若杉 俊通 院長の独自取材記事
W DENTAL CLINIC
(瀬戸市/瀬戸市役所前駅)
最終更新日:2025/09/24
名鉄瀬戸線・瀬戸市役所前駅から徒歩6分。「W DENTAL CLINIC」は、瀬戸市出身の若杉俊通院長が率いる歯科医院だ。「人生の中で治療回数を減らすこと」を診療の軸に、将来を見据えた精密かつ持続性のある治療に注力している。必要な医療とは何かを問い続け、保険・自費にとらわれず柔軟な提案と、初診時の丁寧なカウンセリングを重視。「どれだけ規模が大きくなっても、目の前の患者さんに丁寧に向き合う姿勢だけは変えたくないんです」と穏やかに語る若杉院長の言葉には、誠実さがにじむ。空間設計や接遇にも力を注ぎ、患者が過ごす時間が心地良いものとなるよう配慮。地域イベントや若手歯科医師向けのスタディーグループの立ち上げにも尽力する若杉院長に、診療に込めた思いや、地域に向けた思いを語ってもらった。
(取材日2025年8月1日)
真の価値ある医療を追い求め、質の高い治療を地域へ
開業から現在まで、クリニックの体制や運営面でどのような変化がありましたか?

スタッフの数も患者さんの数もずいぶん増えてきました。歯科医師の体制も、私自身と両親、そして非常勤の歯科医師が6人ほど関わってくれています。歯科衛生士も増え、正社員の割合も高くなったことで、業務の幅が広がってきたと感じています。それに伴って、患者さんからの声もより多く拾えるようになりましたが、まだまだ道半ば。どれだけ大きくなっても、患者さんとの信頼関係は何より大切だと考えています。だからこそ、スタッフには常に、前回の診療時の患者さんのお話をきちんと覚えておくこと、そして一人ひとりが今どの治療段階にあるのかを把握することを大切にしてほしいと伝えています。そうした丁寧な積み重ねこそが、信頼の土台になると思っています。
来院される患者さんの傾向を教えてください。
ご高齢の方から小さなお子さんまで幅広く、2歳くらいのお子さんが来られることもありますね。最近は矯正相談に来られる方も増えてきています。今後は、いわゆる審美に関心をお持ちの方々も相談いただけたらと思っています。当院では、単に美しいだけでなく、その方の口元やお顔全体のバランスに調和した治療を重視しています。そのため、治療前にしっかりとカウンセリングを行い、必要に応じて顔貌写真の撮影もしています。見た目の美しさと機能性はどちらも大切で、例えば噛み合わせの検査や顎関節の評価などを事前に行い、丁寧に治療計画を立てています。地元でも、質の高い審美歯科の診療やケアを安心して受けられるという選択肢として、知っていただけたらうれしいですね。
丁寧なカウンセリングを大切にされているのですね。

そうですね。初診の際には可能な限り丁寧にお話を伺い、背景やご希望をしっかり理解することを大切にしています。自費診療は決して安価ではないため、積極的には勧めず、状況に応じて無理なく判断いただければと考えています。保険診療をご希望の方にも、可能な限り最善を尽くします。患者さんのニーズはさまざまですから、その違いを丁寧にくみ取り、オーダーメイドの治療を重視しています。また、常に患者さんにとってベストな選択肢が示せるよう、専門誌などへの執筆などを通じ、外部の視点にふれながら診療の質を高める努力を続けています。こうした積み重ねが、より良い医療につながると信じています。
空間や接遇にもこだわり、過ごす時間そのものを快適に
価格に見合うだけの理由が治療の一つ一つに込められているということが、お話からよく伝わってきます。

例えばセラミックのセット一つ取っても、唾液の混入を防ぐためにラバーダム防湿を徹底し、接着のシステムもきちんと構築しています。型採りの際も、噛み合わせ全体を見ながらズレが出ないよう注意を払い、調整量が多くなってしまった場合には、精度を優先して作り直しをお願いすることもあります。セラミックを削って表面が荒れてしまうと対合歯を傷つけるリスクがありますので、極力手を加えず、歯科技工士が仕上げた状態をそのまま生かすようにしています。私自身が「自分の口にも入れたい」と思えるような技工物であれば、自信を持って患者さんにもお勧めできます。治療のすべてにおいて、自分だったらどうかという視点を常に持ちながら、世界基準の治療をめざして取り組んでいます。
若手歯科医師の育成にも尽力されていると伺いました。どのような思いで活動されているのでしょうか?
地元に戻ってきて感じたのは、若手歯科医師が継続的に学べる場が思いのほか少ないということでした。私と同じように「どこで学べばよいかわからない」と悩む声も耳にし、学びを共有できる場をつくりたいと強く思うようになったんです。その想いから、恩師や仲間たちと一緒に、若手歯科医師のためのスタディーグループを立ち上げました。年齢やキャリアに関係なく、自分の技術や知識を深められる会をめざしています。私自身も、まだまだ学びの途中です。一緒に育つ仲間として、互いに刺激を受けながら成長していけたらと思っています。ゆくゆくはこの東海エリアから、全国に発信できるような歯科医師が育っていくような土壌を、仲間たちと一緒に耕していきたいですね。
スタッフの方々に対して伝えていること、大切にしてほしいと考えていることはありますか?

いつも伝えているのは、準備と配慮の大切さです。例えば、治療の流れをきちんと把握しておけば、その場で完結できることも増えますし、予約や会計もスムーズになります。限られた時間の中でストレスなく治療を受けていただけることは、大きな価値です。また、治療はもちろんですが、当院で過ごす時間も上質なものであるよう、ラグジュアリーホテルのような空間づくりや接遇にこだわっています。こうした意識は、実際に自分が一流のサービスを受ける体験を通じて育つ部分でもあると感じていて、将来的には、皆で一流のホテルへ慰安旅行に行けたらと思っています。お客さまとしてもてなされる経験を通じて、自然と身につく感覚こそが、本物のホスピタリティーにつながると考えています。
地域を盛り上げる取り組みを通して、瀬戸に還元したい
地域のイベントを企画・主催されていると伺いました。その背景にはどのような思いがあったのでしょうか?

瀬戸市は魅力がたくさんあるはずなのに、新しい動きが起きにくい雰囲気があって、もったいないなと感じていたんです。せっかくこの地で開業しているのですから、「瀬戸って面白いね」と思ってもらえるような取り組みがしたいと、最近では地域密着型のイベントやお祭りを企画・主催しています。アパレル関係の方とコラボしたり、キッチンカーを呼んだりと、異業種の方々と一緒に盛り上げています。特別なことをしている感覚はなくて、なんとか巻き込んで、一緒にやってもらっているという感覚です。一人ではできないことも、関わる人が増えることでかたちになる。そういう関係性こそが、これからの地域医療の在り方の一つかもしれません。
患者さんと対話する際に、特に意識されていることはありますか?
その人が本当に望んでいることを、できるだけ引き出すことです。歯が痛い、詰め物が取れたといった主訴で来られても、そこには背景があるはずです。なぜこれまで歯科医院に通えなかったのだろうか。そういったところにまで思いをはせて、患者さんの背景を、できるだけ丁寧にくみ取りたいと思っています。忙しいと、すべての患者さんに自分で聞くのは難しいときもありますが、そういうときこそ、スタッフが聞き取ってくれると本当に助かりますね。本音を引き出す対話を大切に、チームで支え合いながら、患者さんの気持ちに寄り添える診療を心がけています。
今後の展望と、読者にメッセージをお願いします。

当院では「人生の中で治療の回数を減らすこと」を一つのテーマとし、できるだけ長持ちする、質の高い治療の提供に力を入れています。10年、20年先を見据えたケアをご提案することが、患者さんにとって本当に意味のある医療につながると考えているからです。また、審美歯科においても、見た目の美しさはもちろん、機能性と調和した自然な仕上がりの魅力をお伝えしていきたいですね。今後は、自費診療専用のフロアも新たに設ける予定です。少人数予約制で、圧迫感のない落ち着いた空間の中、過ごす時間そのものも快適に感じていただけるような環境づくりを進めています。まずは気軽にご相談にいらしてください。お一人お一人の想いに丁寧に寄り添いながら、安心して治療に臨んでいただけるよう、スタッフ一同努めてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは自費根管治療(抜髄):7万7000円~、自費根管治療(再治療):8万8000円~、インプラント治療(1次・2次手術):27万5000円~、審美面に配慮した治療(セラミックインレー):7万7000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

