石塚 元子 院長の独自取材記事
いしづかデンタルクリニックみずほ
(名古屋市瑞穂区/瑞穂区役所駅)
最終更新日:2026/01/13
瑞穂区役所駅から徒歩5分、住宅地の一角に「いしづかデンタルクリニックみずほ」がある。1971年に父が開業した歯科医院を2025年5月にリニューアル。院長に就任した石塚元子先生は、愛知学院大学歯学部を卒業後、東京での研修を経て地元に戻ってきた。「父の入れ歯技術は本当にすごいです。元気なうちにいっぱい教えてもらおうと思って」と目を輝かせる石塚院長。父への尊敬と技術継承への思いを胸に、天然歯を大切にする保存的治療とメンテナンスに注力している。「歯科医院に来るまでに勇気を出してくる方には“よく来てくださいましたね”という思いで接したい」という優しい言葉からは、患者一人ひとりに寄り添う姿勢が伝わってくる。白を基調とした明るい院内で、50年以上続く地域密着の診療について石塚院長に話を聞いた。
(取材日2025年12月10日)
父から娘へ、50年以上続く地域密着の歯科診療
2025年5月にリニューアルされたそうですが、どのような経緯があったのですか?

1971年から父が営んできたクリニックの老朽化が進んでいたため、私が院長を引き継ぐタイミングで、隣地に新築する形でリニューアルしました。最も重視したのはバリアフリー化です。父が前の歯科医院を建て直した時代には、バリアフリーの規定がなかったようで、車いすの方やベビーカーでの移動が困難でした。そのため、新しい歯科医院ではスロープを設置。院内は白を基調とした明るい内装にして、待合室にはキッズスペースも作りました。生まれ育ったこの地域で、父の患者さんを引き継ぎながら、地域の方々に長く歯科医療を提供していきたいという思いで、診療を継続しながら移転できる形を選びました。
先生が歯科医師をめざされたきっかけを教えてください。
父の患者さんで「お父さまじゃないと駄目だ」と言って慕ってくださる方がいらして、その姿を見て憧れました。ある患者さんが入院された時も、「石塚歯科医院の先生じゃないと嫌だ」とずっとおっしゃっていたという話を聞いて、「これだけみんなに慕われる歯科医師になれたらいいな」と思いました。小さい頃は診療室には入れなかったのですが、父が仕事場から出てくると根管治療に使うホルマリン・クレゾールという薬の匂いがして、私にとってはそれがすごく懐かしい香りなんです。そんな父への憧れから愛知学院大学歯学部に進み、東京で研鑽を積んで地元に戻ってきました。
お父さまと二診体制で診療されているそうですが、どのような強みがありますか?

小さなお子さんから入れ歯が必要な高齢者まで、家族ぐるみでトータルにフォローできることが大きな特徴です。父の代から通ってくださっている患者さんで「お父さまじゃないと駄目だ」とおっしゃる場合は父が診察します。新しい患者さんは主に私が担当するという形で役割分担しています。患者層としては働く40代女性が多く、駅から徒歩5分という立地の良さもあって通いやすいようです。このあたりは住宅地ですが、区役所や消防署があり、地域の中心的な場所になっています。メンテナンスに注力し、保存的治療を中心に地域密着の診療を提供しています。
天然歯を大切に、一人ひとりの事情に寄り添う診療を
治療方針として特に大切にされていることはありますか?

天然歯を大切にして、なるべく抜歯しない保存的治療を心がけています。患者さんには、おいしい物を食べて、健康を保ってほしいと思っています。そのためにも、将来的に患者さんご自身の天然歯を残せるよう、メンテナンスに特に注力しているんです。メンテナンスについて説明するアニメを取り入れて、ブラッシング指導をしたり、歯周病のメカニズムをわかりやすく伝えています。患者さんの口腔内状況を見て、前回と比べて今回はどう変わったかを確認します。状態が悪くなっている場合は、来院頻度を短めにするなど個別対応を重視しています。「自分が受けて嫌だなと思う治療はしない」というのが私の基本姿勢です。
マタニティ診療や訪問診療にも取り組まれているそうですね。
はい。妊娠されると口腔内環境がどうしても悪くなりやすいです。しかし、出産時にはしっかり歯で噛んでいきめることが重要だと考えています。女性の歯科医師として妊婦さんの不安に寄り添いながら、出産に支障がないよう口腔ケアを提供しています。訪問診療は、体調などで通院できない事情があって歯科医院に来られない方のために始めました。現在は他院のグループホームでも診療をお手伝いしていて、地域のニーズに応えています。外出が難しい方にも、適切な歯科治療を届けたいという思いで取り組んでいます。
患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

患者さんの話をよく聞くことですね。何を伝えたいのか、何を希望しているのかを聞き、よく考えながら接しています。治療では「ブリッジじゃなきゃ駄目」「入れ歯じゃなきゃ駄目」という押しつけはせず、複数の選択肢を提示して、それぞれのメリットとデメリットを説明した上で患者さんに決めていただきます。「これが一番いい方法ですが、こちらもできます」という形で選択肢を提案します。最近はインターネットでいろんな情報を調べて、不安になってしまう方も多いので、その気持ちをほぐすことも大切です。丁寧で優しく、患者さんに寄り添う治療を心がけています。
父の技術を継承しながら、新しい歯科治療にも挑戦
お父さまの治療技術で特に学びたいと思われる点はありますか?

父は入れ歯治療の経験が豊富で、本当に技術が高いです。入れ歯の噛み合わせを取り、ちょうどいい高さで作るために、歯型にロウで土台を作るのですが、父が作るものは最初から高さを調節する必要がほとんどないものばかりです。入れ歯と歯並びを見て「これは中に入りすぎている」とか「外に出すぎている」とか、パッと見てすぐわかるみたいです。入れ歯に経験の豊富さが表れていて、「元気なうちにいっぱい教えてもらおう」と思っています。妹も歯科医師で根管治療が得意なので、相談して顕微鏡を導入したりと、家族で協力しながら診療しています。
スタッフ教育や今後取り入れたい治療について教えてください。
スタッフは歯科衛生士1人と歯科助手2人です。歯科助手のうち1人は、父の代から長年働いている方で、他の2人はリニューアル時に新しく採用しました。年の離れたスタッフもいますが、皆さん仲が良く楽しそうに働いています。最近は接客のセミナーを実施して、アットホームでありながら、礼儀をわきまえた対応をめざしています。歯科衛生士のスケーリング・ルートプレーニングの技術向上ため、外部の勉強会への参加を検討中です。歯科助手にも歯科医師会の勉強会に行ってもらえたらと思っています。将来的にはインプラントの勉強をして、治療の選択肢を増やしたいです。こちらはまだまだ先になるかもしれませんが、将来的にはレーザーの導入も視野に入れています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

歯科医院に来るまでにすごく時間がかかって、勇気を出してくる方がいると思うんです。そういう方には「よく来てくださいました」という思いを持ち、ここから一緒に頑張りましょうという姿勢で治療していきたいです。将来も自分の天然歯で食べられるように、その後のフォローも一緒にしていきます。まずは勇気を振り絞って来ていただけたら歓迎します。一人ひとりの患者さんに寄り添って、長くお付き合いできる関係を築いていきたいと思っています。歯科医院が苦手な方も安心して通えるよう、優しく丁寧な診療を心がけていますので、お気軽にご相談ください。

