丹羽 俊輔 院長の独自取材記事
丹羽歯科医院
(土岐市/土岐市駅)
最終更新日:2025/04/07

JR中央本線土岐市駅から車で約5分、バス通りに面した住宅街の一角にある「丹羽歯科医院」は、1980年の開業以来、地域密着型の診療を続ける歯科医院。丹羽俊輔院長は、審美歯科をメインとする歯科医院での勤務経験を経て、2011年より同院の2代目として、一般歯科をはじめ小児歯科やインプラント治療、訪問歯科診療まで幅広く対応する。中でも根管治療は丹羽院長が得意とする分野。マイクロスコープやラバーダム防湿などを用いた精度の高い根管治療の提供をめざしており、セカンドオピニオンを求めて来院する患者も多いという。歯周病治療にも積極的に取り組み、「患者さんのお口の健康を守ること」を軸にした診療に注力している。明るく親しみやすい雰囲気の丹羽院長に、同院の特徴や診療方針、歯科診療への思いまで話を聞いた。
(取材日2025年2月20日)
先代から継承し、地域に長く愛され続ける歯科医院
赤レンガと樹木のコントラストがすてきな外観ですね。

先代の父が1980年に建てて、屋根の修繕などをしながら現在に至ります。院内は何度かリニューアルしていますが外観は当時のままで、患者さんからも趣のある建物だと言われることが多いです。院内には、マイクロスコープ、歯科用CT、クラスBの滅菌器など、歯科医院として必要な設備を整えています。私自身は、当院の近くで生まれ育っていて、同級生や保育園時代の恩師が来院してくれて、少し照れくさいこともあります。
どのような患者さんが多いですか?
小さなお子さんから年配の方まで、幅広い年代の方が来てくださいます。ありがたいことに、父の代から通ってくれている方も半数ぐらいでしょうか。また、既存の患者さんからの紹介で来てくださる方が多いことも特徴です。新規の患者さんの話を伺っていると、クチコミを見て、というケースがよくあります。診療においては、虫歯や歯周病治療などの一般歯科、小児歯科、インプラント治療など幅広く対応しています。中でも歯内治療、いわゆる根管治療で来られる患者さんが多いです。それに関するセカンドオピニオンを求めていらっしゃる方もいます。根管治療に関しては、クチコミで当院を選んでくださる人が多いようです。
こちらの根管治療の特徴についてお聞かせください。

根管治療を行う際は、肉眼の約20倍まで拡大して患部を確認できるマイクロスコープをできる限り使用しています。また、ラバーダム防湿も必ず使用します。ラバーダム防湿は、根管治療を行う歯に専用の器具を用いてゴムのシートを取りつけ、治療中の患部に唾液などが入ることを予防するためのものです。当院ではかなり早い時期から導入していましたが、導入当初は知らない方のほうが多かったのではないでしょうか。今ではラバーダム防湿について、電話でお問い合わせいただくこともあります。歯科医師としてできることは必ず実践したいという一心で治療してきたので、うれしく感じています。もちろん、ラバーが苦手という患者さんに無理に勧めることはないので、ご安心ください。
将来の健康を見据え子どもを歯科嫌いにしない取り組み
診療方針やモットーを教えてください。

患者さんのお口の中を治して、しっかり守ることを主軸に、それに対する治療方法を提案して選択していただく、というスタンスです。例えば、インプラント治療を希望して来院される方の中には、インプラント以外の治療が必要になる場合もあります。逆に、当院を引き継いで10年以上が経過する中で、歯を失い、必然的にインプラント治療が必要とされる患者さんも増えています。入れ歯は嫌だという方にとって、残存歯を守り長持ちさせるためのインプラント治療のメリットは大きいと思います。お孫さんと一緒に何でも食べたいと言う70歳以上の方でインプラント治療を希望する方もいます。歯周病治療では、セルフケアの指導と定期的に歯科医院で行う専門的なケアの両輪が必要です。必要な場合は歯周外科領域の治療も行いますが、患者さんを怖がらせないように、「ちょっと大袈裟なお掃除が必要です」と伝えます。
お子さんに対する治療についてはいかがでしょうか?
お子さんに対しては、「泣き出す前に終える、押さえつけて治療はしない」という方針で診療しています。泣いているお子さんには「待合室で本を読んで帰るだけでも、遊ぶだけでもいいよ」と伝えています。私から治療しようとは言わずに「本が読めたの? すごいね、じゃあまたね」と声だけかける。そうすると、お子さんはだんだんと診療室の中が気になってきて、治療をさせてくれることにつながると思っています。まずは、歯科医院に慣れることが大事なので、親御さんと一緒にユニットに座ったり、鏡で口の中を見たりすることから始めます。当院で体験した出来事によって、お子さんが“歯医者さん嫌い”になってしまったら、いずれ大人になってから歯科医院への足が遠のいて、苦労することになるかもしれません。そういった状態を避けたいと思っています。
診療において、心がけていることはありますか?

患者さんの話をしっかり聞くこと、そして、医学的根拠にもとづいた治療を心がけることが当院のコンセプトです。根拠のない診療を続けると、どこかでほころびが出ますし、原因もわからなくなってしまいますから。また、患者さんの本当の気持ちを引き出してあげたい、という考えもあります。例えば、奥歯の治療をしている患者さんで、本当は前歯に悩みを抱えていた、ということもあるでしょう。マニュアルどおりの流れだと患者さんの本心を見落とす可能性もあるので、当院ではお一人お一人に合わせた診療で、見落としがないよう心がけています。
当院の歯科治療を必要とする患者に届けたい
歯科医師の道を選ばれたのは、やはり先代のお父さまの影響でしょうか?

そうですね。祖父は陶器屋さんで、父が歯科医院を開業したのですが、私は長男なので「歯科医院を継いではどうか」という無言の期待は、小さい頃から感じていました。もともとプラモデルを作ったり、工作したりなど、細かいことが好きな子どもでした。実際に歯科医師になってみると仕事が楽しくて、患者さんから「ありがとう」の言葉がいただける、幸せな仕事だと思いました。現在、私には3歳と1歳の子どもがいるのですが、子どもたちと拾ったどんぐりに絵を描くなど、いろいろな工作を一緒に楽しんでいます。自分自身の子育て体験を通して学んだことなど、お子さんの歯科診療の際に役立てばと思っています。
訪問診療にも注力していると聞きました。
赤ちゃんから高齢の方まで、長くしっかりと診ていきたいという想いがあります。父の代からの患者さんの中には、通院が難しくなってきた方もいますので、お口の中を管理できるよう訪問歯科診療には力を入れています。施設の患者さんの中には、全身の健康状態から必要な抜歯ができない方もいます。さまざまな事情を抱える患者さんにお会いすると、歯科医師として患者さんの希望を優先しつつ、適切な診断をしなければならない責任を感じます。噛むことに対して少しでもストレスの少ない状態で、おいしい物を食べたいという願いは、年齢を重ねても同じなのだと痛感します。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院を必要としている患者さんに、医療リソースをきちんと提供できる体制づくりを継続していきたいです。診られる範囲で、当院の診療を必要としてくれる患者さんに届けたいと思います。お口の中のことで悩んでいる方は、通院中の歯科医院の先生に、まず相談してみてください。患者さんは、治療がオートマティックに流れていくと、なかなか違う箇所の悩みを言いづらいこともあるようです。「前歯の治療をしているから奥歯がしみる、というのは言いづらい」などと考えず、何か気になることがあれば気軽に相談することをお勧めします。当院においても、ご縁があった患者さんにしっかりと向き合い、診療を続けていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック治療/8万8000円~、インプラント治療/43万円~