岡本 康宏 先生の独自取材記事
岡本歯科医院
(名古屋市中川区/山王駅)
最終更新日:2024/12/27

1981年の開業以来、山王駅からほど近い場所で地域の口の健康を支えてきた「岡本歯科医院」。これまで駅の東側に位置していたが、山王駅から西に歩いて5分の住宅地に移転リニューアルを行い、2024年7月に新たなスタートをした。歯科口腔外科を専門とする岡本康宏先生は、患者一人ひとりの生活や全身状態を考えて適切な治療を提供すること、診断内容や治療方針をわかりやすく説明することを心がけているという。学生時代には学問と並行してラグビーにも打ち込んだという岡本先生。スポーツマンらしい爽やかな笑顔を見せる岡本先生に、移転リニューアルに際しての変化や歯科医療に対する思いを聞いた。
(取材日2024年11月21日)
移転リニューアルに伴い、医療設備をバージョンアップ
今年7月に移転されたと伺いました。

はい。私の父である院長が開業して以来、山王駅近くのビルで診療を行ってきましたが、建物の老朽化に伴い現在地に新しくクリニックを建てました。今までは駐車場が手狭で、患者さんにはご不便をおかけしていました。新しく設計するにあたって、1台あたりの駐車スペースは十分な広さを確保。台数も10台以上停められるようになり、アクセスが向上しました。さらに、医療設備についても充実を図りました。診査診断用には歯科用CTを導入。歯の根尖や顎骨内の病巣を立体画像で捉えることができることから、短時間でかつ安全性に配慮した治療につなげられます。衛生面では洗浄機、滅菌機ともに世界基準クラスのものにバージョンアップしました。医療機関向け空気浄化装置も2台新設し、衛生的な環境下で治療を受けていただけるよう、ウイルス等の感染から患者さんを守るため、より安心・安全な環境に心を配り、感染予防対策を徹底しています。
一番奥の診療スペースはゆったりとした造りになっていますね。
当院は全世代型の医療機関をめざしていますので、構造上の理由で患者さんの受診をお断りすることは避けたいと考えています。未就学児から高齢者まで幅広い年齢層に対応することはもちろん、有病者の方や障害者の方に対しても対応できる体制に整えました。院内はバリアフリーですし、車いすでも入っていただけるスペースも確保していますので快適に受診していただけると思います。ご家族で来院されるケースでは、お子さんの治療に同伴された親御さんが同席される際にも、こちらのお部屋を使っていただきます。
ほかに、新しい設備はありますか?

今回の移転で、カウンセリングルームを新設しました。お口の悩みを抱えて来院された方にきちんと対応するには、プライバシーが守られる個室が必要だと考えました。患者さん一人ひとりのお口の状態を把握し、中長期的な視点に立って噛み合わせを診ていく上では、一対一の空間でのカウンセリングは必須だと考えます。説明をした後には患者さんが疑問や不安に感じたことにも丁寧にお答えしたいですしね。また、患者さんが自由診療を検討されているケースでも、正しい情報提供を行うことが求められます。検査結果をお伝えしたり、治療に関する適切な情報提供、情報共有をする場として活用しています。
歯科に関する適切な情報を提供することが使命
診療体制について教えてください。

歯科医師は、院長と守谷栄彦先生、川尻日出雄先生、私の4人です。守谷先生には矯正歯科のスペシャリストとして、岐阜県、三重県の近隣のみならず神奈川県など県外からも患者さんがいらっしゃっています。スタッフについては離職率が低く、ありがたいと感じています。しかし移転後、患者さんの来院数が増加し、負荷をかけてしまっている部分もありますので、勤務状況の改善が喫緊の課題です。仕事にやりがいを持てることに加えて、それぞれがプライベートもしっかり楽しめるような職場にしていくことが必要だと思っています。また、クリニックでの診療に加えて、訪問診療にも力を入れています。足腰が不自由などの理由で通院が困難な方を対象に病院や介護老人保健施設、個人宅に伺い診療を行っています。
貴院ではどのような治療に対応されていますか?
歯科医師4人とも、それぞれ専門分野はありますが、一般歯科についても精通しています。虫歯や歯周病治療のほか、インプラント治療や顎関節症に対するご相談にも応じています。CTをはじめとする医療機器も完備しているため、一通りの治療を当院で完結できると思います。近年は、歯並びや噛み合わせに悩まれている方が増えていますね。食事や姿勢、呼吸法など生活習慣が歯並びに影響を及ぼす一因であるとの考えに基づき、当院では生活指導や骨格の定期的な健診を実施。健全な口腔環境の成長を促していきます。その上で必要に応じて、患者さんお一人お一人に合わせた矯正装置をご提案しています。近年、人気を集めているマウスピース型装置を用いた矯正は、比較的負担が少ないといわれていますが、健康な歯を削らないといけない場合もありますし、メリットばかりではありません。当院では、健康な歯をできる限り削らずに歯列を整えるための方法を採っています。
診療を行う上で先生が大切にされていることは何ですか?

自分のお口の中を見る機会って少ないと思うんですね。ですので、口腔内カメラで撮影した画像やエックス線画像を用いて、今の状態を患者さんご本人としっかり共有することを大切にしています。また、現状だけでなく、今後起こり得るリスクについてもお話しすることで、納得した上で治療に臨んでいただきたいと考えています。治療前には、これから行う治療内容をお伝えすることはもちろん、治療中も痛みを伴う処置の前には「痛みは大丈夫ですか」や「頑張りましょうね」などと声をかけて、患者さんに寄り添うことを大切にしています。また、外科的な処置の際には、丁寧に行うことに加えて、処置の時間をできる限り短く行うことを心がけています。切開している時間が長ければ長いほど組織は乾いてしまいます。細胞の水分量を保ったほうが痛みも少なく、治りも早いことが望めます。
歯周病予防のために、まずは定期健診を
先生が歯科医師になられたのはお父さまの影響が大きかったですか?

そうですね。父も口腔外科を専門としていますが、私も人の命に関わり、救うことができる分野に携わりたいと思いました。今まで名古屋大学医学部附属病院、愛知学院大学歯学部附属病院、小牧市民病院の口腔外科などで勤務をしてきましたが、今回の移転を機に当院に加わりました。今までの経験を生かし、当院では、親知らずの抜歯にも対応していますし、全身管理の知識を生かして持病をお持ちの方への治療も行っていますので、安心して治療を受けていただけるのではないかと自負しています。ほとんどの症例を当院で診させてもらうようにしていますが、難症例の一部は、大学病院や近隣の総合病院などへ適切に情報提供し、ご紹介します。
学生時代にはラグビーをされていたそうですね。
中学時代の恩師の影響で、高校に入ってからラグビーを始めました。大学に進学する際には愛知学院大学の本校のラグビー部からスカウトされまして(笑)。寮に入って本格的にラグビーをやらないかと誘いを受けましたが、歯学部に進学を希望していましたので、さすがにラグビーと勉強との両立は難しいと判断して、最終的にはお断りしました。歯学部にもラグビー部がありましたので、入学後はそちらへ入部しました。卒業後も運動していないと、体調が優れないと感じるようになり、次はマラソンに挑戦しました。ハーフから始めて、フルマラソンも完走して、さらに挑戦したい意欲が出てきたため、その後はトライアスロンに転向。バイクは特に好きで長く続けていましたが、最近は仕事が忙しく、運動から遠ざかっている状態です。
最後に、読者へのメッセージをお聞かせください。

今までは比較的ご高齢の患者さんが多かったですが、移転後は10~40代の方も多くいらっしゃるようになり、歯周病予防に関するご相談が増えてきました。歯周病は歯を失う一番の原因であり、全身の健康にも影響を及ぼします。成人の約8割が歯周病にかかっているといわれていますが、歯周病は症状がないまま進行していきます。口の中には28本の歯がありますが、歯一本一本の価値は計り知れません。自覚症状がないうちに健診に来ていただいて、問題がないかのチェックだけでも受けていただきたいと思いますね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~
矯正治療/38万5000円~
※金額は状況によって異なりますので、歯科医院にお問い合わせください