川瀬 昌一郎 院長の独自取材記事
志木駅ビル歯科
(新座市/志木駅)
最終更新日:2025/08/13

東武東上線・志木駅の駅ビル、エスティ・トスカ3階にクリニックを構える「志木駅ビル歯科」。院長を務めるのは、顎咬や、歯周内科の分野に明るい川瀬昌一郎先生だ。補綴治療を専門的に学んできた川瀬院長は、セラミックのかぶせ物や入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療を得意とし、咬み合わせを重視した補綴治療を提供してくれる。また、内服薬で歯周病菌を除去する歯周内科治療も取り入れ、根本から原因を解消するための新しい歯周病治療も行っている。「患者に納得してもらえる治療がしたい」と話す川瀬院長。そのために、患者の話を聞くことや、丁寧な治療法の説明に努める。そんな川瀬院長に、治療のことや患者への思い、今後の展望までじっくり聞いた。
(取材日2015年8月7日/情報更新日2025年8月8日)
咬み合わせから考える補綴治療
先生が力を入れている治療は何ですか?

私は、大学卒業後に日本大学の大学院に残り、補綴学を専攻していました。そこでは、セラミックによる審美面にも配慮した治療や入れ歯、ブリッジなどについて専門的に研究しました。歯科治療において、咬み合わせというのは非常に重要なこと。例えば総入れ歯を作製する際には、ただ単にお口の中の型を採って作るのではなく、咬合器という機器を用いて咬み合わせの微調整を行っていきます。これによって、痛みも少なくしっかり噛める入れ歯のご提供に努めています。
インプラント治療についても力を入れているのですね?
一般的なインプラントは、土台を埋め込む顎骨が薄い場合、十分な厚さを取り戻すための増骨手術などを行う必要があります。そうすると、患者さんへの負担も増え、時間も余計にかかってしまいます。従来のドリルで削って土台を埋入する方法ではなく、専用の機器で埋入するための穴を徐々に広げていく方法です。そうすることで骨が緊密になり、薄い骨であっても問題なく埋入することが望めるのです。患者さんにも安心してお受けいただければと思います。
審美歯科へのこだわりをお聞かせください。

補綴の技術を生かして、患者さんにご納得いただける美しさを実現するためのセラミック治療を行っています。例えば前歯を白いセラミックにしたいという患者さんには、お口の状態やご要望をしっかりとお伺いし、どのぐらいまで白くしていくかと、きちんとご確認。お写真や鏡などを使って色味や形のご相談をして、患者さんのご要望と医学的な見地で見た美しさのすり合わせをしていきます。そうして、私と患者さんの間での意思疎通がしっかり取れた状態で、長年の付き合いである歯科技工士さんに依頼するのです。自費診療の場合や、難しい色味の場合には、歯科技工士さんが実際にクリニックまで足を運んでくださり、微調整をしていただくことも。何度も確認を繰り返しながら、患者さんとともに理想の美しさを追求していきたいと考えています。
歯周病についてご研鑽を積まれたのですか?
歯周内科を先駆け的に行った先生の講演に感銘を受けたことをきっかけに、歯周内科について専門的に学ぶようになりました。これまでの歯周病の治療と言うと、歯石除去や歯磨き、外科的処置などが一般的でした。しかし、歯周内科では、まず顕微鏡でお口の中の歯周病菌を確認するなどします。そうして菌が確認できたら、除菌のためのお薬を服薬していただき、菌を減らすよう図ります。根本的な原因となる菌の除去を促した状態で、歯石を取ったり、歯磨きのご指導をすることで、治療後の経過が非常に良好になることが見込めるのです。対症療法ではなく、再発させないための根本的な治療です。
やりがいは、患者の笑顔が見られること
先生が歯科医師をめざされたきっかけは?

叔父や叔母をはじめ、親戚に歯科医師が何人かいて、幼少期からこの仕事に興味を持っていました。進路を決定する高校生の頃に、歯科医師への憧れが忘れられず、歯学部への進学を決意。日本大学に入学してから、授業で実習をしたりしているうちに、歯科について徐々に知識を増やしていくことができました。しかし、歯科医師としての基盤が築かれたのは、大学卒業後に入局した日本大学大学院の補綴科教室でしたね。そこでお世話になっていた助教授が非常に高い技術を持った先生だったのですが、「技術は見て盗め」と教えられて。高い技術に驚きながらも、自分なりに一生懸命盗み、吸収し、実践を繰り返していきました。しかし、実践ではなかなか思うように治療をすることができなくて。先生に喝を入れられながら、実際に「手を動かす」ということを学びました。
開業はずっとお考えだったのですか?
勤務医として働いていた頃から、いずれは開業したいと考えていました。知人の先生にご紹介いただき、この場所に巡り合うことができて。駅ビルということもあり、すっかり気に入って開業場所に決めました。志木駅の駅ビル自体が移転することとなり、2000年に現在の場所に移ってきました。志木は、お子さんから高齢者の方まで幅広い年齢層の方々がお住まいの地域。当院にも、さまざまな患者さんがご来院くださっています。補綴や歯周病を主に扱っていることから、20代から80代ぐらいの成人の患者さんが特に多いですね。院内は、窓を大きく取って明るいイメージにしています。待合室には私のお気に入りの絵画も飾って、リラックスできる空間づくりを心がけています。
開業して40年以上が経過してますが、振り返ってみていかがですか?

開業して良かったと思うことはたくさんあります。私が本当にいいと思った治療や材料をすぐに取り入れることができること。そして、常に強い責任感を持って患者さんと向き合えること。勤務医時代ももちろん責任を持って治療をしていましたが、院長として地域に根づき、ずっとこの場所でクリニックを構えるということは、非常に大きな責任を担うことです。どんな治療も、患者さんへの対応も、すべて自分に跳ね返ってくるのです。だからこそ、いい治療ができて、患者さんに感謝していただけた瞬間は、何事にも代えられない喜びを感じることができます。噛めなかった患者さんに治療を行い、笑顔を見せてくださったら、歯科医師をしていて良かったと心から実感することができますね。
患者の納得と信頼を大切に、関係性を築いていきたい
診療の際に気をつけていることは何ですか?

患者さんが何を望んでいるのか? まずは、それを知ることですね。私たち歯科医師が考える「理想的な治療」と、「患者さんが望む治療」は、いつも同じわけではありません。そのため、治療の前にしっかりとお話をお伺いしています。そうして、なるべくご要望にお応えしながら、歯科医療として誤りのない治療法を考えていきます。治療法のご説明も、時間を取って丁寧にわかりやすくお話しさせていただいています。口腔内カメラを使用してお口の中のお写真をお見せしたり、鏡を使ってご理解いただけるまでご説明をしていきます。患者さんが心からご納得いただけていなければ、治療に入ることはありません。
今後の展望をお聞かせください。
お口の中の健康は、全身の健康に大きく影響しています。例えば、歯周病菌は、血管を通って全身に感染することもありますし、それによって糖尿病などの合併症を引き起こすことだってあるのです。また、アルツハイマーや認知症の患者さんは、咬み合わせが悪いというデータも出ています。歯は感覚器官ですから、「噛む」という機能は、脳にも伝達するのです。このように、お口の中の健康は全身の健康管理にもつながるのだということを、多くの患者さんに認識していただきたいですね。当院では、定期的にメンテナンスに通っていただきやすい環境づくりに努めています。開業してから30年以上がたち、長年通ってくださっている患者さんも非常に多くいらっしゃいます。私自身、患者さんとともに年を重ねてまいりました。これからも、患者さんとの関係性を何より大切にし、ずっと信頼していただける歯科医院でありたいですね。
最後に、先生のリフレッシュ方法は?

毎日クリニックで治療をするだけだと、どうしても運動不足になってしまいます。そのため、週に2回ほどジムに通って体を動かしています。マシンでトレーニングをしたり、走ったり泳いだり。健康維持にもなりますし、心もすっきりしてリフレッシュすることができます。また、普段はお酒を飲むことが好きなので、おいしいお酒とおつまみを見つけることも楽しいですし、友人との飲み会もストレス解消にいいですね。とはいえ、最近は年齢的なことも考えて、体調管理をしながらたしなんでいます(笑)。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/66万円~、インプラント治療/38万円~、セラミックの詰め物/5万円~、セラミックのかぶせ物/8万円~