浅井 佑介 院長の独自取材記事
浅井歯科医院
(五泉市/五泉駅)
最終更新日:2022/01/17
五泉駅から徒歩3分ほどの閑静な住宅街の一角に立つ「浅井歯科医院」。診察室の窓からは、敷地内に植えられた木々が並び四季折々の変化を楽しめる。小児歯科を診療のメインに据えていることから、カプセルトイの設置やユニットごとに掲示されている動物のイラストなど、院内は明るく温かな雰囲気。子どもたちが楽しく通える工夫が随所に見られる。気さくで親しみやすい浅井佑介先生は、先代の父親の後を継いで院長に就任。小児歯科を中心に、幅広い世代を対象とした総合的な歯科診療を提供することをめざす。「当院の目標は、口腔衛生管理を通じて、全世代の人生を豊かにすることです」と穏やかに語る浅井院長に、医院継承の経緯や診療理念、クリニックならではの診療、今後のビジョンなど幅広く聞いた。
(取材日2021年11月11日)
丁寧な説明に加え、通話アプリも活用してサポート
小児歯科中心とのことですが、どのような経緯だったのでしょうか。

当院は、1982年に父が開業しました。私は埼玉の明海大学を卒業後、付属の大学病院に勤めていたのですが、両親が体調を崩したこともあり、新潟に戻ることを決意したんです。その後は、新潟大学で4年間経験を積み、2017年から当院で診療にあたっています。戻ってきた当初は、父の代から通院されているご高齢の方をメインに診療していたのですが、市主催の子ども向けのイベントに参加したことがきっかけで小児歯科に力を入れるようになりました。その時、輪投げやデコ歯ブラシ作りなどの企画に加え、歯並びや食育をテーマにしたセミナーを実施したところ、大勢の子どもたちが参加してくれまして。子どもたちの口腔機能の健全な発育をサポートする必要性を感じ、小児歯科を診療のメインに据えるようになったんです。
患者層についても教えていただけますか?
患者さんの割合は、子育て世代の方が4割、お子さんが3割、ご高齢の方が3割くらい。戻ってきた頃はお子さんの割合が1割ほどでしたので、随分増えてきました。午前中からお昼過ぎまではご高齢の方や3歳以下のお子さんが多く来院され、16時頃から4歳以上のお子さんなどがいらっしゃる感じ。家族ぐるみで通ってくださる患者さんも多いですね。お子さんの多くは、歯並びの治療やフッ素塗布のために来院。以前に比べて重度の虫歯の患者さんは減っていて、「なんとなく痛い」「違和感がある」といった軽い症状でいらっしゃる方や歯石除去を希望される方のほうが多いですね。定期検診で通われる方も多く、全体的にお口の健康に対する意識が高まってきたと感じています。
患者さんの意識を高めるために心がけていることは?

お一人お一人に治療内容などを時間をかけて丁寧に説明させていただくよう心がけています。実際にお口の中を扱う時間より、患者さんとお話しする時間のほうが長いくらいなんです。また、口頭でお伝えするだけでは記憶に残りにくいため、紙媒体なども活用するよう努めていますね。例えば、待ち時間に歯科についての知識を取り入れていただけるよう、待合室の壁に大きなコルクボードを設置して、いろいろな資料を掲示しています。掲示物をご覧になった患者さんから質問されることも多いですね。さらに、矯正に関心のある方がいたら、当院の矯正専門ウェブサイトに掲載した動画を添付してお送りするなど、患者さんに情報をお伝えするために通話アプリも活用しています。
子どもたちが安心して通える環境づくりに力を入れる
子どもたちに安心して通ってもらうため、いろいろと工夫しているようですね。

感染症が流行する前は、楽しいイベントや食育などをテーマにしたセミナーを定期的に開催していました。子どもたちに安心して通ってほしいのはもちろん、私自身、子どもたちが楽しんでいるのを見るのが好きなんです。楽しい企画を考えるために、子ども向けのイベントに積極的に参加して情報を集めたりもしていましたね。また、院内にカプセルトイを2台設置。1台には消しゴムやスーパーボール、もう1台には噛む力を鍛えられるよう、キシリトール入りのグミを入れています。さらに歯の掃除に使うペーストも、チョコレートやクリームソーダなどいろんな味を準備して、子どもたちに選んでもらっているんですよ。他にも、味つきフロスなども用意して、楽しく受診してもらえるように工夫しています。
クリニックならではの診療についてお聞かせください。
前歯の部分矯正を得意としています。現在、マウスピース型装置を用いた矯正も普及していますが、当院ではワイヤー装置を用いた前歯矯正を行っています。ワイヤーを用いた場合、矯正の期間が短くて済むことがメリットですね。短い期間で矯正を行いたい方にお勧めの方法です。また当院では、歯科医院を怖がるお子さんに配慮した診療も心がけています。恐怖心から診療ユニットに座るのが難しいお子さんがいたら、キッズスペースで横になって診させていただくことも可能ですよ。横になるのも難しいなら、お母さんの膝の上でも大丈夫です。お子さんが少しずつ歯医者さんに慣れていけるようサポートしていますので、安心していらしていただければと思います。
クリニックの診療理念を教えていただけますか?

当院の目標は、口腔衛生管理を通じて全世代の人生を豊かにすることです。そのためには患者さんはもちろん、スタッフやその家族の人生が豊かになるようサポートすることも大切だと考えています。それで、有給休暇の取得を推奨するなどスタッフがワークライフバランスを保ちやすい環境を整えるよう努めています。また、スタッフたちと意思の疎通を図ったり、情報共有したりするための時間を十分にとるようにも心がけています。さらに近年、虫歯や歯周病と全身疾患との関連も指摘されるようになってきていますので、全身の健康まで考慮した歯科診療を提供するように努めています。加えてお一人お一人の生活背景に応じて適切な治療を施せるよう、患者さんのお話によく耳を傾けることも大切にしていますね。
小児歯科をメインに、総合的な歯科診療を提供したい
歯科医師をめざしたきっかけやご専門についてお聞かせください。

歯科医師をめざすようになったのは、父の影響が大きいです。専門は、かぶせ物や入れ歯などで歯を補う補綴治療。埼玉の大学病院時代は、咬合崩壊を来した患者さんの治療を行う、全顎的な補綴治療に主に携わっていました。そうした治療には3~4年ほどの長い期間を要するため、患者さんとは長いお付き合いをさせていただいていました。全顎的な治療に携わったことで、かぶせ物治療や入れ歯治療、インプラント治療などの分野で多くの経験を積むことができたと感じています。ただ、手術などの口腔外科的な治療に関しては経験が不足していたため、新潟に戻ることを決意した後、新潟大学の組織再建口腔外科学分野に入局。口腔外科治療の経験を積んでから、こちらに戻ってきました。
印象に残る患者さんとのエピソードはありますか?
埼玉の大学病院で担当した患者さんのことが印象に残っています。重度の歯周病だったため、歯周病の怖さや歯磨きの大切さについてお話ししたら、「治すのはあなたたちじゃないのか」と怒られまして。その方は歯磨きもされていなかったので、セルフケアの大切さを上手に伝えられるよう、いろいろと考えて毎回の診療に臨みました。車で1時間ほどかけて通院されていたのですが、しばらくは話し合うだけの状態。しかし、試行錯誤を繰り返しながら何度もやりとりするうちに次第に信頼関係が構築されていけるようになったんです。それからはどんどん患者さんも治療に協力的になってくださいましたし、ご自宅でのセルフケアも丁寧に行っていただけるようになったんです。まずは患者さんに受け入れて信頼していただくことの大切さをこの経験で学びましたね。
最後に、今後のビションや読者に向けたメッセージをお願いします。

当院は、小児歯科をメインとした総合的な歯科医院、つまりお子さんからご高齢の方まで幅広い世代の方がご家族そろって安心して通えるようなクリニックをめざしています。今後も、お子さんの治療に力を入れつつ、さまざまな年代の患者さんに幅広い歯科診療を提供していきたいですね。歯科治療は、継続的な治療。一度歯科医院にかかって治療すれば、それで終わりというわけではありません。「歯科医院は継続的に通う場所」という意識を持っていただければ幸いです。お一人お一人と長くお付き合いさせていただきたいと思っています。老若男女問わず誰もが安心して通える雰囲気づくりを心がけています。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/22万円~、成人矯正/30万円~、マウスピース型装置を用いた前歯の部分矯正/38万5000円~、ワイヤー装置を用いた前歯の部分矯正/30万円

