加藤 丈雄 院長の独自取材記事
医療法人社団 加藤歯科クリニック
(藤沢市/藤沢駅)
最終更新日:2025/06/19

弥勒寺バス停留所から徒歩約1分の場所にある「加藤歯科クリニック」は、1981年の開業以来40年以上にわたり、地域の歯科医療に貢献してきた。一般歯科治療はもちろん、義歯、インプラント治療、マウスピース型装置を用いた矯正、小児床矯正などにも対応する同院には、家族3世代で訪れる地域住民も多いという。「ここに来ればなんとかしてもらえる、と思ってもらえる、当院だけで完結できるような診療をめざしています」と朗らかな笑顔を見せる加藤丈雄院長。痛みに配慮した治療を心がけ、患者の不安を和らげることを大切にしているという。同院のモットーや、院内の設備面でのこだわりまで幅広く聞いた。
(取材日2025年5月21日)
どのような症状にも対応するため、研鑽を重ねた40年
まず、患者層について教えてください。

近隣にお住まいの方がメインです。お子さんからお年寄りまで幅広い層の患者さんに来ていただいています。駅近でない住宅街の歯科医院ということで、昔の町の歯科医院のような、家族ぐるみの診療が求められていると感じています。こちらでもできる限り患者さんの家族構成やライフスタイルなどを記憶して、診察時のコミュニケーションを大切にしています。このような関係性を築くことができた背景には、地域の皆さんが別々の歯科医院に通わずに済むよう、どんな症例も自院で完結できる歯科医師でなければ、という想いが常にあったからだと思います。「ここに来れば何とかなる」、そう思ってもらえるのが、町の歯科医院の役割だと考えています。
中には3世代で通っている方もいらっしゃると伺いました。
はい。ありがたいことに世代を超えて来院される方もいらっしゃるんです。私は町医者のような存在でいたいと考えています。ただ歯の治療をするだけでなく、その人の生活や背景にも向き合いながら診療をしたいですね。ですので、「お子さんは元気?」とか「お母さん、体調どう?」といった会話をよくします。私としてはできるだけ患者さんとの会話を覚えていたくて。もちろん、すべてを覚えるのは難しいですが、家族構成や親子関係、学校や部活のことなど、少しでも記憶にとどめておきたいと思っています。ただ、そういったやりとりには時間がかかります。効率を優先すれば診療だけに集中して、次々と患者さんを診ていくほうが良いのかもしれません。ですが、もともと私は「治療をすればそれで終わり」というスタイルに疑問がありました。話をすることで治療の緊張も和らぎ、気になることを患者さんが話してくれるきっかけにもなればと思っています。
患者さんの生活や背景にも向き合いながら診療をされているのですね。

そうですね。すべての人に同じように接することは難しいですし、中には「そういうのは必要ない」と思う方もいるかもしれません。治療だけに集中するスタイルもあると思います。ですが、私は患者さんとの信頼関係を大事にすることを、自分のポリシーとして続けていきたいと思っています。全員に同じように関わるのは限界があるかもしれませんが、できるだけ多くの人のことを心にとどめて、これからも診療していきたいですね。
痛みや不安にできるだけ配慮したストレスのない治療を
患者さんが複数のクリニックに通わなくても良いように、さまざまな技術を習得されているそうですね。

インプラントや矯正など専門性の高い診療も、自分がスキルを身につけさえすれば、患者さんがあちこち通わずに済むわけですから、技術を身につけることに力を注いできました。歯科の治療技術は日進月歩。勉強し続けなければ、新しい技術を提供することができませんからね。透明なマウスピース型装置を用いた矯正、小児用床矯正やバネのない入れ歯を含めた義歯の豊富な選択肢、電動麻酔器での局部麻酔や笑気麻酔を使った治療など、さまざまなニーズにお応えしているのが当院の特徴です。通院している患者さんからのご紹介で、遠くから来てくださる方もいらっしゃいます。
痛みに配慮した治療とは、どのようなものなのでしょうか?
歯科治療における痛みは、麻酔の痛みと、歯を削る際の感触がほとんどです。特に歯科治療にネガティブな印象を持つ大きな要因となる麻酔を工夫し、歯科治療時の痛みの軽減をめざしています。局所麻酔を施すときにはまず表面麻酔を行い、極細の針を使って電動麻酔器で一定の速度で薬剤を入れます。歯科治療に対して極度の緊張がある方やお子さんなどには笑気麻酔を使用するなど、その都度使い分けしています。歯科治療がトラウマになってしまうと、その後取り戻すのが大変ですから、ゆっくりと時間をかけて慣れてもらうようにしているんです。ご希望があれば親御さんに同席いただくこともできます。こうしたスタンスで子どもたちに受け入れてもらえるように努めています。
実際、痛みに弱い方も多いのでしょうか?

そうですね。歯の治療はどうしても「痛い」「怖い」というイメージがあると思います。だからこそ、できるだけ痛みを少なく、安心して治療を受けられるように工夫しています。例えば麻酔をするときに、いきなり注射するのではなく、まず表面麻酔を行います。チクッとした痛みを軽減できるように、歯茎の表面に麻酔を塗ってから注射します。不安が強い方には、吸入タイプの笑気麻酔を併用することもあります。中には大人の方でも「笑気麻酔を使ってほしい」と希望される方もいらっしゃいます。そういった方が「ここなら笑気麻酔を使ってくれる」と、うちを選んで来てくださることもあるんです。
口腔内をトータルで見て、環境を整えていく
院内の設備面のこだわりについてもお聞かせください。

長く歯科医院を続けていると、どうしても設備は古くなってしまいますが、患者さんにできるだけ新しいものを提供できるよう、ユニットの入れ替えを何度か行っています。また、被ばく量を低減できるデジタルエックス線撮影装置や、院内感染を防ぐためのクラスB滅菌器なども導入しています。基本の機器はオールマイティーに取りそろえ、さらに良いものがあれば積極的に取り入れるようにしています。例えば、高周波治療器は組織の結合促進や疼痛解消、炎症抑制などをめざし、さまざまな使い方をします。殺菌作用が期待できる強酸性次亜塩素酸水は、器具の洗浄から消毒まで幅広く活用できるのも魅力です。ここ数年は、感染症対策の設備投資にも力を入れました。
歯科医師を志したきっかけも教えていただけますか?
祖父の代から続く歯科家系で、いわゆる3代目の歯科医師です。とはいえ、私は次男なので父の地盤を引き継いでいるわけではなく、時代には区切りをつけて自らのスタイルを確立できていると感じています。その一方で、患者さんとの信頼関係を重視し、地域密着の歯科医療を行っていた父や祖父から影響を受けている部分も大きいと思います。2人の地域医療に懸ける精神を引き継いでいきたいという想いが歯科医師の道へとつながり、40年以上たった今もなお、自分のモチベーションになっている気がしますね。ただ単に治療するのではなく、総合的に診ることと、継続して見守っていくことが本当の医療人のなすべきことと私は思っているので、患者さんとの対話をとても大事にしています。時には愚痴を聞くこともありますね。それも信頼関係あってこそだと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院では、虫歯や歯周病の治療をはじめ、矯正やホワイトニングに至るまで、さまざまなお口の悩みに対してワンストップの総合歯科診療をめざしています。ベテランスタッフもいるアットホームな歯科医院なので、安心して治療を受けていただけるよう、環境づくりを心がけています。お口のトラブルは全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。セルフケアはもちろん大切ですが、歯科医院での定期的なメンテナンスも欠かせません。「痛みがなかなか引かない」「入れ歯が合わない」「子どもの歯並びや噛み合わせが気になる」などのお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療:埋入手術/19万8000円~、上部構造/6万500円~、マウスピース型装置を用いた矯正:片顎35万円~、全顎矯正/50万円~、小児床矯正/16万5000円~、バネのない入れ歯/11万円~、ホワイトニング/1万7600円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。