津島 隆司 院長、津島 孝昭 副院長の独自取材記事
津島歯科クリニック
(広島市中区/十日市町駅)
最終更新日:2024/05/27

広島市中区広瀬町、周囲にはマンションなどが立ち並ぶ一角にある「津島歯科クリニック」。津島隆司院長が息子の津島孝昭副院長と共に診療を行い、4代にわたって地域の患者の健康を守っている。長い歴史を持つ同院は、10年ほど前に改装。バリアフリー設計の院内は段差がなく、通路も広いため、車いすやベビーカーも、そのまま診療スペースに入ることができる。また、授乳やオムツ替えができるスペースやパウダールームも設けるなど、隅々まで心配りが行き届いている。診療の理念は、しっかりとした説明を行い、幅広い治療の選択肢を提示すること。インフォームドコンセントを大切にする二人に話を聞いた。
(取材日2023年11月29日)
めざすのは「自分が行きたくなるクリニック」
先代の院長の頃に移転されてきたそうで、こちらでの歴史も長いですね。

【隆司院長】先々代が寺町で開業していたのですが戦争で亡くなり、戦後に父がここ広瀬町で開業しました。クリニック名は当時から変わっていません。父の代から今でも来られている患者さんもいらっしゃいます。
【孝昭副院長】昔から来られている患者さんもそうですが、周囲にはオフィスが多いので、20代から50代の患者さんが多い印象です、最終受付が18時なので、終業後でも間に合うとおっしゃっていただけます。
どのような症状をお持ちの患者さんが多いのでしょうか?
【隆司院長】一番多いのは虫歯です。最近では歯周病などで来院される方も増えてきました。当院は矯正や口腔外科、ホワイトニングなどの診療も行いますので主訴もさまざまですが、昔に比べて口腔内環境に対して高い意識を持った患者さんが多いように感じます。
【孝昭副院長】患者さんは周辺地域にお住まいの方が多いので、当院からも口腔環境への意識を持ってもらえるような発信を引き続き心がけ、歯の健康への関心をエリア全体で高めていければと考えています。今、歯科では虫歯や歯周病の「予防」がとても大切だと言われており、それが少しずつ患者さんにも浸透してきているようです。これからはさらに「予防」を徹底し、「管理」できるようにし、地域の方々の健康増進に参与できたらと思います。
診療の際に気をつけていることや心がけていることをお聞かせください。

【孝昭副院長】今の歯科は、「痛くなったらまた来てね」という時代ではなく、虫歯や歯周病の予防のためにも定期的に通っていただく時代だと思います。しかし歯科というとどうしても通うのが億劫になりがちですので、継続して通院していただけるように、まずは「自分が患者さんだった時に行きたくなるクリニックにしよう」というつもりで、最初のあいさつはもちろんのこと、説明、診療など一つ一つのコミュニケーションから丁寧に行うようにしています。何をされるかわからず不安になられる方もいらっしゃると思いますので、「椅子が倒れます」「お水が出ます」など一動作ごとに一声掛けることも心がけています。
【隆司院長】治療は長く続く場合も多いので、前向きに取り組んでもらうためにインフォームドコンセントを徹底し、患者さんの不安を取り除くことを心がけています。
信頼関係を築き、患者の負担が少ない治療に努める
貴院ならではの治療を教えてください。

【孝昭副院長】当院では3D口腔内スキャナーを導入しております。高性能で、矯正をした場合のシミュレーションができるので、治療後の歯並びの予測をその場で確認することができます。また虫歯などでかぶせ物を作る時の歯型をデジタルで取ったり、歯の汚れや歯石なども確認できますので、歯磨き指導の際にも使えます。このスキャナーは比較的短時間でできるので、患者さんにとっては負担が少なく、口腔内の状態をさまざまな角度から診ることができるものとして重宝しています。
【隆司院長】長年治療を行っている中で、入れ歯の治療に関しては大学院時代から研鑽を積んでいるので、特に力を入れています。保険の入れ歯ももちろんですが、見た目がわかりにくいノンクラスプのものや違和感が少ない金属を使用した物など、さまざまな種類の入れ歯を取り扱っております。
お二人が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
【隆司院長】両親がともに歯科医師でしたので、幼い頃からその後ろ姿を見て育ち、自分も自然に歯科医師の道へ進みました。大学病院などで経験を積み、当院を継いだのは1985年のことで、もう40年になりますね。
【孝昭副院長】もともと文系で映画監督をめざしていました。ただ受験の際に進路について悩んだ時期があり、地域医療に注力している父の背中を見て一念発起して勉強し直し、歯学部へ進みました。大学卒業後はご縁があり安佐南区にある歯科医院で5年ほど研鑽を積み、歯科医師としてのいろはを1から学びました。その後2023年4月に当院で働き始めました。
患者さんとの印象深いエピソードはありますか?

【孝昭副院長】働き始めた頃、チェアに座っただけで患者さんに「えっ」という顔をされ、院長と交代したことがありました。後に、私のことが嫌いとかではなく院長に診察してほしかったからだ、と知ったのですが、それだけ院長に見てもらうという患者さんの安心感であったり、信頼関係はとても大事だということを気づかされた出来事でした。その時はショックでしたが、いずれは自分も院長のように患者さんに慕われ、安心される存在になりたいと思い、診療だけでなく、一つ一つの接遇にも気を配りながら診療を行うようにしています。最近では患者さんに感謝されることも増え、やりがいも感じています。
【隆司院長】信頼関係を結ぶには時間も必要です。私も昔似たような経験がありますが、真摯に丁寧に診療をすることで、患者さんが何世代にもわたって通っていただけることを思いながら、日々診療をしています。今後もその気持ちを大事にしていきたいですね。
「痛い・怖い」というイメージをなくすために
スタッフさんにとっても働きやすい環境づくりをされていますね。

【隆司院長】スタッフにこれからも長く働いてもらえるよう、さまざまな取り組みを行っています。ネット予約を取り入れて事務負担を軽減したり、プライベートも充実したものになるように完全週休2日制にしました。
【孝昭副院長】一体感のある職場にしたいので、業務上の情報共有を徹底するのはもちろん、コミュニケーションをしっかりとりながら日頃の悩みなどを気軽に話してもらえるようにしています。定期的に面談も行い、何かあればその都度相談できる環境づくりを心がけています。最近はスタッフからも「働きやすい」という感想をもらうことがあり、少しずつ成果が出ているのかなと思います。
今後の展望を教えてください。
【孝昭副院長】お子さんでは機能的矯正装置(マウスピース型装置)を、成人ではインプラントを導入します。これまでの治療方法に加え、さらに選択肢が増えることで、幅広い層の患者さんにより良い治療を提供できるようになります。また歯周病治療にも精通していますので、その知識を生かし患者さん一人ひとりの歯周病のケアをさらに徹底したいと思います。もちろん自分自身のスキルもさらに磨き、患者さんそれぞれに合う治療をより高いレベルで提供できるよう、精進したいと思っています。
【隆司院長】歯の治療=不安という患者さんはまだまだ多いです。まずはそれを取り除くために、表情一つ一つから気を配り、治療前のカウンセリングを丁寧に行い、痛みに配慮した治療をしていき、イメージを払拭できたらと思います。
最後に読者にメッセージをお願いします。

【隆司院長】昨今、歯科については治療から予防へと重要性がシフトしてきました。80歳までに20本の歯を残す取り組みは、今や半数以上の方が達成しているといわれ、それだけ皆さんの歯への意識が高まっています。入れ歯になった患者さんからよく聞くのは「若い頃から気をつけていれば良かった」という言葉です。いつまでもご自身の歯で、おいしいものをしっかり噛んで味わって食べることができるように、ぜひご来院いただき、予防していただければと思います。
【孝昭副院長】「和を以て貴しとなす」は、私の好きな言葉です。患者さんはもちろん、スタッフともしっかりコミュニケーションをとって、信頼関係を築いていきたいと思います。医療は決して1人でできるものではありません。患者さん・スタッフと一体となって医療に向き合えたらと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/50万5000円~、インプラント治療/35万~、金属を使わない入れ歯/11万円~、違和感が少ないように金属を使用した入れ歯/22万円~、セラミック/6万6000円~、ホワイトニング/2万2000円~