大木仁副院長の独自取材記事

大木歯科医院

(船橋市／大神宮下駅)

最終更新日：2025/04/30

京成本線大神宮下駅から徒歩5分、船橋地方最古最大の意富比神社の傍らにある「大木歯科」。1938年に開業してから90年近く、地域の口腔の健康を見守り続けている歯科医院だ。大木守院長と大木仁副院長は生まれ育ったこの地域に貢献したいという思いから、一般歯科から予防歯科まで幅広い歯科診療に対応。特に仁副院長は患者が治療内容に納得し、理解した上で同意を得られるようインフォームドコンセントを重要視している。歴史ある歯科医院ながら先進の治療や設備を積極的に導入しており、失った歯を補うためのインプラント治療にも対応。「年齢を重ねても健康な口腔を維持してほしい」と優しい口調で語る仁副院長に、治療で大切にしていることや今後の展望について話を聞いた。

（取材日2025年4月1日）

治療前の「説明と同意」で患者のニーズに応える
予防歯科で、歯の温存やインプラント治療を成功に導く
歯を失う要因である噛みしめや歯ぎしりの相談にも対応

治療前の「説明と同意」で患者のニーズに応える

開業して90年近くたつ歯科医院ですが、古さを感じさせない爽やかな雰囲気の院内ですね。

歯科医院が苦手な方でもリラックスできるよう、院内の内装は青空をイメージした優しい青色をベースにしました。時代に合わせて、新しい設備もできるだけ導入するように意識しています。例えば歯科用CTは虫歯の深度や親知らずの位置、インプラント治療に必要な骨の状態の分析など、口腔の健康を詳細に分析するのに有用です。また治療中の感染症対策にも徹底しており、滅菌に使用する機器は日本よりも基準が厳しいヨーロッパ規格の物を採用しています。

歯科医師をめざしたきっかけはありますか。

祖父母の代から続く歯科医院に生まれたので、当たり前のように自分も歯科医師になると考えていましたね。歯科医院独特の匂いや雰囲気も好きでした。私はこの地域で生まれ育ったので、私を育ててくれたこの地域と患者さまに貢献したいという思いもあったんです。院長も社会貢献をしたいと希望し、先代からこのクリニックを引き継いだのだと思います。私たちが親子3世代で歯科医院を運営し続けているのと同じように、患者さまも親子3世代で長くお付き合いしてくださっている方が多くいらっしゃいます。

地域に長く根づく歯科医院として、先生が大切にされていることを教えてください。

患者さまが生涯健康な口腔を維持し、生活の質を向上できるよう、一つ一つの治療に責任を持つことをモットーにしています。そのために必ず実施しているのが、治療前のインフォームドコンセントです。疾患の改善が期待できる方法を複数用意し、それぞれの治療内容を一つ一つ説明した上で、最終的な判断は患者さまにお任せします。医師が症状の改善のために適切だと考える治療法であっても、患者さまの意に反するのなら、患者さまにとっていい治療とはいえないと考えているからです。また、治療を行わなかったり、別の治療法を選んだりした際のリスクについてもしっかりご説明し、ご納得いただいた上で治療を受けるかどうか選択していただきます。無理に治療を進めることは決してありませんし、当院の設備では治療が難しいと判断した場合、大学病院や専門的な治療のできる歯科医院を紹介します。まずは症状の程度を見極めるために、気軽に相談してほしいです。

予防歯科で、歯の温存やインプラント治療を成功に導く

先生が特に力を入れている診療を教えてください。

口腔の環境を健康に保つための予防歯科ですね。定期的に来院していただき、虫歯や歯周病の検査をしてクリーニングをする。基本的ですが、歯の健康に不可欠な診療を行っています。当院ではできるだけ歯を残していく治療をめざしていますが、そのためには口腔の状態を適正に保つことが欠かせません。例えば虫歯になり、歯を抜くか残すかギリギリの症状で、歯を残す選択をされた方がいたとします。その方が治療後の定期検診に行っておらず、そのまま数年経過し、せっかく残した歯の状態が悪化して結局抜歯が必要になってしまった、というケースも少なくありません。歯を削らない治療や歯をできるだけ残していく治療のためにも、定期検診で虫歯や歯周病を予防していくことは非常に重要です。患者さまが予防歯科へのモチベーションを維持できるように、厳しい言葉は避け、患者さまの気持ちに寄り添うことを心がけています。

虫歯や歯周病を予防するために、患者さんが自宅でできるケアはありますか？

やはり、1日3回の歯磨きなど基本的な習慣を大切にしてほしいです。最低でも寝る前の1回は、欠かさず磨いてください。寝ている間が最も虫歯になりやすいのは、昔も今も変わりませんからね。ただし磨き残しなく、きちんとブラッシングできているかを判断するのは、患者さまのお力だけでは困難でしょう。特に歯周ポケットは、知識や経験がないと適切に磨くのが難しい箇所です。当院では歯科衛生士によるブラッシング指導を実施しているので、ご希望の方は定期検診などの際にお声がけください。当院には笑顔で明るいスタッフが多いので、私も安心してクリーニングやブラッシング指導を任せています。また必要があれば、磨き残し部分を着色して視覚的にわかりやすくするための染め出しも可能です。

近年はインプラント治療の需要も高まっているそうですね。

私は大学病院で総入れ歯の治療を中心に診療していたため、入れ歯に関する知識は深いのですが、どれだけ性能の高い物を作ったとしても天然歯と比べた場合、咀嚼力の大幅な低下は避けられないと考えています。一方インプラントは、咀嚼力に関して天然歯に近い状態まで向上させることも望め、希望する患者さまは増加傾向です。インプラント治療を成功させるには健康な口腔であることが条件なので、治療の前には虫歯や歯周病治療を行い、治療に適した環境へ整えます。また喫煙している場合は失敗のリスクが高まるため、治療前後に禁煙をすることが条件になります。治療後は定期的なチェックとクリーニングで、長く健康な状態を保てるようにサポートします。定期的なチェックを受けられる方には保証制度も用意しており、技術面でも保障面でも患者さまが安心して治療を受けられる環境づくりに配慮しています。

歯を失う要因である噛みしめや歯ぎしりの相談にも対応

お休みの日に楽しまれている趣味やリフレッシュ方法はありますか？

時間があるときは大学時代の友人とゴルフに行ったり、お酒を飲んだりして楽しんでいます。通っていた大学は1学年の人数が少なく、部活への参加が必須だったのでゴルフ部に入っていました。体育会系の雰囲気で上下関係も厳しかったのですが、高校のように学生同士の距離が近く、人付き合いが楽しかったと記憶しています。今でも大学時代の友人との関係が心地良く、ともに休日を楽しむことが多いです。

口腔の健康を維持するために、先生ご自身が大切にしていることはありますか？

睡眠時の歯ぎしりへの対策ですね。若い頃から睡眠時の歯ぎしりが強くて、歯に負荷がかかっている自覚がありました。知覚過敏にもなっていて、柑橘類を食べると歯がしみることもあるんです。寝ている間の歯ぎしりを抑えるのは難しいので、マウスピースを使用して歯の負担をできるだけ軽減することを習慣にしています。実は歯ぎしりや噛みしめは、虫歯や歯周病以外で歯を失う大きな要因として問題視されているんです。噛みしめや歯ぎしりの癖は自覚しにくいので、まずは患者さま自身が癖に気づくことが重要でしょう。起床時に顎の痛みを感じる場合や、冷たい物が歯にしみる場合は噛みしめなどが原因の可能性が高いので、早めの受診をお勧めします。特に神経を抜いた箇所は歯の負担に気づきにくく、悪化して割れやすい傾向があるんです。そういった意味でも、当院ではできるだけ神経を抜かない治療を大切にしています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

歯科治療に苦手意識があり、歯がひどく痛くなってから来院される患者さまも少なくありません。しかし虫歯などが悪化して膿がたまってしまうと、麻酔がかけづらく、治療中の痛みを防げなくなる恐れがあります。痛い治療を避けるためにも、口腔に少し違和感を覚える程度の段階で受診したり、定期検診を受けたりするなど、症状が悪化する前に対策をする習慣をつけていただけたら。当院は治療前の症状や治療方針の説明を徹底し、治療を受けるかどうかの選択は患者さまにお任せしています。口腔に関わる困り事なら小さなものでもご相談に乗りますので、気軽にご来院ください。