富田 真仁 院長の独自取材記事
富田まひと歯科
(名古屋市昭和区/吹上駅)
最終更新日:2026/04/06
戸建てやマンションが密集する昭和区川名町の住宅街に「富田まひと歯科」はある。この地で生まれ育ち、祖父が開業した歯科医院を父から引き継いだ富田真仁院長。祖父から父へ、父から子へと院長交代の折に一時的に閉院する期間があったものの、先代が院長を務めていた頃から通い続ける患者も多い。子どもから高齢者まで幅広い年代の口腔の悩みに応える同院の診療内容は、虫歯や歯周病治療の一般歯科を中心に、義歯の作製や調整、インプラント治療、矯正歯科、審美歯科、スポーツ用マウスピースの作製、訪問歯科診療など幅広い。歯の健康をできるだけ長く保てるよう、かかりつけ歯科として幅広い年齢層の患者に対応している富田院長に、診療内容や診療の際に重視していることなどを聞いた。
(取材日2026年3月16日)
親子3代で地域に長く根づく歯科医院
先生は昭和区の出身で大学からは15年間、北海道にいらっしゃったそうですね。

歯科医院を開業した祖父の代からここに住み始め、その後も父、私と3代に渡ってこの地で歯科医院を開業しています。祖父から父へ、父から私へと院長交代の度に一旦閉院しているのですが、それでも変わらず通ってくださる患者さんが多くいらっしゃいますね。私は子どもの頃から動物が好きで、動物研究家の書いた本を愛読していました。その本の舞台である北海道が子どもの頃からの憧れの地だったこともあり、北海道大学の歯学部に進学しました。大学院で「破折歯の保存」の研究をしながら日本歯周病学会歯周病専門医を取得した後、道内の歯科医院で働いていたところに父から実家の歯科医院を閉じると聞いて、1年後に名古屋に戻りました。建物は父の代から変わっていませんが、内装はリフォームをして「富田まひと歯科」としてリニューアルオープンしました。
どんな患者さんが多く来院されていますか?
古くからお住まいの方には、私が小さい頃からの知り合いもいます。この辺りは古い住宅地で昔からお住まいの方が多い一方で新しい家やマンションも建っていますから、子どもも増えつつあるという環境です。昔からお住まいのご高齢の方はもちろん、若い方やお子さんまで、幅広い年代の方が来院されます。お子さんは虫歯の予防、若い方は虫歯治療が多く、ご高齢の方は虫歯に加えて歯周病や入れ歯の作製・調整など、年齢に合わせてさまざまな治療をしています。近年は健康意識の高まりで歯磨きも定着し、虫歯も減っていますが、昔詰めたりかぶせたりして処置した歯の再治療はあります。材料のメタルは劣化しなくても接着材は必ず劣化しますし、その下が感染していれば根管治療も必要になりますから、再治療の患者さんは一定数いらっしゃいます。
スポーツ用のマウスピースを求める患者さんも多いそうですね。

私は36歳から15年間、ボクシングジムに通っていました。その頃一緒にボクシングをやっていた高校生が今では高校ボクシング部の顧問になっていて、部員を紹介してくれるので、一般の歯科医院よりは多いかもしれませんね。また、近隣の大学の女子ラクロス部の方々もたくさん来院されています。スポーツ用マウスピースは自由診療になりますが、当院は院内作製で費用面に配慮して提供できることもあってか、紹介でどんどん広がっているようです。他にはブラジリアン柔術やキックボクシングなどの方も含め、年間60個ぐらいは作製していますね。私も長年マウスピースを使っていたので、経験をもとにその人にぴったり合うように作製しています。
町のかかりつけ歯科として幅広く診療
診療内容について教えてください。

虫歯治療や歯周病治療などの一般歯科から小児矯正歯科、審美歯科などを行っています。歯周病は自覚症状があまりないままに進むので、気がついたときには重症化していることがよくありますが、私の専門は歯周病治療ですので重度の歯周病にも対応しています。歯がぐらつくようになって歯科医院に行くと、「これはもう抜きましょう」と、言われることもありますが、そんな歯でもなんとか残す方策はないかと考えるのが当院のスタンスです。ただし、私が診てもやっぱり抜歯をお勧めすることもあります。ですが可能な限り残してあげたいという思いで診療を行っていますので、諦めずにまずは気軽に相談してください。歯周病に限らずさまざまなお悩みに応えられるよう幅広い診療を行っていますし、患者さんが高齢になり通院できなくなっても訪問診療で対応しています。
訪問歯科の診療内容を教えてください。
訪問診療は、開業してから始めました。虫歯の応急処置や入れ歯の修理、制作、口腔ケアなどを行っています。定期的にケアすることで誤嚥性肺炎の予防にもつながりますし、舌圧計などを用いて口腔機能の評価も可能です。今は高齢者施設だけですが、ご要望があればご自宅にも訪問します。私は自転車で訪問しているので、できれば半径16キロメートル以内でお願いします(笑)。高齢になって歯科医院に通うことが困難になった場合でも、歯のケアは続けてほしいですね。
患者さんと接する際はどんなことを心がけていますか?

よくお話しをすることですね。治療方法にしても、まずは歯科医師として学術的に正しいことをわかりやすくご説明して、後は患者さんの判断に委ねています。例えばがん治療の場合でも、最終的には患者さんが判断しますよね。決して私の考えを押しつけることはしません。基本的には、治療後に患者さんがにっこり笑って帰っていただけるような診療をしたいと思っています。治療は楽しいことではないので、せめてコミュニケーションをしっかり取って、「来て良かった」と、思ってもらえるように努めることが大事です。治療の緊張感を和らげるという意味でも、患者さんとはできるだけお話をしています。
新しい機器を取り入れ、痛みや苦痛を減らしたい
歯を長く健康に保つ上で、先生が患者さんに伝えていることはありますか?

基本はブラッシングですが、それよりも、間食をしないことと過剰に硬い物を食べないようお伝えしています。例えば、硬いせんべいやあめ玉などはよくありません。夏場に差し歯の前歯が折れて来院された患者さんがいらっしゃいましたが、その方はアイスバーを食べて折れたそうです。差し歯でなくても、歯は何十年も使っていれば、経年劣化します。歯は新陳代謝がない上に、結晶体のような多層構造で、ヒビが入りやすいのです。使っている年月が長く、硬い物を食べる機会が多い人ほど、歯にヒビが入って割れやすくなるので、65歳を過ぎた方は注意が必要ですね。よく「顎を鍛えることが大切」といわれますが、これは硬い物をバリバリ食べるということではなく、「よく噛んで食べましょう」ということ。硬い物を食べてばかりいると、歯は壊れます。
歯を残すことを重視されているそうですね。
歯をできるだけ保存するという考えは、どの歯科医師もみんなそうだと思いますが、当院では、削る量を最小限に抑える「MI(ミニマル・インターベーション)」の考えを取り入れ、自然歯の寿命を延ばすことをめざして治療をしています。歯は、一度削ってしまうと元に戻りません。他の臓器は患部を取って縫えば組織が再生するという仕組みがありますが、歯は基本的に、新陳代謝がないので再生しません。また、歯を削ると、詰め物やかぶせ物の端から虫歯になりやすいのです。そこでまた、抜歯もなるべくせず、どうしたら残せるかを考えます。なるべく削らずなるべく抜かず、自然の歯を残して機能させるという意味ですね。
読者へのメッセージをお願いします。

歯科って誰でも苦手ですよね。「歯医者は痛い!」という思い込みもあると思います。でも、昔に比べて今の歯科は痛くないと思います。患者さんが一番嫌がる麻酔注射なども、私が子どもの頃に比べたらずっと針が細くなっているし、痛みを感じにくい打ち方もあります。現代の流れに沿って医療のデジタル化や設備の刷新も必要なので、当院では歯科用CTやマイクロスコープ、光学印象などの設備も整えています。ハードに頼っているわけではありませんが、良い治療のための設備投資は必要ですね。口の中の状態が良いことは、寿命の延伸につながりますし、ひいては医療費を安く抑えることにもつながると考えられます。ちょっとしたことでも構いませんので、歯科に相談してください。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型機能的矯正装置/10万円~、セラミックを用いた補綴治療/6万5000~11万円※素材により費用が異なります、インプラント治療(1歯あたり)/33万円~※上部構造は別途費用が発生します、スポーツ用マウスピースの作製/4500~6000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

