谷本 隆 院長の独自取材記事
谷本歯科医院
(横浜市青葉区/青葉台駅)
最終更新日:2025/04/14

通勤・通学の便が良く、豊かな自然や落ち着いた生活環境が人気の横浜市青葉区。その中心地である青葉台駅の近くで、50年以上にわたり地域の歯科医療を担っている「谷本歯科医院」。父である先代や師と仰ぐ先輩の歯科医師たちから、責任を持って誠実に仕事に取り組むことの大切さを学んだという谷本隆院長は、地域の歯科クリニックならではの強みを生かして、ひたむきに患者と向き合っている。丁寧に言葉を選びながら話す谷本院長に、同院の診療方針や地域医療への想いを聞いた。
(取材日2025年3月10日)
厳しい環境で歯科医療を学び、地域の医療に貢献
先生はこの街で育ったそうですね。開業当時と比べて、街の様子に変化はありますか?

私が小学校に入学するタイミングで川崎市から青葉台に引っ越してきまして、その頃に父が当院を開業しました。当時はまだ駅の周辺にも畑や原っぱが残っていたことをおぼろげに覚えています。東急線の延伸に伴って住む方が増え、駅前に店舗や施設ができて住宅地として整備されていきました。都内にお勤めの方が多く、向学心や目的意識が高い方が多いように感じます。
歯科医師をめざしたのは、やはりお父さまの背中をご覧になっていたからでしょうか?
そうですね。私にとって一番身近な職業でしたので、憧れはありました。厳しい父でしたが患者さんに対しては優しく、関係を築くのが上手でした。誠実な一面もあって、私が歯科医師になってからも「あまり商売熱心になるな」とよく言われていました。それと父の他にもう一人、師匠と呼び憧れている歯科医師がいます。大学卒業後、最初に勤務した横浜の歯科クリニックの歯科医師で、技術だけでなく仕事の取り組み方を教えていただき、人間としても鍛えられました。「歯科医師としての経験が浅くても患者さんには関係ないので、責任を持ってしっかり仕事をしなさい」と教えられたことを覚えています。経験や知識が足りない分勉強しなければならないので、当時は休日も準備や調べものに費やしていました。厳しい環境で育てられた分、成長のスピードは早かったと思うので、父にも師匠にも感謝しています。
休日はどのように過ごすことが多いですか?

自転車のロードレースや登山など、趣味はアウトドアが多いです。最近はランニングを始めまして、2023年にはフルマラソンで完走し、4時間を切ることができました。今年は少し練習不足で見送っているのですが、近々2回目のフルマラソンにも挑戦したいと考えています。自転車もマラソンも練習した分だけ結果がついてきますし、身体の変化も感じられます。年齢は重ねてきていますが、仕事をする上で基礎体力はあったほうがいいと思うので、趣味と実益を兼ねているところもあります。
患者のニーズに応えるべく幅広く対応できる歯科医師に
診療科目の中で得意とされているものはありますか?

私は、特定の診療を専門とするというよりは、それぞれの分野において専門家に近いことができる歯科医師でありたいと思っています。というのは、一つの分野に特化するためにはその分時間が必要になります。当院は地域の歯科クリニックですので、できるだけ多くの患者さんのご要望に応えられるよう、どの分野においても専門家の8~9割のレベルの診療を提供したいと思うからです。例えば、矯正歯科については、治療のレベルによって専門の歯科医師と連携して分業体制を取っています。比較的難易度の低いケースは当院で引き受け、本格的な矯正が必要な場合には専門家をご紹介しています。
こちらにはどのようなお悩みでいらっしゃる方が多いですか?
患者さんの傾向としては、ベッドタウンなので平日の昼間は主婦層、週末は都内で働いている会社員の方などが比較的多いです。患者さんの層はお子さんからご高齢の方までと幅広く、主訴もさまざまですが、ボリュームとして多いのは虫歯や歯周病です。治療が終わった後、口腔環境を維持するために継続して来院されている方も多いです。他に、私が以前の歯科クリニックに勤務していた時代からお越しいただいている方など、20年以上通院してくださっている方もいます。患者さんに特有の難しい事情がある場合など、歯科医師を変えることは患者さんにとってリスクでもあります。ですので、お口の中を把握していると感じてくれているから、当院に通い続けてくださっているのではないでしょうか。お近くの方や初診の方ももちろん真剣に診ますが、通院にかかる時間やコストに見合った診療をしなくてはと、身の引き締まる思いです。
最近導入された機器や設備はありますか?

3次元CTとマイクロスコープを導入しました。3次元CTによって情報量が増え、治療計画をさらに高精度な立案ができるようになりました。また、それによって治療時間を短縮でき、治療の安定化につながっていると思っております。マイクロスコープは、根管治療や虫歯治療で、暗くて見えにくい口の奥を明るい環境で観察する際に使用します。導入当初は時間がかかるし神経も使うし、苦労することも多かったです。使いこなすためには技術を習得し保つ必要があるので、保険診療も含めて、日々の診療の中でできるだけ長く触れるようにし、精度とスピードの向上に努めています。
高い技術で歯の健康を守り、幸せを届けたい
初診の際に意識していることや、問診で必ず聞いていることはありますか?

「痛い」「腫れている」「グラグラしている」といった主訴だけでなく、その症状に至るまでの経緯を伺うことです。いつ頃から痛いのか、どうするとグラグラするのかなど。ご自身の口の中の状態を言葉で説明するのは、意外と難しいことです。例えば、「右の奥歯が痛い」というケースでは、左側の歯が1本もないために右ばかりで噛んで負担がかかっていたことが原因だったなどのケースもあり得ます。そうした問題が起こるまでのストーリーを見逃さないよう、お話の行間を読み取って、患者さんの本当のニーズをくみ取るように心がけています。
先生が考える理想の歯科医療とはどのようなものでしょうか?
患者さんそれぞれのニーズに応えながらも、より高く安定した機能をめざしたいと思っています。例えば、虫歯の治療であれば、痛みを少なくするのは大前提として、より良く噛める状態を長持ちさせられる方法を模索し、高い水準でニーズを満たすことが理想です。かぶせ物や義歯、またはダメージを受けた歯の機能回復や審美歯科にしても、より精度を上げて、もともとの口の中を再現する以上に良好な環境を作りたいと思っています。口元の悩みが解決することで、多くの方に喜んでいただきたいです。歯の健康によって幸せになれるケースはあると思っているので、症状に応じて最適な方法を提案していきたいです。
今後、青葉台という街にとってどのような歯科クリニックになっていきたいとお考えですか?

技術の研鑽や新たな機器の導入によって、以前はできなかったことができるようになってきました。これまで蓄積してきた経験や知識を生かして、より多くの方の健康やQOL(生活の質)の向上、幸せに貢献していきたいと思っています。口の中の環境を整えるということは、建築に似ていると思います。やみくもに建てるのではなく、計画に沿って効率的に進めることで、安定した建物を最速で建てることができます。ですので、診療時間外に患者さんの治療計画を検討する時間も増えました。当院は自宅開業で、毎月の家賃がかからない分、診療に使えるコストに恵まれています。精度の高い器具を導入することで、患者の皆さまに還元していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは部分矯正/10万円~、セラミックを用いた補綴治療/8万2500円~、インプラント治療(埋入)/24万2000円~、歯周組織再生治療/3万円~