浅野 勝一 院長の独自取材記事
浅野歯科クリニック
(世田谷区/上野毛駅)
最終更新日:2025/07/28

東急大井町線上野毛駅北口から、環八通りを渡ったとたんに広がる静かな住宅街。駅から徒歩1分ほどの好立地に「浅野歯科クリニック」はある。1981年の開業以来、長きにわたってこの地域に密着した診療を行ってきたクリニックだ。院長は2代目の浅野勝一(しょういち)先生。歯周病の予防にも力を入れており、時間をかけて患者一人ひとりに合わせた治療計画を立案し、数十枚の計画書を渡しているのだとか。その計画書に基づき、歯磨き指導や専門的なメンテナンスを行っていくという。マイクロスコープや2種類のレーザーなど、先進の機器も導入。どうすれば患者の健康寿命を一番全うできるのかを考えているという、熱意あふれる院長に話を聞いた。
(取材日2020年9月10日)
患者に合わせた治療計画を立て、虫歯予防の啓発も
来院する患者の層を教えてください。

お父さんお母さん世代の中高年の方と、そのお子さんが多いですね。やはり近所にお住まいの方がメインですが、ほとんどがご紹介でいらっしゃった方です。当院の特長は、検査を1時間してカンファレンスを行い、患者さんに合わせた詳細な治療計画を立てることです。治療計画は休診日や診療終わりの時間に作るのですが、時間はもちろんかかりますよ。今でこそ少し短くなりましたが、始めた当時はお一人の治療計画を作るのに6時間以上かかったこともあります。でも、詳細な写真や現状を記した計画書を目にしていただくことで、患者さんには自分の口の中をわかっていただけると思うんです。そうすれば、一人ひとりの意識は変わりますよね。現状や計画を伝えた上で、患者さんの要望を踏まえて、さらに検討することもあります。
お子さんの治療は、院長も担当されるのですか?
私か副院長が担当します。私ももう11歳と8歳の子の父親ですし、子どもへの接し方にだいぶ慣れました。今では泣かせないようにするにはどうすればいいかも、わかるようになりましたね(笑)。当院では、お子さんが治療を受けている間にお母さんが近くで待てるように、ユニット台から見える位置に椅子を置いていますので、お子さんも安心できると思います。私がめざしているのは、虫歯をゼロにすることです。そのためには、子どもの頃からのお母さん指導が大事です。歯周病も予防できますし、そこから始まるんです。ですから、患者さんがお母さんの時には、お子さんも連れてきてくださるように言っています。そうすれば、お子さんの歯の管理も一緒にさせていただくことができますので。
治療計画を作るということですが、スタッフとも共有されているのでしょうか?

もちろんです。患者さんお一人お一人に合わせた治療計画の中で、歯科衛生士や助手などにも、しっかりとそれぞれの役割を受け持ってもらっています。メンテナンスも1時間半くらいかかりますけど、当院の歯科衛生士は丁寧にやってくれますよ。そういう中で、患者さんとスタッフが仲良く会話している姿も目にしますね。当院はとてもスタッフに恵まれていて、患者さんからも「受付の雰囲気が良い」という、うれしい声を聞いたこともあります。以前は勤務の最後に終礼をすることもありましたが、今はそういったことがなくてもうまく連携できていると感じています。
「いい治療」「ちゃんとした治療」を心がける
院長のご経歴を教えてください。

大学卒業後、10年間にわたって大学病院で診療し、とりわけ歯周病の治療を多く行っていました。研究者としても多くの論文を発表し、歯周病の再生療法やインプラント治療など、日本の歯科医療の最前線で、さまざまな経験を積んできました。歯科に限らず最近の大学病院では、医師や歯科医師は専門性に特化した治療を行うことが主流のようですが、僕が勤務していた大学病院では、専門性に特化するだけでなく、いろいろな治療やアプローチを学んだり行ったりできる環境が整っており、とてもいい勉強ができたと思っています。2009年4月から当院の院長を父から引き継ぎ、大学病院で培ってきた経験を、地域の皆さんへ還元しています。
診療時に心がけていることはありますか?

どんな治療においてもベストを尽くすようにしています。人間だから「こんなところでいいかな」と思ってしまうような瞬間があるかもしれませんが、そうしないように心がけています。また、無理やり治療することはせず、丁寧な治療を常に心がけています。「いい治療」「ちゃんとした治療」をしたいと思うんですよ。患者さんが、自分の状況がちゃんとわかるように治療をすることもその一つです。何をされているかわからないと、不安ですよね。私自身が病院を選ぶ時のように、手間をかけてきちんと説明することを意識しています。
患者を広く受け入れ、一人ひとりにベストを尽くす
お忙しいと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

子どもと遊ぶことですね。どちらかというと屋外が多いです。父は忙しくて、ほとんど遊んでくれなかったんですよ。だから、小さいうちは特に、めいっぱい遊んであげたいと思っています。子どもが一緒でない時は、ゴルフをやったり、ジムに行ったりします。スポーツの経験は人とのつながりをつくってくれますし、人への接し方も自然と学べると感じますね。特に拳法で教わったのは、師匠や先輩への感謝の気持ちや尊敬、仲間への思いやり。これは患者さんに対する接し方ともリンクしますよね。患者さんには、感謝の気持ちと尊敬の念がなければ信頼関係は築けません。
院長が歯科医師をめざされた理由を教えてください。
物心ついた頃から、父の筋を通すところを尊敬していたので、当たり前のように歯科医師をめざしました。父の後を継ごうという思いも、最初からありました。生まれ育ち、今も住んでいる親しんだ上野毛で、この仕事を続けていきたいと思っています。そして、「上野毛で一番いい歯医者さん」と言われたいです。どの患者さんに対しても、手間をかけてきちんとした検査とカンファレンスと治療計画を提供していきます。さまざまな症状の相談を受けるよう、入り口を広くし、その中でベストを尽くせば、結果は後からついて来ると思っています。もちろん、どんな治療も担当できるように、知識と技術を日々磨いていきます。
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

お子さんがいる方には、小さいうちから歯のケアをすることの大切さを知っていただきたいと思います。歯磨きはもちろんですが、お菓子を含む食事の習慣を、小さい頃から身につけることが重要です。甘いものを食べる回数を決めておく、糖分はなるべく食事と一緒に摂取させる、週に1回はお菓子をキシリトールにするなど、やり方はいろいろ考えられます。そういう習慣を身につければ、虫歯リスクを減らすことができるんです。私は最終的には、歯科医院では歯科衛生士だけが仕事をして、歯科医師は不要になるのが理想だと思っているんですよ。いらっしゃる患者さんは、虫歯にならずに過ごせているということになるわけですから。患者さんとは一生のお付き合いをするという覚悟で毎日診療しています。お悩みがあればお気軽にご相談ください。