諸隈 正和 院長の独自取材記事
諸隈歯科医院
(千葉市稲毛区/みどり台駅)
最終更新日:2025/06/27

戦後の混乱期に開業した、千葉市稲毛区の「諸隈歯科医院」。初代である祖父、2代目の父に続き、2017年、諸隈正和院長は3代目として同院を引き継いだ。2024年には京成千葉線・みどり台駅前から5分の場所に新築移転し、全身麻酔にも対応する手術室を設置。歯科恐怖症や嘔吐反応のある患者でも安心して治療を受けられるよう設備が整っている。同院のモットーは「自分やスタッフが受けたい治療を患者に提供すること」。他院で治療が難しいとされた難症例にも対応にあたり、また、治療をきちんと完結し「再治療ゼロ」をめざしている。そんな諸隈院長に、同院の特徴から今後の展望までたっぷりと聞かせてもらった。
(取材日2025年5月30日)
手術室を備えた居心地の良いクリニックへ
昨年、今の場所に新築移転されたのはなぜですか?

2017年に先代である父から院長を継承してから約7年たち、先進の設備に変えて、消毒や滅菌といった感染対策を強化したかったからです。そして何よりも自分がしたかった治療を行うためです。全身麻酔にも対応できる手術室をつくり、マイクロスコープの台数も増やしました。また、居心地が良いと感じてもらえる空間にしたかったというのもあります。当院のコンセプトは「院長の私と諸隈歯科医院で勤務するスタッフが受けたいと思える歯科治療を、患者さんにも提供する」です。長時間滞在するスタッフと私にとって居心地が良くて働きやすく、設備もきちんと整っていれば、患者さんに対してベストな治療を提供できると思い、細部にまでこだわりました。天井を木目にしたのは、患者さんにリラックスして診療を受けていただきたいという気持ちからです。
手術室を設けたことで、どのような治療が可能になりましたか?
手術室を用意した理由は2つあります。まず、全身麻酔に対応するため。歯科医院に対して恐怖心を持っている患者さんや嘔吐反射のある患者さんは、意識を失っている間に治療できるよう全身麻酔を使います。通常、複数回に分ける治療が1回で行えるため、治療回数を減らせるのもメリットではないでしょうか。もう一つは、より専門的な処置や外科的な治療にも対応できるようにするためです。例えば、親知らずの抜歯やインプラント手術など、通常の診療室では難しい処置も、清潔で安全に配慮した環境下で行えるようになります。設備が整っていることで、患者さんにも安心して治療を受けていただけると思いますし、術後の管理もスムーズになります。これにより、幅広い症例に柔軟に対応できるようになりました。
こちらでは噛み合わせや歯列矯正の相談も多いと伺いました。

顎関節に違和感のある患者さんがよく来られる印象です。「食べ物がよく噛めない」といったお悩みに始まり、顎や側頭の痛みがある、雑音を感じる、痛みの大小が変わるなど、症状は複雑です。当院では診察や検査を行った上で、インプラント治療、矯正、入れ歯治療、マイクロスコープを活用した虫歯治療や精密根管治療など、複数の選択肢から適切な治療をご提案します。また歯列矯正に関しては、唇側のワイヤー矯正とマウスピース型装置を用いた矯正の2種類を扱っています。矯正の目的は「機能回復」「衛生環境改善」「見た目の改善」の3点です。自身の歯を長く保つには、噛み合わせや歯並びを整えて、口腔機能や口腔衛生環境の改善を試みる必要があります。一人ひとりが健康的なお口で、より良い人生を送れるようお手伝いできれば幸いです。
スタッフ一丸で「自身が受けたい治療」の提供をめざす
現在どのようなスタッフが在籍していますか?また、教育面のこだわりについてお聞かせください。

スタッフにはお互いに思いやりを持って接するよう伝えています。和も生まれるし、普段謙虚でいると何か言いたいことがあったときに言いやすいですし、相手もきちんと聞いてくれると思うんです。また、スタッフには柔軟な発想や行動の自由を大切にしてほしいと思っています。もちろん、好き勝手に動いて良いということではなく、それぞれが自分の中に規律を持ち、自主性を持って行動することが前提です。日々の業務の中で改善点に気づき、自ら考えて行動に移してくれることで、医院全体のサービスやチームワークがより良くなっていくと考えています。
先生にとって、スタッフはどのような存在ですか?
仲間ですね。スタッフにはいつも感謝しています。スタッフがいないと私の仕事は成り立ちません。実は、当院は以前よりも診療時間を短くしました。スタッフには、家族と過ごす時間やプライベートの時間を大切にしてほしいです。そうすることで良い仕事ができ、患者さんにも「私たちが受けたい治療」が提供できると考えています。集中力を維持しながら仕事をするためには、心身ともに元気でいることは必須だと思っています。
診療外の活動にも、意欲的に取り組まれているそうですね。

セミナーなどには積極的に参加して、いろいろな方から刺激や学びをもらっています。またアウトプットをすることは、自分自身の振り返りや復習にもつながると思っています。普段あまり経験できない大人数の前で話すことが、日常の仕事に少し刺激的なスパイスになり、自身の成長にもつながっている気がしますね。恩師や患者さん、人生の先輩方を通じて感じるのが「人生一度きり。挑戦しなかった後悔はしたくない」という考え方です。それを念頭に置きながら、日々の仕事に向き合っています。
他院で治療が難しいと言われた患者にも対応したい
治療をする上で、大切にしていることは何ですか?

患者さんがどのような治療を望んでいるかを知るため、治療開始前にじっくりと話をするようにしています。すべての治療方法にはメリットだけでなくデメリットも存在します。虫歯の歯を削ると歯は長持ちさせることができるかもしれませんが、削ることで歯はダメージを受け、再び虫歯になるリスクもあります。患者さんにはそういったことをしっかり伝えていますので、治療内容に納得がいくまで、疑問や不安について教えていただけるとありがたいです。スタッフもよく患者さんと会話してくれていて、その方の生活背景などが会話からわかることがあります。例えば家族の介護で忙しいとわかれば、家族の負担も軽減できるような治療の提供に努めます。困り事があって当院を信頼して来ていただく患者さんたちに、誠実に対応していきたいですね。
今後の展望をお聞かせください。
全身麻酔が必要な治療にも今後しっかり対応していきたいと考えています。そして日々技術を磨きながら、患者さんにとっても、若手の歯科医師にとっても安心して通いたくなる、働きたくなるようなクリニックをめざしています。そのためには、医療の質を持続的に高めていける環境づくりも大切だと思っています。患者さんにとって「ここで診てもらいたい」と感じてもらえるような場所であり続けるために、これからも努力を続けていきたいですね。
最後に読者の方へのメッセージをお願いします。

当院では「再治療ゼロ」をめざし丁寧な治療を行っています。再治療を繰り返している方は、ぜひ来ていただきたいです。難症例で治療が難しいと言われた方や、診断や治療に納得がいかず歯科医院が決まらないという方も歓迎します。なかなか良くならない歯でも、残せるところは残しつつ治療を勧めるなど、状況に応じて対応していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(診断・かぶせ物を含む)/55万円~、ワイヤー矯正/80万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/85万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。