加藤 聖 院長の独自取材記事
しらとり台クリニック
(横浜市青葉区/青葉台駅)
最終更新日:2023/03/15

田園都市線青葉台駅から徒歩6、7分の場所にある「しらとり台クリニック」。しらとり台が地元の加藤聖院長は「患者さんとの信頼関係を大切に、どんなことでも相談できる皮膚科クリニックをめざしています」と話す。内科の医師だった父が開業したクリニックを引き継ぎ、皮膚科のクリニックとして再スタートしてから25年。検査・診断・治療を院内で完結できる体制を整え、ほくろや皮膚腫瘍などの日帰り手術、病気の原因を調べる皮膚生検などにも対応している。患者に寄り添う診療に努める加藤院長に、クリニックの特徴や診療のモットーなどをじっくりと聞いた。
(取材日2023年2月7日)
検査・診断・治療まで院内で完結するクリニックに
先生はなぜ青葉台で開業されのですか?

ここはもともと、私の父が1973年に内科のクリニックを開業していた場所なんです。自宅兼クリニックでしたので、私は子どもの頃からここで育ちました。開業前は聖マリアンナ医科大学病院の皮膚科で勤務していましたが、父の急逝により、私が後を引き継ぐことになりました。当クリニックは1998年に皮膚科のクリニックとして新たなスタートを切ったので、早いもので、代替わりしてから今年で25年になります。思い出が詰まった自宅でしたが、建物の老朽化のため建て替え工事を行い、2015年11月にリニューアルしました。その際、駐車場を3台完備し、ベビーカーや車いすのまま診察室にお入りいただけるようにするなど、患者さんが通いやすいよう工夫も施しました。
開業医になり、どのようなやりがいを感じていらっしゃいますか。
大学病院ですと、毎日自分が外来診療を担当するわけではありません。また、大学病院に来るのは紹介の患者さんがほとんどで、入院患者さんを含め、重症の方を多く診てきました。ですので、開業してからのほうが、より幅広い年齢層のさまざまな疾患で悩む患者さんに対応しています。中には「とりあえず薬だけもらえれば」という方もいらっしゃるのですが、皮膚疾患の治療では、薬を正しく使うことや、しっかりと経過を診ることが重要です。副作用のある薬もありますので、当院では薬局任せにすることなく、できる限り私から丁寧に薬のご説明をしています。毎日多くの患者さんと接することが、私にとってのやりがいです。
クリニックの診療内容について教えてください。

当院は皮膚科全般の一般診療から、ほくろや皮膚腫瘍などの日帰り手術など、幅広い診療を提供しています。また、皮膚科の疾患は見た目だけでは判断できないことも多いのですが、長く治らなかった症状の原因が皮膚生検によってはっきりとわかり、診断がつくこともあります。ですので、皮膚生検も行えるよう体制を整えています。開院当初から一貫している目標が、しっかりとしたガイドラインに基づき、検査、診断、治療まで完結できるクリニックづくりです。検査・診断をしたら、できる限り今後の見通しを伝えています。どうしても良くなるまでに時間がかかる疾患もありますので、患者さんにもご自身の状態について知っていただき、安心して治療に専念していただきたいのです。
わかりやすい言葉と丁寧な説明が診療のモットー
どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

小さなお子さんから高齢の方まで、幅広い世代の患者さんが来院されます。青葉台はファミリー層が多くお住まいですので、お子さんもとても多いですね。アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー疾患や、夏場はとびひや水イボなどお子さん特有の感染症が増えます。皮膚科の疾患は長く経過を追って診療しなければならないケースもあります。なので、通っていたお子さんが就職され、今も通い続けてくださるなんてことも、徐々に増えてきました。中には3世代にわたって通ってくださる方もいます。こんなふうに患者さんの成長や変化をずっと見守っていけることも、開業医ならではの醍醐味です。
先生の診療のモットーを教えてください。
治療は患者さんと医師との信頼関係が何より大事です。症状の改善のお手伝いをすることが私の喜びであり、患者さんに「このクリニックに来て良かった」「治療して良かった」と思っていただけるように努めています。疑問や不安に思うことは、どんなことでも気軽に相談してもらいたいので、話しやすい雰囲気づくりも大切にしています。また患者さんにわかりやすい言葉で、丁寧に説明することも診療のモットーです。「こんなことでクリニックに行っていいのかな?」と思う必要はありません。皮膚科の疾患は早く治療に取りかかるほうが、早く治ることが期待できるものも多いものです。よくあるのが、水虫だと自己判断して市販薬を塗ったものの、水虫ではないために症状が悪化するケースです。水虫は顕微鏡検査をしないと適切な診断はつきません。市販薬を使うこと自体は否定はしませんが、なかなか治らない場合は早めに皮膚科に相談されることをお勧めします。
皮膚から内科的疾患がわかることもあるのでしょうか?

皮膚は面積的にはどの臓器よりも大きいので、病気になって皮膚に症状が出てくることがあります。また、初めに皮膚に症状が出ることで内科的な病気が見つかることもあります。例えば、膠原病など自己免疫疾患といわれる病気は皮膚に特有の変化が出ることがあります。他の症状や自覚症状がなくても、皮膚生検をすればわかることもあるため、当院でも少しでも可能性があれば検査をするなど、隠れた疾患を見逃さないように注意を払っています。
患者が何でも正直に話せる信頼関係を築きたい
診察をしていて最近気になることはありますか?

長引くマスク生活でニキビが悪化したり、皮膚炎を起こしたりするなど、肌荒れの相談が増えています。マスクをしているから大丈夫と、ニキビを放置していると、痕になってしまうこともあります。今はニキビの治療方法の選択肢もかなり多くなっていますので、気になる方は気軽にご相談ください。また、帯状疱疹のワクチン接種を希望される方も増えていますね。帯状疱疹は治療薬があり、一時的に痛みが強くても治癒が望める疾患です。ただし、高齢者の方がかかると痛みが1~2年長く続くこともあるため注意が必要です。実際に患者数は増えていますので、50代以上の方はワクチンの接種をお勧めします。
医師を志すきっかけはやはりお父さまの影響だったのでしょうか?
父の姿をそばで見てきましたから、医師になる選択肢がなかったわけではないのですが、高校時代は小学校の先生になりたかったのです。現実的に両方はできないので、まずは医師の道に進んで、どうしても嫌なら後から教師になる道もあるかなと思い、医学部を受験しました(笑)。今となっては、医師になって良かったと思っています。皮膚科は「皮膚しか診ない科」という少しネガティブなイメージがあったのですが、初期研修の際に、実はとても奥が深い診療科であることに気づきました。皮膚の中を顕微鏡を見て診断するうちにどんどん興味が湧いてきて、もっと究めたいと思いました。
休日はどのようにしてリフレッシュされていますか?
バイクが好きで、以前はツーリングに出かけるのが趣味でした。全国回りましたが、特に北海道が好きで、船にバイクを乗せてキャンプをしながら回ったりしていました。今はバイクではなく、もっぱら車で近場をドライブしてリフレッシュしています。ずっと横浜に住んでいますが、近場でもまだまだ知らないすてきな場所がたくさんあるものです。そんな新しい発見がとても楽しいのです。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

第一印象はとっつきにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません(笑)。私自身は、通っているうちに話しやすいと思ってもらえるよう努めています。特に高齢の方は「こんなことで皮膚科に行っていいのかな」とおっしゃる方が多いのですが、私に遠慮は無用です。少しでも困ったことがあれば、いつでも気軽にいらしてください。電話で予約が取れるので、待ち時間も少なく受診いただけます。また、時間の許す限り、薬の塗り方も丁寧にご説明させていただきます。1日2回塗るお薬が出ているのに、1回しか塗れないことは多々あると思います。その場合も、隠さず正直に話してもらえる関係が理想です。患者さんに合った対処方法を一緒に考えていきます。なお、近日中にホームページをリニューアルする予定です。患者さんに役立つ情報をいろいろと掲載していきますので、完成を楽しみにお待ちください。