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中村 富士嗣 院長の独自取材記事

江南歯科クリニック

(江南市/江南駅)

最終更新日:2025/06/25

中村富士嗣院長 江南歯科クリニック main

江南市の南東に位置する「江南歯科クリニック」は、開業以来45年にわたり地域住民の健康を支えてきた。院長の中村富士嗣(なかむら・ふじつぐ)先生は、口腔内の衛生環境や呼吸法、筋機能の発達が、虫歯や歯周病といった口腔内のトラブルに加え、全身の健康に深く関与すると指摘し、予防を重視した診療を実践している。同院では、歯周病治療における先進機器を導入。加えて、歯周病予防の一環として、矯正治療やホワイトニングにも力を入れており、歯並びや口腔内の衛生環境の改善を図っている。「口は、命と体の入り口であり、病気の脅威から体を守る門番でもあります」と語る中村院長に、全身の健康を守る上で歯科診療がどのような重役を果たしているのかを、詳しく解説してもらった。

(取材日2020年4月23日/情報更新日2025年6月12日)

徹底した口腔内の治療・ケアを通じて全身の健康を守る

貴院の診療方針について教えてください。

中村富士嗣院長 江南歯科クリニック1

当院の診療の軸となる考え方は、「口腔内へのアプローチを通じた全身の健康維持・増進」です。歯が痛い、ぐらぐらするなど、お口の中で起こったトラブルに対処するのが歯科医院の役割、と考える人がほとんどでしょう。しかし私たちが日頃の診察で診ているのは、お口の中に虫歯や歯周病が見られないか、歯磨きがどのようにされているかによる口腔内の現状はもちろんのこと、鼻呼吸か口呼吸か、持病や原因がよくわかっていない不調はないか、日常生活で悩み事はないかなども詳しく確認しています。その上で、健康的な生活を送れるようにするために、口腔内に対してアプローチする。それが当院のスタイルです。皆さんが考える以上に、口腔内の環境、呼吸方法というのは、全身の健康に影響しています。その影響力の大きさを患者さんに理解していただき、いち早く改善に導いていかなければいけないと考えています。

口腔内の状態が良くないと、どのようなリスクがあるのでしょうか?

歯周病が進めば歯茎をはじめ歯周組織が炎症を起こし、進行すると出血したり、歯がぐらぐらして抜けてしまったりします。多くの場合、「将来歯が抜けてしまうかも」といったことにのみ着目してしまいますよね。しかし、この炎症が招く問題は口腔内にとどまりません。体のどこかに炎症が起こっている、つまり異常な状態があると体は免疫反応を起こし対処しようとします。慢性炎症、すなわち炎症が起こり続けている状態が続けば、免疫反応に異常が出やすくなり、アトピー性皮膚炎や関節リウマチといった自己免疫疾患、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病や腎臓病、パーキンソン病やアルツハイマー病などの発症リスクが高くなると考えらています。つまり、そこまで重い症状が現れていないとしても、口腔内で炎症が起こり続けていれば、口と離れた臓器などに何か病気が現れる可能性が高くなるとも考えられているのです。

貴院では、歯周病における、先進の治療を取り入れられているそうですね。

中村富士嗣院長 江南歯科クリニック2

当院では、レーザーと過酸化水素水を用いた先進の治療機器を導入しています。この機器は、ラジカルという物質を発生させ、歯周ポケット内の歯周病菌を殺菌します。従来の歯石除去に加え、殺菌も同時に行える治療法で、歯茎を切開せずに深部までアプローチできるのが特長です。歯茎の腫れや歯のぐらつきがある方、従来の治療で改善が見られない方、外科的手術に抵抗がある方に、お勧めをしています。施術時は歯茎に麻酔を施すため痛みを感じにくく、縫合や抜糸も不要で、治療後の回復が早く、日常生活への影響も最小限に抑えられます。ただし、歯周病治療で重要なのは予防です。普段のクリーニングに加え、歯並びを整える矯正治療は、歯磨きのしやすさを高め、プラークの蓄積を防ぐことで歯周病予防にもつながります。さらに、ホワイトニングは施術の際に口腔内のチェックも行うことから、見た目の改善だけでなく、口腔内の健康維持にも役立つ可能性があります。

健康への第一歩は、口呼吸からの脱却から

口腔内の管理の重要性を十分に理解しているからこそ、全身との関連に着目して診療を行われているのですね。

中村富士嗣院長 江南歯科クリニック3

免疫反応は本来、体を守るためのものですが、それも度が過ぎれば体に良くない影響を与えます。となると、めざすべきは免疫反応が暴走しないようにすること。体の中でも、とりわけ炎症が起こりやすいとされるのが口腔内ですから、全身のさまざまな疾患を予防するために口腔内へアプローチするのは、たいへん重要だとおわかりいただけるかと思います。歯が痛ければ歯を診るように、皮膚の炎症があれば直接患部を診るなど、多くの場合診療では症状が現れている場所に目を向けています。しかし時には、それが対症療法にとどまらせる要因となることも否定できません。もしも、なかなか良くならない、原因がわからないといったことがあれば、一度お口に目を向けてみてはいかがかと思います。

診療で心がけていること、重視して取り組んでいることは何ですか?

当院では、子どもの矯正にも力を入れており、歯並びや顎の形を正常に導くための早期トレーニングを行っています。遺伝の影響を受けることもありますが、ベロの使い方やお口周りの筋肉のトレーニング、授乳方法の指導などを通じて、健やかな成長をサポートしています。また、患者さんにわかりやすく説明することも大切にしています。歯科診療が全身の健康にも関係していることを理解していただくために、資料や顕微鏡画像などを使って、口腔内の状態を丁寧にお伝えしています。治療では、できる限り歯を残し、削ることを最小限にとどめる方針を取り、歯周病菌の定期的な殺菌が全身の健康維持につながることもご説明しています。

日常生活では、どのような点に気をつけるべきでしょうか?

中村富士嗣院長 江南歯科クリニック4

患者さんに必ずお伝えしているのが、口呼吸による弊害の重大さです。例えば、体内への細菌やウイルスの侵入。口には、鼻のように繊毛、つまりフィルターの構造がないので、口呼吸は鼻呼吸に比べて細菌やウイルスが侵入しやすいんです。さらに、口呼吸が習慣化していると殺菌や自浄作用のある唾液の量も減り、口腔内で細菌やウイルスが繁殖するには好条件となり、当然病気にもなりやすくなる。口で呼吸しているだけで病気に陥ってしまう可能性もある、というのは想像に難くないのではないでしょうか。さまざまなトラブルを防ぐためにも、まずは鼻での呼吸を意識していただきたいです。

口は命の入り口であり健康を脅かす脅威を防ぐ門番でも

診療環境の特徴についても教えてください。

中村富士嗣院長 江南歯科クリニック5

基本的なことではありますが、感染予防対策は徹底しています。器具類は治療開始の直前にセットし、治療終了後には丁寧に洗浄し、専用の消毒液に浸漬、その後さらに別の消毒液につけて超音波処理をします。次にオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)にかけて熱処理し、次の治療まで紫外線保管庫で保管しています。治療器具の一つであるタービンは50本ほどあり、患者さんごとに替えて使用後は1本ずつ消毒液で拭き、高圧滅菌処理しています。約45年間欠かさず同様の滅菌処理を続けています。

改めて、貴院がめざす診療の在り方をお聞かせください。

脳の支配領域は体の各部位に相当して、割り当てられているといわれます。その領域の多くを占めるのが、手指と、歯や舌、唇といった口周りです。食べる、しゃべる、呼吸するなど、人間は口を通じて多くの情報・刺激を得ています。その源にトラブルが起これば、脳にどんな影響があるか。その影響力は、とても大きいものといえるでしょう。たとえお口の中にはトラブルが見られなかったとしても、全身の健康に影響を与える“元凶”が潜んでいるかもしれません。しかしこの危険性は、まだ広く知られていないかと思います。私たちは、病気に苦しむ未来を招かないよう、専門家として広く発信し、適切に対処していくのが使命と考えています。

読者へメッセージをお願いいたします。

中村富士嗣院長 江南歯科クリニック6

歯が痛くなったら歯科医院に行くのではなく、お口の中をきれいにするため、ひいては全身の健康を守るために、歯科医院を利用していただきたいです。もちろん、きっかけは痛みや違和感といったものでも良いです。大事なのは治療をきっかけに口に関心を持って、必要なケアを継続すること。歯科医療先進国の一つであるスウェーデンでは、どんな用事よりも歯科医院にかかることが重要と言われることもあるそうです。私たちも「健康でいるために歯科医院を受診する」という考え方が、広く定着することを願いながら、診療に励んでいく思いです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

成人矯正/15万円~
小児矯正/11万円~
ホワイトニング/1万5000円~

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