若杉 俊通 院長の独自取材記事
W DENTAL CLINIC
(瀬戸市/瀬戸市役所前駅)
最終更新日:2024/06/24
名鉄瀬戸線瀬戸市役所前駅から徒歩6分。品のあるモノトーンの外観が目を引く「W DENTAL CLINIC」が2023年12月にグランドオープンを迎えた。前身である「若杉歯科医院」の院長を務めた父の想いを継ぎ、同院を開業した若杉俊通先生は、大学院で歯科補綴学を専門的に学び、さらに東京の歯科医院で噛み合わせの調整技術などに磨きをかけてきた。その妥協を許さぬ姿勢は、マイクロスコープや歯科用CT、セファログラム(頭部エックス線規格写真)が撮影できる検査装置など、院内にそろう設備にも表れる。20台停められる広い駐車場も整備され、遠くから来院する際も安心だ。今回は、若杉院長に世界基準を目標に掲げる治療や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2023年10月11日/情報更新日2024年3月27日)
患者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を
こちらの前身はご両親が営まれてきた歯科医院だとか。歯科医院の理念は何でしょう?
理念は自分を含めスタッフ、患者さん全員が幸せになる歯科医院をつくることです。一人ひとりの患者さんを丁寧に診るために、その方のライフステージ、需要に合った診療を提供したいと思っており、そのためにも、環境と自分の技術を妥協せず磨いています。おっしゃるとおり、当院の前身は45年ほど歯科医師の父と母が営んできた「若杉歯科医院」です。私はもともと東京の歯科医院で働いていましたが、両親が腰を痛めたり、体調を崩したりしたことをきっかけに瀬戸市に戻り、建物も新しく建て「W DENTAL CLINIC」としてリニューアルしました。高齢の方も多くお越しになっていますし、ありがたいことにクチコミも広まり、周辺の市から紹介で来られる方もいますね。
歯科医師として意識されていることを教えてください。
めざしているのは「お口の健康を世界基準で守ること」。例えば当院では、一般的な虫歯治療だけでなく、歯の根の治療でも自由診療、保険診療に関係なくラバーダムというゴム製のシートを使います。ラバーダムをしているかどうかが、治療後の虫歯の再発や、神経を抜く治療の見込まれる成否を左右するとまでいわれているからです。ほかにも、かぶせ物を用いる治療においては、マイクロスコープを使ってかぶせ物と歯の間の段差を微調整することで、歯とかぶせ物の適合性を高めています。噛み合わせチェックには「咬合紙」という赤い色がつく紙が使われますが、当院では、髪の毛よりも薄い9ミクロンの紙を使っています。世界基準という言い方は大げさに聞こえるかもしれませんが、診療のすべてに責任を持ち、海外の質の高い研究データやルールにも則った上で治療をしていきたいと考えています。
大学院では入れ歯治療などの補綴分野を学ばれたそうですね。
はい。実はもともと入れ歯を作ることに苦手意識がありました。ただ歯科医院を引き継ぐ時に、高齢の患者さんが多い中でこれは困ると思い、大学院で歯科補綴学を学ぶことにしたのです。当時は補綴を専門的に学べる勉強会にも積極的に参加し、大学院だけでは学びきれない部分を多く補填してもらいましたね。その勉強会は精度にこだわる会でもあり、米国仕込みの補綴の専門家のもと、技術と知識の研鑽も積むことができました。その後、その勉強会で講師を務めていた先生のもとで働くために東京の歯科医院に勤務し、例えば、かぶせ物や入れ歯、インプラントの噛み合わせの調整技術など、あまり日本では見られないような専門性の高い治療も学ぶことができました。
妥協せず世界基準の精密さを突き詰める
先生は「精密さ」に強くこだわっていらっしゃると聞いています。
歯科医師になりたての時から良い治療をしたいと考えていました。しかし当時は、どこまで精密だったら良いのかというのがわからず。とにかく「技術は誰にも負けたくない」と思い、腕を磨いていました。診療後、矯正歯科で抜いた歯を全部もらってきて、マイクロスコープを使い、プラスチックの詰め物でその歯の形を整えるという訓練を毎日のように行ってもらいましたね。「精密さとは?」の問いに答えられるようになったのは、東京の先生に出会ってからでして、今から4年ほど前です。院長になるにあたり、精密な治療を行うためのツールとして、歯科用CT、マイクロスコープ、高水準の滅菌器、矯正治療専用のエックス線検査装置などの設備を新しく入れました。新しい治療方法を学ぶために、今でも東京のセミナーへ参加して、その道の先端で活躍する人や海外で学んだ歯科医師から知識や技術を教わっています。
クリニックならではの強みはなんでしょうか?
診断から矯正後のフォローまで一貫して行えることです。矯正治療は専門性が高く、費用も時間もかかるため患者さんに負担が多い治療です。一般的な歯科では、矯正治療に対応していなかったり、患者さんの状態によっては矯正専門の別のクリニックに紹介されたりすることもあるかと思います。しかし、当院では先ほど申し上げたとおり精密な治療を行うために検査機器を取りそろえ、患者さんの理想に近づけるために多くの選択肢を用意しています。矯正治療の負担をできるだけ軽くする、1ヵ所で完結できるような環境が当院の特徴だと思いますね。
患者さんと接する上で大切にしていることはありますか?
「おもてなし」をとても大切にしています。例えば、患者さんの口に鏡を入れる時は温めることで不快感のないようにする、口をすすいでもらう時にはタイミング良くティッシュを差し出すといった細かいことですが、そうした心遣いを常に意識しています。また患者さんのお話を聞くときは、時間をしっかり取ることも大事にしていますね。高齢の患者さんも多いので、次の人が待っているからと席を移動してもらうようなことのないように、せかせかせず、ゆったりと対応することを心がけています。治療においては、論文などで得た知識をなるべくなら全部クリアしたい。患者さんから望まれた治療は全部確実にこなしたいですが、私たちのエゴを押しつけることはしたくないとも思っています。あくまで患者さんの本当の望みをかなえるために、技術を提供することを意識しています。
瀬戸市に貢献したいという想いは人一倍
歯科医師をめざした理由を教えてください。
特に深い理由はありません(笑)。小さい頃から漠然と「歯科医師になるのかな」というのが頭にあって、決めたのは高校生の時です。なってから歯科医師は想像以上に大変だと感じましたね。技術と知識のどちらも常にアップデートしていく必要があり、人間的に成長できると思います。努力のしがいがあるというか、すごく魅力的な仕事ですね。
新しい歯科医院は高級感を感じるデザインです。こだわりを聞かせてください。
私は良いホテルに泊まった時の安心感や、テンションが上がる、気分が上がるような感じがすごく好きで、そんな雰囲気のある歯科医院をつくりたいと思いました。外観も東京・銀座の商業施設のような、きれいでかっこいいモダンな歯科医院をつくってくださいとお願いしました。院内はバリアフリーになっていて、車いすやベビーカーで移動できます。キッズスペースも充実させていますので、お子さま連れの方も安心してお越しください。
最後に、どんな歯科医院をめざしていくか、その展望をお聞かせください。
「歯科医院に関わるすべての方の人生を豊かに」が当院の理念です。保険診療・自由診療を問わず、私たちが一人ひとりの患者さんに最適な治療を提供することで、その方の人生が豊かになるお手伝いをしたい。さらに患者さんの輪が広がって、当院の診療によって幸せになる方が少しでも増えてくれたら、これほどうれしいことはありません。また、今、瀬戸市は将棋の天才を育んだ地として注目を集めていますが、私も市を盛り上げて、貢献したいという想いがあります。今後は治療だけでなく、瀬戸市に行ってみたいと思ってもらえるように、SNSで魅力を発信したいと考えています。地域医療だけではなく、瀬戸市にも注目してもらえたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは自費根管治療(抜髄):7万7000円~、自費根管治療(再治療):8万8000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。