井原歯科医院

井原歯科医院

井原 信一院長

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与野駅から徒歩約3分にあるのが、どこか懐かしさを感じるたたずまいの「井原歯科医院」。開業してから75年間、この地域を見守り続けてきた歯科医院だ。井原信一院長は2代目にあたり、小さな子どもから高齢者まで、多くの患者から信頼を寄せられている。広い院内には先代院長が描いた絵画と現院長が撮影した写真が季節に合わせて飾られ、温かな雰囲気が漂う。埼玉県歯科医師会でも精力的に活動し、地域医療の向上に関わってきた背景を持つ井原信一院長に、医科と歯科の連携の重要性を実感した経験やそこからの日々の診療にかける想いなど、さまざまな話を聞いた。
(取材日2018年9月1日)

75年にわたり地元で信頼される歯科医院

―院長は2代目にあたるそうですね。

ここは私の父が75年前に開業した歯科医院で、私がこちらに戻ってきたのは1975年のことです。目の前の道路を拡張するにあたり建物を建て替える必要があるということで、歯科医院の建物が新しくなると同時に当院での診療を開始しました。当時は今よりも歯科医師の数が少なく、どこの歯科医院も朝から診察の順番取りの行列ができるようなありさまだったのですが、当院はその頃から予約制に対応し患者さんの負担を少しでも減らせるよう努めてきました。私と父で診療をしていましたが、ものすごく忙しかった思い出がありますね。今はご高齢の方がほとんどですが、当時はお子さんがとても多く、お子さんだけの診察日も設定していたくらいなんです。今は1日に20名程度の患者さんをしっかり丁寧に診させていただいていますし、私の息子も週に1日診療に参加してくれています。息子はスポーツ歯科が専門で、別の場所で開業し活躍しています。

―長く通われている患者さんも多い印象です。

父の代から通ってくださっている患者さんはもちろん、そのお子さん、お孫さん、ひ孫さんまで代々通ってくださっているご家族もあります。ご縁があって随分遠方から来ていただいている患者さんもいらっしゃって、ありがたいですね。ご高齢の患者さんの中にはこちらまで通われるのが難しい方もいますので、訪問診療をさせていただく場合もあります。やはり、自分の患者さんはできる限り責任を持って、最期まで診させていただきたいと思っています。若い頃は埼玉県歯科医師会などでの活動を通して、ずいぶん勉強をさせていただきました。朝早く出かけて夜遅く帰宅する日々でしたから、ある朝、私を妻と子どもが見送ってくれた時に子どもがこう言ったんですよ。「パパ、また来てね」って。ものすごくショックでした(笑)。今はそういった役職はすべて若者に託して、警察の協力や幼稚園の園医、学校医などを通して地域に貢献させていただいています。

―総合病院の歯科勤務で全身管理の大切さを実感されたそうですね。

東京歯科大学を卒業後は、虎の門病院に勤務していました。虎の門病院はレジデント制度に早くから取り組んでおり、当時は医科と歯科の研修医が一箇所に集められて互いに切磋琢磨して成長できる環境が整っていました。私が東京歯科大学の医局に進まず総合病院を研修先に選んだのは、お口は人間の体の一部であるにもかかわらず、まったく切り離して口の中だけを診る、という診療体系に違和感を持ったからなんです。例えば、今でこそ歯周病菌は心筋梗塞などの全身疾患との関連が深いといわれていますが、当時はあまり重要視されていませんでした。虎の門病院では医科の回診に同行したり、わからないこと、専門外のところは互いに教え合ったりしていましたから、今でも交流は続いていて有益な情報交換ができていますよ。



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