上明戸 篤史 院長の独自取材記事
上明戸歯科医院
(平塚市/平塚駅)
最終更新日:2025/05/12

平塚駅より車で10分ほど、平塚市総合公園近くにある「上明戸歯科医院」。モダンな外観が印象的な院内に入ると、歯ブラシを模したデザインの扉が出迎えてくれる。「うちはどうってことない普通の歯科医院ですよ(笑)」という上明戸篤史院長は、父の上明戸芳光先生が40年以上前に開業した同院を2025年1月に引き継ぎ、リニューアル開業した。一般歯科から小児歯科、矯正歯科、審美歯科など幅広く診療。丁寧でわかりやすい説明に努め、子どもから高齢者まで多くの患者が訪れる。「歯科医師にとっての最善と患者さんにとっての最善が同じとは限りません。治療にかかる費用や期間も含めてしっかり説明して、納得していただける治療を心がけています」と、患者目線での診療と信頼関係を大切にしている上明戸院長に、診療への思いを聞いた。
(取材日2025年4月7日)
地域の患者のために常に最善を尽くしたい
長い歴史がある歯科医院の院長を引き継がれたのですね。

父が開業し、かれこれ40年以上地域密着型の歯科医院としてやってきました。父は今でも診療を続けていますが、今年の1月に私が院長職を引き継ぎました。うちは父だけでなく、母方の親族にも歯科医師が多い家系だったこともあり、私もごく自然に歯科医師になりました。私は生まれも育ちも湘南なので、もともとこの辺りは地元の延長という感覚です。歯科医師になってからはずっと平塚でお世話になっているので、今は恩返しをするような気持ちでやらせていただいています。地域の皆さんのかかりつけ歯科として虫歯や歯周病、小児歯科、入れ歯、インプラント治療、ホワイトニング、矯正歯科まで幅広く対応しています。小さなお子さんから100歳を超える患者さんまで、親子3代で通ってくださる患者さんも多く、通院が困難になった患者さんには訪問診療も行っています。
最近、院内をリニューアルしたと伺いました。
もともと、父がここではない場所で10数年やっていまして、こちらに移ってきてからはさらに30年以上がたっています。老朽化もありましたので、院長を引き継いだ後に1ヵ月間ほど閉めて改装し、気持ちも新たにリニューアル開業しました。長い間にたまった物も多すぎたので、改装と同時に断捨離もしました。ゆとりのある空間にしたかったため、リニューアル後は、なるべく余計な物は置かないことを意識しています。治療に関わる機器も、いくつか先進の物に交換しましたので、より万全の体制で診療に臨めます。
衛生管理も徹底されているそうですね。

はい。開業当初より院内感染防止には力を入れています。医療器具は一つ一つ高圧蒸気滅菌機で滅菌していますが、130度という高温に耐えられない物などは使い捨ての物で対応しています。滅菌機も今回のリニューアルで新しい物に交換しました。また、市販の据え置き型の空気清浄機の7~10倍の効果があるといわれている、業務用の空気清浄機を設置して空気感染防止に努めたり、滅菌スリッパを導入したりするなど、安心して治療を受けていただけるよう配慮しています。
小児矯正は家族皆が納得してから開始
先生は矯正歯科に力を入れていると伺いました。

はい。私は矯正を専門としており、日々技術の向上に努めています。矯正が上手になるにはたくさん経験を積むことが一番で、今でも専門の歯科医師の所に出向いて診療しながら学ばせてもらっています。当院に矯正で来られるのはお子さんが多いのですが、お子さんは6歳臼歯という永久歯が生え始める時期が一つの目安になります。矯正はお金も時間もかかりますし、診療を受けるお子さんだけでなく、費用を工面し装置の取り外しなどのケアを行うご家族全員の問題です。当院ではせっかく始めた矯正をやり遂げられるよう、時間をかけてカウンセリングし、納得していただいてから始めるようにしています。また、何かの拍子で装置が外れてしまったなどのトラブルにもすぐに対応しますので、気になることがある方はまずは気軽にご相談ください。
矯正を行う際、どのような考え方で進めていますか?
まず、患者さんが求めていることと、こちらが求めることがすべてリンクするわけではないという認識が大切です。お子さんの場合は、親御さんがどこまでやろうと思っているか。大人の場合は、咬合をメインにするのか、審美をメインとするのかによって変わってきます。最終ゴールをどう設定するかは一人ひとり違うので、一緒にすり合わせる必要があります。ですから、矯正はすべてがオーダーメイドといえますね。小児矯正は1期矯正と2期矯正に分けて行う歯科医院が多いと思いますが、当院では特に分けず、お口の状態や最終目標に応じて計画を立て、なるべく費用を抑えたご提案をしています。大人の矯正に関してはワイヤー矯正が基本で、マウスピース型装置を用いた矯正などを希望される方は、私の兄弟が同じ平塚市内で歯科医院をやっているので、そちらと連携しています。
予防歯科にも力を入れているそうですね。

そうですね。歯を守るためには、やはり「病気になる前から予防する」ということが大切です。定期的な来院を促すために、はがきでのご連絡などもしていますが、来院時に次のメンテナンスの予約を取って帰るということもできます。3ヵ月後、4ヵ月後、半年後など、来院される頻度は患者さんによって異なります。
患者主導で、希望をできる限り尊重する治療を
先生の治療方針を教えてください。

矯正についての考え方でもお話ししたとおり、すべての治療において、患者さんが望むことと私が提案することがマッチするようにきちんとすり合わせて、納得してもらった上で治療を行うことを心がけています。そのためにも患者さんの話にじっくり耳を傾け、口腔内カメラやモニターを使いながら丁寧でわかりやすい説明を心がけています。歯を抜く場合にも「なぜ抜く必要があるのか」をきちんと説明すれば、「あそこの歯医者に行ったら突然歯を抜かれた」などとネガティブな感情を抱かれることはないと思うんです。もし、ネガティブな感情を抱かせてしまったとしたら、それはインフォームドコンセント不足。もちろん、無理なものは無理だと言いますよ。でも、決して無理強いしたり押しつけたりすることなく、あくまでも患者さん主導で、希望を可能な限り尊重するというのが治療方針です。その方針はずっとぶれていないかなと思います。
患者さんとコミュニケーションを取る上で気をつけていることはありますか?
私は、歯科医師を「先生」と呼ぶことにちょっと違和感がありましてね。だから、お子さんに話しかけるときにも「先生がね……」とは言わず、「おじちゃんはね……」と言ったりしています。歯科医師が上で患者さんが下ということではなく、なるべく患者さんの立場に立って接するようにしています。そのほうが、いろいろお話ししてくれて、治療に役立つ情報が入ってくるということにもつながると考えています。「歯科医師と患者さん」という立場を超えて、お口の悩みを気軽に相談できる「近所のおじさん」のような親しみのある雰囲気で対応できたら良いなと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院には長年通い続けてくださっている患者さんが多いので、治療をするだけでなく、治療後の経過も把握できることを本当にありがたく思っています。患者さんが義歯を入れた後も適切なメンテナンスを続けながら、仮に100歳を越えても元気に自分で噛んで食べていただけていれば、歯科医師として本当にうれしいことですね。これまで大勢の患者さんと接してきましたが、多くの経験に裏打ちされた父の判断力に学ぶことは多いです。父が築いてきた長年の信頼を裏切ることなく、今まで以上に信頼していただけるよう、努力を重ねていきたいと思っています。また、すべての歯科治療を一人でやることなんてできません。できないことはできないと、信頼できる歯科医師と連携しながら多面的に患者さんをサポートしていきますので、些細なことでもどうぞお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/66万円~、ホワイトニング/3万3000円~、インプラント治療/1本 44万円~