院になれたらいいなと思いました。また、この医院の外装や内装は私の家内が決めました。家内も日本歯科大学を卒業した歯科医師で、週に何日かここで診療をしているんです。患者さんに安心して過ごしてもらえるように、明るく居心地の良い雰囲気になったと思います。
こちらに移転されるにあたり、新しい医療機器や設備を導入されたのですか。

【森田院長】そうですね。歯科医療の技術や機器は日々、進化していますから新しいものを積極的に導入しています。一緒に診療している娘は、マイクロスコープという、患部を拡大できる機器を使う治療が得意で活用しています。かつては麻酔の注射針が太く、痛みを感じる患者さんがいたかもしれません。今は細い注射針ができて痛みが軽減され、麻酔も早く作用するものが開発されています。昔は歯科医院といえば、痛いことをされる、怖い場所というイメージがありました。お子さんが言うことを聞かない時に「わがままを言うと歯医者さんに連れていくよ」と叱る親御さんがいたほどです(笑)。けれども今の歯科治療は、治療中の痛みを極力抑えて、歯を削るのも最低限にとどめるようになってきています。怖がらないで、痛みや違和感がある方は早めに受診していただきたいですね。
歯科用マイクロスコープを活用し、適切な治療をめざす
主な患者層や、どんな症状で受診される方が多いのかを伺いたいです。

【森田院長】移転前から診察していた患者さんが、引き続き通院されているケースも多いので、私は主にそういう患者さんを担当しています。治療歴を把握しているので患者さんも安心してくれますからね。昔は虫歯の治療で通院されていた方が、年齢を重ねて歯周病や義歯の相談に来院されるようになりました。歯科治療はライフステージによって内容も変わっていきますから、患者さんとは長いお付き合いになるんです。初めて来院される若い患者さんやお子さんは、娘が担当することが多いですね。
お嬢さんの小野花先生は、日本歯科大学を卒業後、母校の付属病院で研鑽を積まれたのですね。
【小野花先生】はい。10年間、勤務しました。大学病院では難症例の診察や手術に携わる機会がありますので、父の診療所に入る前に経験しておきたいと考えていたのです。大学病院を受診される、難しい症状で手術が必要な患者さんには、治療方針の説明から治療まで時間をかけて向き合ってきました。当院でも、患者さんが納得して治療に取り組めるようなコミュニケーションを心がけています。症状によっては保険外診療についても、費用も含めて提案し、選択の幅を広げて、患者さんにとって納得のいく治療を選んでもらえるようにしたいです。
こちらで受けられる保険外の診療は、どんなものがありますか。
【小野花先生】ホワイトニングに対応しています。また、最近、患者さんの相談が増えているのは、以前の虫歯治療でセットした金属の詰め物やかぶせ物を白い材料に替える治療です。金属の詰め物やかぶせ物はセメントと呼ばれる歯科用の接着剤で固定しているのですが、このセメントが年数とともに劣化して、そこから虫歯になるケースがあります。白い材料の詰め物やかぶせ物はセメントを使わずに接着できるので、見た目が自然というだけでなく、虫歯の再発が少ないメリットもあるんです。関心のある方は相談していただきたいです。
小野花先生はマイクロスコープを積極的に活用されるそうですね。

【小野花先生】はい。細かいところまで行き届いた治療を行うために、患部を30倍まで拡大して診ることができるマイクロスコープを活用しています。また、拡大画像を撮影して、患者さんに患部や治療の過程を見てもらえるんですよ。エックス線では患者さんにわかりづらい症状についても説明しやすく、治療に納得していただけるというメリットがあります。
虫歯治療の完了後も、定期検診で歯の健康を見守りたい
4代続く歯科医院ですから長い付き合いの患者さんもいらっしゃるでしょうね。

【森田院長】そうですね。最初は父の頃に通っていた患者さんが、今も通っているケースもありますし、私が初めて診察した時はお子さんだった患者さんが親になって、お子さんを連れて来られる場合もあります。祖父や父が、そういう方たちとの信頼関係を大切にしてきたから、この地域の歯科医院として頼りにされていたのだと思います。私も、娘と一緒に診療するようになり安心していますが、これまで診てきた患者さんへの責任があります。私自身が健康に気をつけて、患者さんの不調や不安によく耳を傾けながら、皆さんの悩みを解決していきたいと思っています。
お忙しいと思いますが、趣味やリフレッシュを楽しんでいらっしゃいますか。
【森田院長】私は子どもの頃から天体観測が好きで、今もよく望遠鏡で夜空を見ています。土星の環や月のクレーターが見えるのは楽しいですね。夜に楽しむ趣味なので寝不足にならないように気をつけないといけませんが(笑)。
【小野花先生】私は5匹の猫に癒やされています。猫たちの服を手作りするのも楽しくて、よくミシンがけをしています。それからレジンという樹脂を使ってアクセサリーを作るのも好きですね。レジンはネイルにも使う素材ですが、私は歯科治療をするのでネイルができない代わりにアクセサリー作りを楽しんでいます。あとは映画やミュージカルを見るのも好きですね。
今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

【森田院長】虫歯の痛みや歯周病による不調を我慢するのは、とても煩わしく、日常生活の質を低下させます。ですから歯の健康を保つことは、健康で快適な暮らしを維持するために重要な営みですし、虫歯や歯周病を未然に防ぐこともとても大切です。そのために虫歯治療が完了した後も、メンテナンスや口腔ケアのために気軽に来院していただきたいです。
【小野花先生】虫歯治療は、わかりやすく言えば「歯の傷」をふさぐことですが、年数を経るとふさいでいた処置がずれたり破損したりすることがあります。そこから虫歯が再発していることに気づかず、放置していると前回の治療以上の時間と費用がかかるケースもあります。そのため虫歯治療は、再発を防ぐための定期的な検診が大切です。前回他の歯科医院で治療されたという場合でも遠慮なく受診してくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング(片顎)/3万3000円~ クラウンブリッジジルコニアグラデーションつき/9万9000円 グラデーションなし/9万3500円 詰め物/3万3000円~、かぶせ物/9万3500円~ 矯正歯科/20万円~