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渡辺 励 院長の独自取材記事

渡辺医院

(横浜市青葉区/こどもの国駅)

最終更新日:2025/09/05

渡辺励院長 渡辺医院 main

静かな住宅街の一角にある「渡辺医院」は、40年以上にわたり地域のかかりつけ医としてこの地で診療を行ってきた。2代目院長の渡辺励(わたなべ・すすむ)先生が、父である先代院長から医院を継承したのが2008年。引き継ぎと同時に改装した院内には、患者が心からくつろげる場にしたいと採用された暖色系の明かりがともり、まるでわが家に帰ってきたかのような安堵感が漂う。渡辺院長のやわらかな物腰、優しい笑顔もこの温かな雰囲気にしっくりと溶け込み、居心地の良い空間をつくりあげている。小児科、内科を看板に掲げる同院には、乳幼児から高齢者まで世代を超えて多くの患者が足を運ぶ。「幼い頃から困っている人を助けたい、そんな気持ちがありました」と話す渡辺院長に、診療に対する思いを聞いた。

(取材日2025年4月30日)

経験に基づく問診スキルで見えない訴えさえも引き出す

長い歴史を持つクリニックだそうですね。

渡辺励院長 渡辺医院1

父がこの場所に「渡辺小児科医院」を開いたのが50年近く前、2008年に私が継承してからもう既に17年が経過しました。ご紹介を含めて多くの方にご来院いただいており、「ここは雰囲気がいいね」などとお声がけいただくことがあるのをうれしく思っています。継承以前は大学病院に勤務していたのですが、しだいに臨床以外の仕事が増え、患者さんと接する時間が減ってきているなあと感じていました。それで将来のことを真剣に考えた結果、地域に根差した医療をやっていこうと決断したのです。以前、体調を崩した父の手伝いをしていた時期があり、その時にご年配の患者さんから「私の家族はみんな小さい頃からお父さまにお世話になっているんですよ」と言っていただき、あらためてホームドクターの素晴らしさを感じたことも、ここを引き継いだきっかけの一つでした。そんなホームドクターとして長くご信頼いただけていることに、あらためて感謝しています。

世代を超えて通っていらっしゃる方も多いとか。

乳幼児から高齢者まで幅広くいらっしゃいます。先日いらした患者さんも「先生、うちのおじいちゃん最近こうなのよ」なんてお話をされていたのですが、こちらから積極的に診療以外の話を聞くまでもなく、自然な会話の中でこういったお話ができるというのは理想的かもしれません。ここで生まれ育った私ですが、子どもの頃に父の職場に頻繁に出入りしたという記憶はあまりありません。それでも、自分が風邪をひいたり具合が悪くなった時に、すぐ隣に医師である父がいて診てくれる安心感やありがたみは常々感じていました。ですから困っている人がいたらすぐに助けてあげることができる医師になりたいという気持ちは、幼い頃から持っていたように思います。地域のホームドクターとして、何世代にもわたって診て差し上げたいという気持ちが強くありますね。

診療において大切にしていらっしゃることは何ですか。

渡辺励院長 渡辺医院2

時間の許す限り、患者さんのお話をよく聞くことです。特に混雑して慌ただしい時ほど、重大な疾患の兆候を見落とすことのないように気をつけています。近年では検査を重視する風潮もありますが、何より大切なのは問診です。何げない話の中に病気のヒントが隠れていることもあります。特に高齢者の場合、ご自身の状態をうまく把握できず、上手に伝えられないことも少なくありません。じっくりとお話ししていく中で、当初語られた主訴と関連のない病気が隠れていることも珍しくありません。だからこそ、患者さんの様子から考えられる病気に関連する質問を戦略的に進め、見えない訴えを引き出すことも大切だと考えています。これは経験することでしか磨くことができないスキルで、とにかく聞き続けるしかありません。

生活習慣病治療や舌下免疫療法はオンライン対応も可能

温かみがあり居心地の良い院内空間も魅力の一つですね。

渡辺励院長 渡辺医院3

生まれ育った場所でもあり、私なりに思い入れがたくさんあるクリニックですから、改装時には構想に時間をかけてこだわりました。患者さんの動線やスタッフの動きやすさといった機能面はもちろん、アットホームな雰囲気づくりにも配慮しました。待合室の壁に飾っている絵は、一目ぼれして購入し、改装が完了するまで大切に保管してきたものです。ほかにも妻の友人が趣味のステンシルで待合室の壁に葉っぱの模様を描いてくれたおかげで、ただの白い壁が温かみのあるものになりました。空間づくりの工夫とともに、クリニックの顔であるスタッフの尽力もあり、良い雰囲気で運営できていると感じています。

多く扱っている疾患や、力を入れている診療について教えてください。

慢性腎機能障害(CKD)を指摘された方や、タンパク尿、血尿を認める方の精査、今後の治療方針をお話しさせていただいています。それ以外に、高血圧、糖尿病をはじめとする生活習慣病の管理、睡眠時無呼吸症候群の検査や、就寝中に行うCPAP療法に対応しています。それと、この地域にはご高齢の方も多いですから、骨折による寝たきりを未然に回避できるよう骨密度測定を行い、骨粗しょう症に対して点滴や注射といった内服薬以外の治療も行っています。また、アレルギー性疾患への舌下免疫療法も実施しています。定期受診の場合はオンライン診療にも対応しているのも特徴です。

ご専門は腎臓内科だそうですね。

渡辺励院長 渡辺医院4

腎臓内科と聞いてもピンとこないという方も多いかもしれませんが、腎臓という臓器はとても守備範囲が広く、腎臓が悪くなると全身にいろいろな病態が出てきます。さらにその症状は患者さん自身が腎臓の疾患によるものだと判断できるほど特徴的ではなく、検査で初めてわかることがほとんどです。当然それを診る医師には幅広い知識が要求されるわけです。腎臓疾患に関してはより専門性の高い医療機関での治療が必要かどうかを適切に見極め、必要に応じて私が週に1度外来を担当している大学病院などに紹介しています。たとえ重症化してしまっても、病歴を把握している私が、大学病院に移ってからも一貫して診療を継続できることで安心していただくことができています。健康診断の結果で不安になってお越しくださるケースが多いですが、経過を追う必要があるのか、安心して良いのかがわかるだけでも、ある程度不安が軽減されるのではないかと考えています。

日常的な診療を通して戦略的問診のスキル向上をめざす

なぜ腎臓内科を専門に選ばれたのでしょう?

渡辺励院長 渡辺医院5

医師として、一つ臓器の疾患だけを診るのではなく、さまざまな症状が全身に現れ、全身を診なければならない腎臓内科を専門に選びました。ただ正直なところ、開業医として腎臓内科の特色を出すというのは難しい部分もあります。専門を知って来てくださる患者さんもいますが、やはり風邪などの一般的な症状の治療を求めていらっしゃる方がほとんどですから。しかし今までの経験が生かされていることは日々実感しています。

休日はどのように過ごしてリフレッシュしていますか?

休日は飼っている犬と遊んだり、開放感あるゴルフ場でゴルフをしたり、自転車に乗ったりしています。テニスは大学時代から続けていて、リフレッシュというよりはかなり本気で取り組んでいます。何か楽しめるものを持つと、それがエネルギーにもなりますし、体を動かしていると体調もいいですからね。この仕事は体力勝負みたいなところもありますから、健康の維持にも役立っています。そして何より、ボールを追いかけ力強く打ち合うあの瞬間は、ストレス発散にもなります。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

渡辺励院長 渡辺医院6

作戦を立てて質問を繰り返すことで、顕在化されていない症状も引き出す戦略的問診のスキルは、今後もさらに磨き続けていきたいと考えています。百日咳やマイコプラズマが流行している時期に、新型コロナ感染症やインフルエンザによる肺炎が紛れ込んでいることもあり、ごく一部の重症化リスクのある患者さんを見つけ出すことが大切なのです。一見お元気そうでも、疑問に感じる訴えや症状がある場合は、目と耳をフル稼働させて丁寧に診察していきたいと思います。近年、慢性腎臓病(CKD)も周知されつつあることを実感します。むやみに恐れる必要はありませんが、健康診断などをきっかけに、ご自身の健康について改めて確認してみるのも良いのではないでしょうか。腎臓の健康を保つためには、水分補給が大切です。これから夏を迎え、特にその重要度が増しますので、ぜひ気をつけて、健康にお過ごしください。

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