杉浦 究 院長の独自取材記事
杉浦歯科医院
(安城市/安城駅)
最終更新日:2024/10/15
安城市の住宅地の一角で、親子2代にわたって地元の人々の歯の健康を見つめてきた「杉浦歯科医院」。拡大鏡がトレードマークの2代目院長の杉浦究(きわむ)先生は、誰からも気軽に相談してもらえる歯科医師でありたいと、日々患者の声に耳を傾け、丁寧な説明を心がけている。地域に根差した総合的な歯科診療を提供するため、同院では一般的な歯科診療から小児歯科、義歯治療、インプラント治療や審美歯科まで幅広く診療を行っている。その中でも、父親の代から勤務する歯科技工士との二人三脚で行う補綴治療にはこだわりがある。保険診療も全力、自費診療も全力で取り組む杉浦院長に診療の思いや取り組みを聞いた。
(取材日2019年12月11日)
派手な治療ではないからこそ、基本を大切にしたい
父子2代。地元の人々に愛される歯科医院の秘訣を教えてください。
父がこの地に杉浦歯科医院を開業した翌年に私が生まれました。内装は変えましたが建物はそのままなんですよ。患者さんの中には、開業当時から通ってくれている方もいます。私は大学を卒業後、別の歯科医院で研鑽を積んだ後、当院を継ぐためにこちらに戻ってきました。一時期、父と私と妹の3人で診療にあたっていたこともありましたね。家が歯科医院であるという環境は、自然と自分を歯科医師の道へと向かわせました。秘訣というほどではないと思いますが、治療時に感じる痛みを和らげるのはもちろん、不具合の原因を探って原因から改善に取り組むような診療をするなど、患者さんを自分の家族であるかのように寄り添いながら診療するよう心がけています。
歯科医師になってからも勉強してきたそうですね。
歯科医師のための勉強会に通いました。この勉強会は、歯科診療に際しての問題解決能力を高めていくことを目的としたもので、私は仕事をしながら補綴・咬合のコースに通いました。当時は研修医制度がない最後の時期にあたり、大学を卒業したらどこかの歯科医院に勤務して実践で技術を身につけていく、という流れでした。経験が十分でないままに患者さんと向き合うため、疑問に感じたら勉強しないわけにはいかなかったですね。噛み合わせを改善していくために歯を削るとしても、勉強会で学んでからは、「なぜ削るのか」という原因に立ち返るようになりました。削り方の技術も学びましたが、原因を見つめ、一歩先を見据えた順序立てた診療ができるようになったことこそが大きな収穫でした。
拡大鏡も取り入れ、精度の高い治療を心がけているのですね。
今や拡大鏡は、私のトレードマークとなっています(笑)。拡大鏡を使用するようになったのも、この勉強会の影響と言えるかもしれません。使うのと使わないのとでは、口の中の見え方がぜんぜん違うんですよ。細かい部分まで見えるため、精密に治療を進める上でとても役立ちます。他にもいくつか機械などが増えていったのも、患者さんの口腔内の将来を考えながら診療を行っていきたいと思った時に必要だったからです。勉強会へ通うきっかけはインプラント治療を学ぶことでした。私が学生だった頃は大学でインプラント治療の授業がありませんでしたが、将来はインプラント治療が広がっていく確信があったため通い始めました。学ぶことで知識が増えてくると、得た知識や技術を地域の皆さんへの診療に生かしていきたいと思うようになり、普段の診療がより楽しくなりました。
丁寧に説明をして患者自身に治療方法を選んでもらう
「話しながら治療をする先生」、と表現されているのだとか。
皆さん、口の中を見る機会は少ないですよね。「今こういう状態ですよ」ということを診療しながら伝えるよう心がけていたら、いつの間にか説明しながら治療するスタイルになりました。「なぜ痛くなったのか」、「なぜ悪くなったのか」、という話をしています。歯科医師としての役割があるように患者さんの役割もあり、一緒に治すことが私の基本理念です。そのためにも説明をして理解していただきながら進めることは大切です。また当院は、自費診療も行っていますので、場合によっては保険か自費かの選択をしてもらうことがあります。「こちらを選択してよかった」、と納得していただくためにも、説明が大切なんです。特に自費診療の場合は、何度も丁寧に説明するようにしたり、場合によっては患者さんのご家族に向けてお話しすることもありますよ。
自費診療を敬遠される患者さんもいらっしゃいます。
確かに自費診療に対して、ネガティブなイメージを持っている方もいらっしゃいます。保険診療と自費診療、それぞれメリットとデメリットがありますので、まずはその理解をしていただくのがいいと思います。当院では、保険診療だとこういう治療になり、自費だとこういう治療となる。メリットとデメリットはこうである、と丁寧に説明をするようにしています。そして、患者さんご自身に判断してもらうため、わかりやすいよう資料を作ってお渡ししています。選ばれた治療法を、歯科医師として保険も全力、自費も全力、で取り組んでいます。
保険診療と自費診療で迷っている方に、どんなお話をされますか。
自費に興味があるのだけれど、なかなか踏み出せない、という患者さんは多いです。そういう方には、小さい箇所からの自費診療を提案しています。その結果、良さを感じて、自費診療に踏み切られた患者さんもいらっしゃいます。そういう提案ができるのも、当院には、常駐の歯科技工士がいるからでしょうね。そのうちの一人は、父の代から勤務している大ベテランです。義歯作り、研磨、修理など安心して任せることができますし、保証期間を設けず、義歯を常時メンテナンスできるのは当院の強みと言えるかもしれません。
歯から健康生活を支えていきたい
今後の展望を教えてください。
外観はそのままに、内装を落ち着いた雰囲気に改装したいですね。治療については、これまでどおりに一つ一つの診療を丁寧にしながら、患者さんと向き合っていきたいと思っています。時々、治療をしても将来は抜くことになるだろうという歯の診療をすることがあります。痛みを取り除くことはできますが、5年、10年とその歯が残ることはないだろうと判断した場合は、そのように正直にお伝えします。そして、その先にできることは何があるのかを提案して、患者さんとともに考える歯科医師でありたいと思っています。また、どんな些細なことでもいいから不具合があれば話してほしいと思っています。その中に改善のヒントが隠されていることがあるからです。それから、新しい歯科治療技術がどんどん生まれてきていますが、患者さんの疑問や治療について説明ができるよう私も日々勉強をしていますので、気になることやお悩みについてお気軽にご相談ください。
患者さんと向き合う原動力はどこにあるのでしょうか?
歯科医師として思い描いた治療ができた時の喜びが一番の原動力になっているように思います。特に義歯治療で、技工がきれいにできて、パチッと口腔内に収まった時は本当にうれしいです。その時は、患者さんに自分の喜びを伝えます(笑)。歯科技工士がいて、スタッフがいたからこその結晶だということも伝えます。わざわざ伝えるのは、義歯を大切に使ってもらいたいという気持ちがあるからです。これまで多くの人の口の中を診てきましたが、「もっと義歯を大切に使ってほしい」、と感じる場面もありました。私が作った義歯をこれから先、大切に使ってくれていたら、それが今後の私の原動力になりますね。
最後に、歯科医院選びのポイントを教えてください。
あまり行きたくない場所だからこそ、話しやすい歯科医師がいる歯科医院がいいと思います。「先生はどんな治療が得意ですか?」とはっきり聞いてみてはどうでしょうか? 得意な治療について楽しそうに、熱心に教えてくれるかもしれませんし、そこから先生の雰囲気などがわかるかもしれません。歯科医院は萎縮するところではありませんし、私自身、患者さんからの質問で気づくことも多いので、常に話しかけてもらいたい、いろいろ聞いてもらいたいと思っていますよ。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万円~
ハイブリッドインレー/1万8000円~
セラミッククラウン/8万5000円~