蔵元 庸之 院長の独自取材記事
蔵元歯科医院
(蕨市/蕨駅)
最終更新日:2026/01/30
歯科医師に選択をしてもらうのではなく、自分の状況を理解して「この治療を受けなければいけないと患者さんが思うことが大事なんです」と、蔵元庸之(つねゆき)院長は語る。そのためには何をしなければならないのかを考えるのが、私たちの仕事だとも。1986年に開院した「蔵元歯科医院」は、長きにわたって蕨エリアの歯科医療を担ってきた。2022年に父から院長を継承したが、「技術を磨き、あらゆる要望にワンストップで応えられる歯科医院」のスタンスは変わらない。矯正、口腔外科は専門の歯科医師が担当し、一般歯科、小児歯科、歯周病、予防歯科、審美歯科、インプラントなどは蔵元院長が対応。卒業後から継続して現在も週1回、母校で学び続けている姿勢にも頭が下がる。進化を続ける蔵元院長にクリニックでの診療について話を聞いた。
(取材日2026年1月6日)
ワンストップで治療が行える歯科医院をめざして
1986年の開院から院長継承を経て、今までの歩みをお聞きします。

当院は父が1986年に開院しました。2015年からは私も治療に携わるようになりましたが、父が亡くなり、2022年に院長を継承して現在に至ります。「蔵元歯科医院」はこの地で歯科治療を担って40年ほどたちますが、父の代から引き続き通ってくださる方が多くいらして、本当にありがたい限りです。昔からのおなじみの、ご年配の患者さんがほとんどですが、歯科IQの高い方ばかりで、まめに通院してくださいます。2025年にはユニットを完全個室と半個室に変え、数も増やしました。完全個室の診察室ではインプラントの手術も行え、2階はメンテナンス、1階は治療中心のスペースにしています。患者さんが利用しやすいよう動線も考え、状況に応じてリニューアルを重ねてきました。
今までのキャリアと注力してきたことについて教えてください。
2015年までは埼玉県内の病院で一般的な歯科治療だけでなく、口腔外科の治療や手術、医科との関連性を含め、幅広い症例を経験してきました。その後に勤務した個人クリニックでは、現在の軸となる「総合的に患者さんを診る」力を磨いてきたかと思います。皆さんが楽しく快適に、ご自分の歯でお食事ができるよう、そして、歯だけでなく、全身が健康であるようなお手伝いをしていけたらと願っています。そのためには、学び続け、自らがブラッシュアップしていくことが大切です。卒業してからも週に1度は大学に通い、座学や手技を磨き、臨床に生かしています。患者さんから求められた時に一番良い状態で応えられるように、知識や技術は常に磨いていたいですね。
すべての治療が完結できるような歯科医院をめざしているそうですね。

父の代から、特化した技術というよりも、できる限り当院で治療が完結できるようにと努めてきました。地域に根差した歯科医院であり、長年通ってくださる方が多くいる中で「この症状は当院では対応できません」とはなるべく言いたくないんです。そのために、一般歯科、小児歯科、歯周病、予防歯科、審美歯科、インプラント治療などオールマイティーな治療ができるよう、研鑽を積んできました。矯正と口腔外科に関しては、私の同級生でもある専門の歯科医師に月1、2回ほど診察に来てもらい、患者さんが望む治療が当院で受けられるように体制を整えています。もちろん、当院だけでは治療が難しい場合もありますが、その症状を見極め、どの規模のどんな医療機関へ橋渡ししたらベストなのかを判断した上でご紹介させていただきますので、非常にスムーズです。通院が難しくなってしまった患者さんは、訪問診療にて対応させていただいています。
今だけでなく、その先を見据えた総合的な治療を
診療スタンスや理念について伺います。

「できる限り、歯を残し、健康を守っていきたい」という理念のもと、当院では4つのこだわりを持って治療にあたっています。まず第1に虫歯、歯周病など歯や歯肉の病気の早期発見・早期治療に努めること。第2に歯や歯の根をできる限り削らずに歯質を温存した治療を行うこと。第3に失った歯周組織に対する再生療法に注力し、第4に生涯にわたり、お口の健康を維持し、全身の健康に寄与すること。まずは毎日の正しいケアから始め、予防への意識を高めていただくことが何より大事です。治療の必要がない状態をつくるには、「何もない時こそ歯科医院に来て、定期的に検診を受ける」。これを実践するだけで、健康な歯を長く保つことができるのです。
継承時より、インプラント治療には力を入れてきたそうですね。
オールマイティーな歯科医師をめざし、インプラント治療にも早くから取り組んできたので、数多くの症例を経験してきました。他院では断られるような難症例でも、対応できる場合があり、通院中の患者さん以外のご相談やセカンドオピニオンにも対応しています。当院では高齢の患者さんが多く、インプラントが治療の選択肢となるケースも増えてきました。「インプラントできますか?」と聞かれることもあり、ニーズの高まりは感じています。インプラント治療は優れた面もありますが、自費になる分、ご負担もございます。何がなんでもインプラントありきではなく、それ以外にできることはないかを考えます。「本当に治すことはできないのか? 移植する歯はないか?」など、あらゆる方法を吟味し、義歯で対応できそうなら、まずは試してみるというのも一つの手です。インプラント治療を多く手がけてきた私だからこそ、総合的な目で判断する大切さを痛感しています。
第3のこだわりである「歯周組織再生療法」について詳しくお聞きします。

歯周病が進行し、歯を支えていた歯茎が大きなダメージを受けてしまった場合に、当院では歯周組織を再生させるための治療を行っています。まずは歯茎を健康な状態へ戻していくため、ブラッシングケアを見直し、歯石除去を実施。それで改善が難しい場合は、レーザーで歯周ポケット内の汚れの除去や炎症抑制を図り、必要であれば、薬剤を注入して歯周組織再生療法を行います。治療後、組織が再生したかどうか経過を見て、その後、メンテナンスへと移行します。歯周病は軽症ならば、正しいケアとクリーニングで改善に導くことも期待できます。発症や進行を防ぐためにもホームケアと定期検診をしっかり行いましょう。
全身の健康を委ねられる場所であり続けるために
診察で大切にされていることはありますか?

当院は、歯科医師の視点だけで治療を進めるのではなく、患者さんが現状を理解し納得して、治療を選択していただくことを大切にしています。治療で良い結果を出すには、「この治療を受ける必要があるんだ」と、患者さんご自身が実感することが何より大事です。そのため、説明の際はわかりやすさを重視し、さらに視覚的なアプローチとしてマイクロスコープも活用。歯が割れていたりなど、何かしらの異変があった場合は、すぐに口腔内の写真を見ていただきます。マイクロスコープは各ユニットに設置し、わざわざ移動しなくてもその場で確認することができるので、ご高齢の患者さんも負担が少ないと思います。
患者さんを多方面から支える「チーム医療」が見事ですね。
当院では歯科医師は常勤の私を含め、非常勤で矯正歯科と口腔外科専門の歯科医師がおり、2人とも私の同級生です。そのほかに大きな手術の時や、歯科治療に不安がある患者さんのため歯科麻酔科の先生にも来てもらっています。点滴を入れた瞬間にスーッと麻酔が効くよう努めていますし、気がついたら終わっていたと思ってもらえれば、負担も少ないと思います。開院当時から、技工にも力を入れていて、技術力の高い歯科技工士が在籍しています。歯科衛生士たちは自主的に勉強していて、私が教えてもらうこともあります。本当に素晴らしいチームなんです。
最後にメッセージをお願いいたします。

私自身も歯の検診を受けますが、歯科医師に遠慮してしまうことは多々あり、患者さんのお気持ちはよく理解できます。特に当院の患者さんは人生の先輩方が多いので、尊敬の心は常に持ちつつ、正直でありたいと思っています。歯科医師として、できないことはきちんとお話しし、お互いにストレートな対話ができたらよいですね。質問や相談、希望など治療に関することはその場で聞いてほしいですし、言っていただけるような関係性を築いていけたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万円、矯正/10万~65万円、セラミックを用いた補綴治療/7万円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

