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松井 利行 理事長、松井 嵩昌 院長の独自取材記事

アルファデンタルクリニック

(横須賀市/衣笠駅)

最終更新日:2021/12/03

松井利行理事長、松井嵩昌院長 アルファデンタルクリニック main

衣笠駅から2分。30年以上も地域住民の歯の健康を守ってきた「アルファデンタルクリニック」は、松井利行理事長が開院した「かかりつけ歯科医院」だ。理事長の息子で同院を継いだ松井嵩昌院長も勤務しており、次世代まで長い目で見た診療を心がけている。エレベーターから院内に入ると、院内は木目調の内装によるリラクゼーションサロンのような落ち着いた空間だ。靴からスリッパに履き替えるスペースでは、車いすを使う患者に院内用の車いすを提供している。歯を大きく開く場である院内に少しでも細菌を持ち込まず、清潔に保つためだという。理事長と院長に熱い思いを聞かせてもらった。

(取材日2016年7月8日/更新日2020年12月9日)

どのような歯科治療でも顎のバランスを重視してゆく

歯科医師になるきっかけをお聞かせください。

松井利行理事長、松井嵩昌院長 アルファデンタルクリニック1

【理事長】昔から親戚が体の不自由な方のための奉仕団体を運営していたこともあり、人の役に立てる医療の道に進みたいと思い、神奈川歯科大学に進学したんです。卒業後しばらくは、歯科に欠かせない痛みの研究に従事していたのですが、その過程で出会った顎の診療の奥の深さに惹かれ、当院を開院するに至りました。
【嵩昌院長】物心ついた頃から父が歯科医師をしていて、そのことが嫌ではなく、「自分がこのクリニックを継ぐのだろう」と思ってきました。そのまま東京歯科大学に進学し、卒業して現在に至るという感じです。歯科医師になって4年目の今は見識を広げるため、当院と千葉県における一般的なクリニックとの両方で働いています。

顎の診療に熱心だと伺いましたが、貴院の治療にはどのような特徴がありますか?

【理事長】近代医学において診療科目は細分化しています。しかし、顎の状態が良いと、口腔内の健康を得られるだけでなく、副産物のように他の部位の体調も良くなりやすいのです。体の内部は相互に関連していますから。そのような見識を持っていれば、通常の虫歯治療などに臨んでも、顎のバランスを重視して進めることで、全身の健康にまで配慮できるわけです。もちろん歯科医師ですから、行うのは口腔内の治療ではあるのですが、体全体のバランスや精神的な健康にも良い影響を与えられたらいいな、という診療を重視するようになっていきました。

初診時における問診は、タッチパネルで便利に進められるようになっていますね。

松井利行理事長、松井嵩昌院長 アルファデンタルクリニック2

【理事長】電子タブレットを使用しますが、操作に難しいところはありません。待合室にいる間に、大きい文字でひらがなの多い画面で、すいすいと問診を進めるうちに、600項目もの状態を診られるようになっています。初診の際に打ち込まれた情報は受付・助手・歯科医師の3者が入念にチェックし、情報を見逃さないよう徹底します。初診はそこまでしっかりと行うのが当院の方針でもあるのです。今、数十年前までの診療と異なるのは、よそのクリニックでうまくいかなくて、と相談にみえる患者さんが多いことです。他のクリニックや知人から聞いて身につけた知識で違っている点があれば、丁寧に指摘しなければなりません。これまでどのような治療を受けてきたのかも、詳しく知っておく必要があるので、そのためにこのタッチパネルでの問診が大切なのです。

2回目のクリニックづくりで、内装や環境にこだわり

院内はほんのりと良い香りがして、サロンやリゾートホテルのような雰囲気もありますね。

松井利行理事長、松井嵩昌院長 アルファデンタルクリニック3

【理事長】約5年前に、すぐ近くから移転したんです。前の場所にはエレベーターがなく、増えてきていたご高齢の方や車いすを使われている方にとって不便な環境でしたから。クリニックづくりは2回目ですから、内装やコンセプトに凝りました。歯科医院特有の薬のにおいがしないようにしたり、音を吸収する壁を用いて、静かな環境にしたりですね。脳神経の中でも嗅覚の刺激というのは非常に多くを占めていますから、緊張感を高めないようにしました。
【嵩昌院長】普通のクリニックなら倍ぐらいの診療ユニットが入ってもおかしくないほど、広々とスペースをとりました。そのことによって、患者さんのみならず、スタッフも余裕を持って接することができるのは、当院の好きなところですね。

衣笠という地域の患者さんの特徴をお聞かせください。

【理事長】ご高齢の方が多いですね。とはいえ、開院した当初にも、私が講師として関わっていた介護老人福祉施設から入れ歯の治療のために数多くの患者さんが来院されていましたから、得意な診療ではあるのですが。衣笠は特に産業があるわけではなく、商業施設と住宅地からなる穏やかな地域ですからね。高齢化が進みやすい環境ではあります。
【嵩昌院長】だからこそ、修業中の私も高齢者の治療は当院で学べるところがあります。また、よそのクリニックでも勉強して、今度は衣笠のお子さんや若い層にも来ていただけるクリニックになるべく努力していきたいですね。

この地域で実現させたい歯科医療はどのようなものですか?

松井利行理事長、松井嵩昌院長 アルファデンタルクリニック4

【理事長】個別の症状に対応しながら、顎関節のバランスを取る大切さを伝えて、実践していく診療ですね。時間はかかりましたが、今では理解していただいている患者さんも増えました。三十数年前、開院した当初はなかなか歯科医療への理解が乏しく、歯磨きの重要性も十分には知られていませんでしたからね。昔は、親子4人で1つの歯ブラシを使っておられるご家庭もあったくらい(笑)。その頃に比べたら、状況は劇的に良くなりました。
【嵩昌院長】歯科医院を敬遠する患者さんにも喜んでいただけるような診療をしたいですね。実際に、最初は嫌がりながら通われていた患者さんに、後で「先生に相談して良かった」「来て良かった」と言われた時のうれしさはとても大きかったですから。

未来におけるクリニックの世代交代も意識

長年、地域医療に貢献してきた中で、今後に予測される診療の世代交代についてはどう考えていますか?

松井利行理事長、松井嵩昌院長 アルファデンタルクリニック5

【理事長】当院を息子に任せられる段階になったら、私自身は今後、往診に専念しようと考えているんです。ちょうど患者さんの高齢化が進み、通いづらくなった方も増えていますから。次世代の地域医療は、こればかりは息子本人が自分で情報を集める中で有機的につくりあげるしかないだろうと考えています。私もそうしてきたし、こうしなさいと押しつけてもうまくいかないであろうことは、他に親子でやられているクリニックを拝見してきてよく知っていますから(笑)。
【嵩昌院長】父の言う「自分で情報を集めること」をするために、当院以外のクリニックでも働き、複数の視点から一般的な診療を身につけようとしているところです。時代はどんどん変わるので、この先、もしかしたら父の治療だけでは物足りない部分も出てくるかもしれません。父の診療の良いところを吸収すると同時に、よそのクリニックや出席する各種セミナーでの良いところも吸収しています。

お忙しいと想像しますが、息抜きにされていることは何ですか?

【理事長】休みを取ると余計に疲れるというのが本音です(笑)。ですので、スタッフたちと一緒に沖縄旅行に行く機会を設定するなど、クリニックのみんなに連れ出して行ってもらう、というのが休みの過ごし方でしょうか。また、外部の講演会などに呼ばれて発言する機会が多く、それは地域と関わる仕事そのものではありますが、いつもと異なるコミュニケーションを取ることで気分転換にはなりますね。
【嵩昌院長】歯科医師として学んでいる真っ最中で、休む暇があったら勉強という感じですが、夜においしいものを食べるというのが息抜きです(笑)。たまに友人と会って焼き肉を食べたりするのが、最もリラックスできる時間です。

最後に、読者へのメッセージをお聞かせください。

松井利行理事長、松井嵩昌院長 アルファデンタルクリニック6

【理事長】当院で診療を受ける最大のメリットは、口腔内の状態が全身の健康に関わっているという観点から、長い目で見た治療を提案できるところです。口腔内の状態は、体全体の健康と関わりが深いだけでなく、気候変動など一見関係のないような要素からも影響を受けているんですよ。診療ではそういった説明もしますから、どうぞ、当院を歯だけでなく全身の健康を増進することにつなげていけるよう活用してください。
【嵩昌院長】当院には、私たちの他に20年以上勤務しているスタッフもおり、紋切り型の応対にならない、一人ひとりに合わせたコミュニケーションが上手です。患者さんを個人として大事にするクリニックですので、ぜひいらしてください。

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