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齊藤 純子 院長の独自取材記事

バースハーモニー美しが丘助産院

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2019/08/28

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かけがえのない生命の誕生を、母と子、そして家族にとっての最高に幸せなイベントにしたい。たまプラーザ駅からバスで10分の「バースハーモニー 美しが丘助産院」の齊藤純子院長は、助産師として、また自ら4人の出産を経験した先輩母として、そうした想いを胸に一人ひとりの個性が生きる出産をサポートしている。リニューアルしたばかりの同院は、バラをモチーフにしたステンドグラスの看板が目印。院内に一歩足を踏み入れると、ヒノキとアロマの優しい香りが漂う。齊藤院長が「かなえたいこと」のすべてを詰め込んだ空間だ。リピーターが多いことについて、「私、少子化に貢献していると思いませんか?」と、ちゃめっ気たっぷりに笑う齊藤院長。これまで大切にしてきた思いを、ありのままに語ってくれた。
(取材日2018年6月15日)

「また産みたい」と思える、幸せの体験をしてほしい

2017年に移転・改装されたと伺いました。院内のどこを取ってもすてきですね。

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以前はアパートの一室でしたが、自然なお産をトータルに提供できる環境を一からつくりたいと思ったんです。そこで翌日に見つかったのが築18年のこの物件。改装時にこだわったのは、床と、壁と、ベッド、お風呂……全部でしょうか(笑)。当院は素足で上がっていただけるよう、床に天然無垢板を使用しています。清潔で気持ちが良く、1階は冬も床暖房で温かいんですよ。住宅自体も化学物質過敏症対応の天然資材にこだわっています。また、入り口の看板と玄関のステンドグラスは、当院のシンボルフラワーのバラをモチーフにして作家さんに作っていただきました。

「自然なお産」とは、どんなものなのですか?

女性が持つ「産む力」を最大限に引き出せるよう、産前から心と体のバランスを整え、わが家にいるような、あるいはそれ以上に心地良い環境でお産を迎えることです。楽しく、リラックスできる環境というのはとても大事。お産を進める働きを持つオキシトシンは、幸福感をもたらすともいわれますが、緊張・不安の中では分泌されにくく、リラックスしていると分泌されやすいことがわかっています。実際、当院はリピーターの方が多く「もう1人産みたい!」と退院の日におっしゃる方や「前回の出産がとても幸せで、もう1人欲しいと思ったんです」とうれしいお言葉をくださる方も多いです。

どんな分娩スタイルを採用していますか?

施設内でのフリースタイル出産、助産師の出張介助による自宅出産に対応しています。フリースタイル出産では、途中まで四つん這いや立膝、バランスボールに座るなどして、最終的に横になる方が多いですね。自由な体勢を取れるよう、ベッドはダブルサイズの、じんわり温かな遠赤外線ベッドを導入しました。実は私自身、助産院での自然分娩、自宅出産2回、水中出産と計4回のお産経験があるんです。その経験をもとに、ご本人やご家族のニーズをよく聞きながら「こうすれば命が一番輝く」と思える方法を探求しています。一方で、助産院では正常分娩しか行えませんから、少しでもリスクが想定される場合は医療機関と密に連携して対応することを必須としています。

こちらでも水中出産はできますか?

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はい。ただし子宮口が全開大するまでの分娩第一期のみ、お湯の中で過ごす方法を取っています。第一期の陣痛は水中だとかなり楽になりますね。でも、赤ちゃんが産道を通る第二期の痛みは変わりません。むしろ水中で産み切ってしまうと、その後に胎盤が出たりするのに出血量が多くなってしまい、感染のリスクも考えられます。それに水中でお産を終えるとお湯から出る時に体が鉛のように重く、抱えてもらってやっとなほど。だから、当院では分娩第一期までの水中出産とし、出血しやすい方には水中出産を採用しません。

「命が一番輝く出産」を追求し続ける

産前産後ケアにも力を入れていると伺いました。

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産前は外来や自力整体、呼吸教室、料理教室などを通じて自然に産める体づくりをめざします。呼吸教室は昼1時から夜7時という長時間ですが、好評ですね。呼吸は生まれてから死ぬまでずっと行うこと。かくれんぼの時に息をひそめる、ため息をついて負の感情を手放す、など心を表現する方法でもあります。自分の息のパターン、そこにつながる感情をすべて感じた上で、出産時の呼吸法にとどまらず、日常的にこういう呼吸に取り組もうと考えるのが呼吸教室の目的です。陣痛は痛くてつい息を止めがちですが、赤ちゃんが苦しいので良くありません。でも、日常の一部として練習しておけば、本番で自然と実践できますからね。仕事や育児のストレス解消法としても有効です。

産後ケアについてはいかがですか?

産後は骨盤が戻る時期という意味で最も大切ですね。産後の緩んだ骨盤は、すぐに立ったり座ったりするとずれたり、そのままにしておくと開いたままになることがあります。その結果、体のバランスが崩れて、うつ症状や疲労感、母乳の分泌不足に悩むお母さんは少なくありません。でも骨盤は上手に整えてあげると体調を悪化させずに済み、産前よりもスリムに引き締まることがあるんですよ。骨盤を整える方法としては、産後の起き上がるタイミングのほか、自力整体や骨盤ベルトの使用法も指導しています。

産後すぐには起き上がらないんですか?

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胎盤が出てから8時間おきに両脇の体温を測り、3回目に両方の体温がそろったら15分正座。その後また横になり、経産婦なら3~4時間、初産婦なら8~12時間休んでやっと起き上がっていただきます。それまでのお世話は私たちがしますので、お母さんはゆっくり休んでいただけますし、赤ちゃんはずっと側にいますから安心ですよ。あとは食事も大切。産後は玄米のおかゆと、カルシウムを補うためのごま塩、タンパク質の豊富な鉄火味噌、梅干し、たくあんがおかずです。玄米は自分たちで手植えをした無農薬のお米から作ったもので、40分高圧で炊くとほんとにおいしいんですよ。玄米だと脂肪が落ちて、おっぱいトラブルも予防できて、体の早期回復が期待できます。「愛のある粗食」ですね。歩けるようになったら、好きな時に好きなだけ食べていただいています。お粥とはいえ、よく噛んで食べることが大切です。

子どもを育める体づくりを呼びかける

院長のこれまでの歩みをお聞かせください。

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当初は看護師をめざしていましたが、病気になる前の段階で、よりその人らしく生きられるアプローチがしたいと思い、看護学校卒業後に保健師と助産師の資格を取得しました。助産師を選んだのは、幸せな場面に立ち会えるからです。ところが、一般的に行われる会陰(膣と肛門の間の筋肉)の切開がとても痛そうで。感性的に嫌だと思うことをしない自然なお産への憧れが募っていきました。自分が結婚・妊娠し会陰を切らずに陣痛促進剤も打たない自然な出産を経験したことで、その思いは強くなり、この幸せなお産を多くの方に味わっていただけるよう開業したのです。それ以来、忙しい日々を送り、いつ生まれるかわからないので遠出もできないけれど、移転してからはあまりに居心地が良くて、激務とは感じなくなりました。ここの岩風呂に浸かって、遠赤外線のベッドに寝るとすっきりしますね。

院長はご自身を「お産マニア」と表現されていますね。

私は助産師だから出産そのものを追求するところがあるんですね。それにお産ってとても神秘的なんですよ。生まれたての赤ちゃんは「オギャー」と泣くイメージがありますが、私の取り上げる子は産声を「ホニャ」とあげるだけ。それまで唯一の命綱だったへその緒をすぐに切らず、自分のペースで呼吸を確立する時間を待ってあげるのです。そうすると赤ちゃんはとても穏やかな表情になるんですね。本当に優しい赤ちゃんの迎え方というのは、その子の個性を尊重し、自立のパターンを見守ってあげることだと感じずにはいられません。

今後の展望と、読者へ一言お願いします。

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次の夢は、ここで行っていることを自然なお産希望の全国の方々に提供すること。富士山が見えるところに研修施設を作って、お産の講座や呼吸教室、料理教室、田植え体験を開きたいですね。皆さんへのメッセージは、ぜひ子どもを育める体づくりをしてください。血流が悪くて体が冷えていると、免疫機能が落ち、風邪をひきやすくなるといわれています。食べ物も体を育むもの、例えば加工品ではなく手作りの料理や、農薬漬けでない自然に育った季節の野菜などを食べるようにしてほしいです。運動や規則正しい生活も大事です。そうすると自律神経が整い、体も自然と整ってくるものだと思いますから。

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