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丸山 達志 院長の独自取材記事

玉川診療所

(世田谷区/九品仏駅)

最終更新日:2025/06/11

丸山達志院長 玉川診療所 main

東急大井町線の九品仏駅から徒歩2分、閑静な住宅街が広がる奥沢エリアに「玉川診療所」がある。院長を務めるのは、奥沢で生まれ育ち、少年時代は地元で草野球を楽しんでいたという丸山達志先生。東京慈恵会医科大学で消化器を専門に学び、勤務医時代から内視鏡の経験を数多く積んできた。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医として、今も同院で内視鏡検査に力を入れている。多くの人が苦手意識を持っていることを十分理解し、苦痛の少ない内視鏡検査を心がける。患者の話にじっくり耳を傾け、先入観を排除して診察にあたることをモットーとしている丸山先生に、院内設備や近年の傾向などについて語ってもらった。

(取材日2024年6月19日/情報更新日2025年4月16日)

対話に時間をかけて患者の病状を探る

患者層を教えてください。

丸山達志院長 玉川診療所1

日中は60代前後や高齢の方の来院が多いです。平日は夜7時まで診察していて、遅い時間になると40代や50代の会社勤めの方が増えますね。内科と消化器内科を標榜しているため、一般的な風邪症状や胃痛のある方はもちろん、血圧やコレステロール値が高いなど、健康診断で引っかかった方も来院します。30代から40代では、ストレスから女性は胃の痛み、男性は下痢や腹痛で悩む方が目立ちます。ストレス性の疾患は、いつの時代も一定数見受けられます。ただ、減ることはなく、徐々に増加している印象です。

診察の際に心がけていることはありますか。

患者さんの話を丁寧に聞くことです。同じ症状で長く通院されている方は別として、初診の方や悩みを抱えている方には10分から15分くらいかけて話を聞くようにしています。胃が痛い場合は、高い確率でストレスが原因なのですが、最初から決めつけず、話を聞きながら詳しい症状を問いかけていきます。例えば、胃の痛みを感じるのは朝なのか食後なのか、油っこいものを食べたらどんな感じになるのか、少し食べただけですぐおなかいっぱいになってしまうのか。そういったことを少しずつ質問しながら、病気が隠れていないか確認していきます。患者さんにとっても、症状や悩みを口に出すことは気持ちをほぐすことにつながるのではないでしょうか。診察室でたくさん話す患者さんの表情から、ほっとした様子やすっきりした様子をうかがえたらうれしくなりますね。

院内設備について教えてください。

丸山達志院長 玉川診療所2

内視鏡、エックス線、心電図、超音波検査装置、血圧脈波検査装置があります。内視鏡は胃と大腸の両検査に対応しており、胃の内視鏡は経口をメインとしています。エックス線は肺炎の疑いがある場合や、世田谷区の検診で利用します。心電図は不整脈の疑いがある場合や検診で利用します。超音波検査装置では肝臓や膵臓、腎臓の状態や、胆嚢に胆石があるかをチェックします。また、脂肪肝の疑いがある方の検査で多用します。血圧脈波検査装置は動脈硬化の程度を調べる装置です。これらの機器は、患者さんの話を聞いて使うかどうか判断していきます。咳がたくさん出る患者さん全員にエックス線検査を勧めることはしませんし、一方で、咳は少ししか出ていなくても、患者さんが肺の検診を2年くらい受けていなかったり、タバコをよく吸っていたりしたら「エックス線検査をしましょうか」とご提案するようにしています。

検査に伴う苦痛や煩わしさを極力取り除く

先生が得意とする検査は何でしょうか。

丸山達志院長 玉川診療所3

内視鏡検査です。胃の検査では経口内視鏡検査に対応し、経鼻でも使える直径約5ミリの細い機器を使います。経口メインで行う理由は、経鼻内視鏡検査を受けたことのある一部の患者さんから「想像していたより痛かった」などと、検査後に鼻の痛みや違和感を覚えたという声を聞いたからです。経口ならカメラを抜いてしまえば検査後に違和感が残ることはほぼないでしょうし、検査中の不快感を回避できるよう鎮静剤を使用できます。当院では6割から7割くらいの患者さんが鎮静剤の使用を希望されます。鎮静剤を使った場合は、検査後に1時間ほど横になっていただきます。検査の直前で怖くなって「使わないつもりだったけれど、やっぱり使いたい」という方、反対に「検査後にすぐ病院を出たいから、やっぱり鎮静剤は使わないでほしい」という方のご要望には柔軟に対応します。つらい思いをする必要はないので、時間に余裕があれば鎮静剤を使うことを推奨しています。

大腸の内視鏡検査でも鎮静剤を使うのでしょうか。

大腸の検査では必ず使います。ですから鎮静剤を使うことや、検査後は1、2時間横になって休んでいただくことを事前にご説明します。大腸をきれいにするために2リットル程度の下剤を飲む必要があり、ご自宅でそれを済ませてから検査の10分前に来院していただきます。この大量の下剤を飲むことが、患者さんが大腸の内視鏡検査に苦手意識を持つ一因となっていますね。ですから、便秘で悩む方が検査を迷っていたら、無理強いはせず、まずは投薬を試したり検便を行ったりして様子を見て、気持ちが固まったら内視鏡検査をしましょうとご提案しています。

内視鏡検査を行う曜日や時間は決まっていますか。

丸山達志院長 玉川診療所4

火曜日以外は対応しており、予約が入っていなければすぐに検査することができます。地域のクリニックは小回りが利くというか、患者さんの予定に合わせて対応できないと意味がないと思うんです。迅速に検査できないなら、誰でも最初から大きい病院に行くのではないでしょうか。胃はもちろん、大腸も予約の状況次第で翌日の検査が可能です。なぜなら、数日かけて大腸の中をきれいにするための検査食を利用しないからです。検査食を面倒くさいと感じる患者さんは多いと思います。そうした煩わしさを極力減らして検査に臨めるようにしたいので、食事の制限は緩くしています。検査食を使わないと腸内が見にくくなることが考えられますが、その分、私が入念にチェックすればいいわけですから。

内視鏡の検査はどのくらいの頻度で受けることを勧めていますか。

ピロリ菌がいた方には、年1回の胃の内視鏡検査を勧めています。ピロリ菌がいなくても、胃痛があって前回の検査から数年たっていたら勧めることはありますね。また、常に胃の痛みがある患者さんは、年に1回検査して、問題ないと確認して安心することで、調子が改善していったりすることもあるかもしれません。いずれにせよ、検査するかしないかは患者さんとの対話から判断します。大腸のほうは、内視鏡検査をしてポリープが見つかった場合は、その数によって次回の検査をいつ頃受けたほうがいいかをお伝えします。

地域医療の窓口として今後も内視鏡検査に注力

この病院がある奥沢は、どんなエリアでしょうか。

丸山達志院長 玉川診療所5

私が生まれ育った場所です。いい意味で、東京とは思えないほど田舎っぽいところだと思います。ご近所付き合いがあって、温かいところが好きですね。15年くらい前からジョギングを始めて、診察前に近隣を5、6キロ走っています。季節の訪れを肌で感じたり、心身ともにリフレッシュしたりする機会になっていますよ。毎週火曜には、近くにある奥沢病院での診察を担当しており、そこでも内視鏡検査をしています。短期間の入院や、CTを撮る必要があるときなどは、基本的に奥沢病院への紹介状を書きます。

どんなときに医師としてのやりがいを感じますか。

医師になりたての頃は消化器疾患を専門に担当していましたが、当院ではさまざまな症状を抱えた患者さんと向き合います。その中で、隠れた病気や防ぐべき症状を見つけて患者さんの役に立てたら、医師としてのやりがいを感じますね。例えば、喉が痛いと言って来院した患者さんがいたとします。ご本人は軽症だと思い、薬を受け取って帰るつもりだったかもしれませんが、喉に膿がたまっていたりしたら、深刻な場合、その膿が気管に入って詰まってしまい、管を挿入して気道を確保しなければならなくなることも考えられます。なので、すぐ耳鼻咽喉科に行くようお伝えしますが、それをきっかけに深刻な状態になることを事前に防ぐことができたら、医師冥利に尽きますね。

今後の目標を教えてください。

丸山達志院長 玉川診療所6

これからも、地域の方が健康や病気について気軽に相談できる存在でありたいと思います。そして、大腸がんの罹患数が増えているため、内視鏡検査に一層注力していきます。外から見たり触ったりするだけではわからないことが内視鏡では確認できるので、体の状態を把握するためにも、より多くの方に検査を受けていただきたいです。

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