田中 利秀 院長の独自取材記事
タナカ歯科
(一宮市/名鉄一宮駅)
最終更新日:2025/02/10

グレーの外壁にアーチ状のデザインが印象的な「タナカ歯科」。2024年12月に移転リニューアルし、田中利秀先生が2代目院長に就任した。院内に入ると、紋章のような同院のロゴが目に入る。診察室には7台の診察チェアが並び、そのすべてを見渡せる場所で田中院長が待機。必要に応じて、患者と歯科衛生士のもとに駆けつけるという。各診察台に設置されたモニターの位置、院内のカラーなどには、田中院長の歯科診療に対する考え、地域への思いなどといったこだわりが詰まっている。30年以上の歴史あるクリニックを受け継いだ田中院長に、院内設備や対応している治療、力を入れている治療などについて話を聞いた。
(取材日2025年1月28日)
通いたくなる環境を整え、月に1度の定期検診を推奨
2024年12月に移転リニューアルされたそうですね。内装や設備など、こだわった点を教えてください。

外観は「ワクワク感」をテーマに、外壁をアーチ状のデザインにしました。ホテルライクな高級感と柔らかい雰囲気をつくることで、歯科医院に対するネガティブなイメージを払拭したかったからです。院内の壁や診察チェア、ソファーなどは、ベージュや淡いグレーなどの優しい色合いで統一し、天井には木目調のデザインを取り入れました。院内のカラーによって患者さんの気持ちやクリニックに対するイメージが変わると思い、「目に優しい色」をテーマに選びました。診察室は敢えて半個室にし、7台の診察チェアを設置しています。完全個室も人気ですが、壁に囲まれているので圧迫感を覚える方も少なくありません。半個室ですがほかの患者さんが見えないように仕切りがありますので、プライバシーに配慮しています。主に自由診療で使用する完全個室も1室備えています。個室専用のエアコンもあり、特別感のある空間にしました。
特に力を入れている治療は何でしょうか?
予防歯科と定期メンテナンスです。当院では一般歯科、小児歯科、予防歯科の保険診療を中心に、審美歯科、矯正歯科の自由診療にも対応しています。歯のホワイトニングやセラミック治療などの自由診療は、あくまでも保険診療にプラスアルファして行うもの。まずは、虫歯や歯周病を予防することが大切です。当院では、月に1度の定期検診を推奨しています。頻度が高いと思われるかもしれませんが、どんなに日頃のケアを頑張っていても、1ヵ月程度で歯垢や着色汚れが付いてしまう人もいるのです。3ヵ月に1度や1年に1度の定期検診では、汚れが溜まっている状態が長く続き、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。月に1度の定期検診で虫歯や歯周病などのトラブルが見つかった場合、初期症状の段階で治療に取り掛かれることも利点の1つです。
こちらのクリニックで行う予防歯科の特長を教えてください。

当院では、まず私が患者さんの口腔内をチェックします。予防歯科では、はじめに歯科衛生士が歯石除去やブラッシングなどを行い、仕上げに歯科医師が確認するのが一般的かと思います。ですが、患者さんからは、「先に歯科医師に診てもらい、口の中の状態を指摘もらったほうが安心する」との意見があり、歯科医師が先に診る流れにしました。さらに、当院の予防歯科は担当制ではなく、日によって歯科衛生士が変わるランダム方式で行っています。その理由は、それぞれの歯科衛生士が持つスキルを、すべての患者さんに提供したいからです。「ブラッシング指導が得意」「ホワイトニングに詳しい」など、歯科衛生士によって得意分野はさまざま。複数の歯科衛生士がそれぞれの視点から患者さんの口腔内をチェックし、スタッフ間で情報を共有しながら患者さんの健康を支えていきます。
知識豊富なスタッフが連携し、歯の健康をサポート
審美歯科や矯正歯科にも対応されていますね。

審美歯科では歯の汚れを除去するためのエアフローを用いるほか、ホワイトニング、セラミックやジルコニアなどのかぶせ物にも対応しています。先代院長で父の田中利典理事長は、かぶせ物は保険診療内で行っていました。現在は、私が学んだ知識を生かし、自由診療にも対応しています。自由診療を行うメリットは、治療の選択肢を増やせること、長持ちさせるため経年劣化が起きにくい素材を使用できること、審美性に配慮できることなどです。患者さんには保険診療と自由診療の違いをお伝えした上で、治療方法を選択していただくようにしています。矯正歯科では月に1度、矯正を専門とする歯科医師が訪れ、小児と成人の矯正治療を行っています。マウスピース型装置を用いた矯正とワイヤー装置による矯正の両方に対応可能です。
保育士の資格を持つスタッフがいるとお聞きしました。
保育士資格を持つ歯科助手が在籍し、親御さんが安心して治療に専念できるようサポートしています。予防歯科は家族全員で行うことが大切です。子どもの歯の健康は、親の歯磨き習慣や食生活の影響を受けます。つまり、お子さんと親御さんの口腔内の環境は似ている場合があるのです。そのことを親御さんにお伝えし、家族でできる予防についてアドバイスしています。時には厳しいことも言いますが、それだけ口腔内の健康のために意識改革をしてほしいのです。子どものうちに虫歯ができてしまうと、場合によっては神経を抜いた状態で過ごしたり、詰め物の劣化を気にしたりしながら何十年も過ごすことになりますよね。「子どもの歯の健康を守ることも、親の役目」と伝えています。
患者さんと接する際に心がけていることは何でしょうか?

患者さんの目を見て話し、一人ひとりの性格や話し方などに合わせて接するようにしています。波長が合うと、話しやすいですよね。患者さんから治療に対する不安や希望を聞き出せれば、その情報をもとに患者さんに適した治療方法を提案できると考えています。患者さんから情報を引き出し、治療のヒントにしているのです。お子さんに対しても積極に話しかけています。お子さんには、歯科医院に面白さを感じてほしいですね。治療器具を見せたり、時には風が出るエアーを遊び感覚で吹き出してみたりして、歯科治療に興味を持ってもらえるように工夫しています。
先代が築いた信頼を礎に、「一宮で一番」の歯科医院へ
田中理事長から学んだことはありますか?

私が院長に就任する5年ほど前から、一緒に診療しています。父は保険診療がメイン、私は自由診療も治療のレパートリーとして取り入れるスタイルで診療していました。父のもとには、保険診療内での治療を求めて受診される方がほとんど。誰もが自由診療を求めているわけではなく、保険診療のプラスアルファとして自由診療を行うことが大事だと学びました。また、父は本当に優しい性格で、患者さんと話す時はいつも優しい口調なんです。多くの患者さんが父を慕う理由がわかりました。私はそれまで歯科治療の技術を磨くことを重視していましたが、患者さんとのコミュニケーションこそが信頼関係を築く鍵なのだと、父の姿を見て気づきました。経験値が圧倒的に高い父から、歯科診療において大切なことを学びましたね。
お二人の経験を融合させて、診療されているのですね。情報発信にも力を入れているとか?
はい。メディアへの露出や動画作成などを行い、治療や歯の健康のことなどについて情報を発信しています。短時間で見られる動画に特に力を入れていて、若者だけでなく、大人の方も隙間時間に見てくださることを期待しています。難しい話や堅い話は一切なし。「神経を抜く抜髄って実は……」など、歯科治療や歯科に関するワードについて、親しみやすい言葉かつ等身大の私として話をしています。それを見た人が、「何か気になる」「ちょっと調べてみようかな」などと思い、日頃のケアや当院に関心を持っていただけると嬉しいですね。視聴者からのコメントをヒントに、診療や情報発信に生かすこともあります。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

私がめざすのは、一宮で一番の歯科医院になること。「地元を盛り上げたい」という気持ちで診療しています。父が築いた地域医療の土台に、私の経験や知識、やりたいことを上乗せし、地域密着の歯科医院として飛躍したいですね。当院に月に1度通うご自分を誇っていただけるよう、居心地や受診のしやすさなどの院内環境にこだわりました。もちろん精密な歯科診療を提供することも重視し、幅広い選択肢の中から患者さんに適した治療を提案します。開業当初から活躍する心強いスタッフ、勉強熱心なスタッフと連携し、「一宮で一番」をめざしたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/60万円~、オフィスホワイトニング/2万5000円、ホームホワイトニング/1万5000円、セラミックインレー/7万7000円~、セラミッククラウン/7万7000円~、ジルコニアインレー/7万7000円~、ジルコニアクラウン/8万8000円~